人は「安い」と「違う」に弱い。

「名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方」鈴木康之著より。

ここでは新聞の折り込みチラシについて触れられていた。そのチラシにはお買い得情報が満載されいている。「格安」「30%、50%オフ」「「激安」「先着○○名様・・」「「期間限定」などの文字はしばしば目に入る。
チラシを眺めていれば、どうしてもそこに目がいってしまう。そして、同じ業種のチラシを比較検討するものだ。たとえ、スーパーや家電量販店なら同じ商品なら好しでも安い方へと走る。
しかし、実際にその店で商品を見て説明を受ける必要がある家電製品などは、たんに価格だけでは決められない場合も出てくる。
その販売員の接客態度や雰囲気で価格以上のものを判断基準にしてしまうこともある。説明に十分納得できるかどうかも価格以上に商品決定のポイントにもなったこともあった。
食品や消耗品などは価格や鮮度が勝負だろうが。どうこがどう違うのかが、自分で判断がつくものは、やはり価格訴求が一番かもしれない。人はきっとそこに弱いのだろうな。(安かろう悪かろうでは一番困るが)
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読む人が「言われてみたら、そうだよね」と反応してくれそうな言葉。
「名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方」鈴木康之著より。
普段の生活ではコピーは読むもので作る必要はまったくない。しかし、何か書く必要があるならやはり読んでもらって心地いいようがいいものだ。しばしばわかりにく文章に出くわすとともある。
すでに書かれたすぐれたコピーはある意味それだけで作品のようにも思える。ここに日本たばこ産業のコピーがあった。タバコを吸う時のマナーに関するコピーだった。
「犬と散歩すると、いつもより吸いがらが目につく」「700度の火を持って私は人とすれ違っている」「たばこを持つ手は、子どもの顔の高さだった」・・・作者は岡本欣也さんというコピーライターだった。
やはりプロはありふれた日常をしっかりした視点で見つめて、短くても納得できる作品に仕上げていることが理解できる。これらが長くだらだらと書かれていたら読む気にもならない。

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それこそ、喫茶中に思いついたらコースターにでも書き留める気分で・・・
「名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方」鈴木康之著より。
(前日のつづき)
短いけれどなるほどね、という気持ちにさせてくれるコピーに出会えたときは読むほうもそんな文章に出会えたことがうれしくもなる。
ここにそんな例があった。日本郵政公社の「年賀状はお早めに」のキャンペーンのものだった。コピーライターは門田陽さんだった。
丸いコースターのような円の下の方に「年賀状はお早めに」と小さく書かれている。そして長方形のハガキのような黒枠の中には次のようなコピーがあった。
『「今年は会おうよ」ってたしか去年も書いたよな』「いちばん言いたいのは追伸に書いたひとこと」「「肉筆のところだけ読んでいる気がします」など。
このような言葉は思いついたら忘れないうちに、メモ帳かケータイにでも書き留めておいて、あとでゆっくり書き直しながら仕上げていくという方法もあるようだ。
イデアは意外な時に浮かんでくることも多い。でもあとで書いておこうと思っても、もう思い出せないことばかり。思いつきは誰にでもできるが、それを書き留めておこうと思う人は少ないのだろうな・・・