ハウツーではなく「考える姿勢」を身につけること。

博報堂スタイル」高橋宣行著より。
このちょっとユニークな本のタイトルにひかれて手にしてみた次第。筆者は長年この会社で経験して身につけてきたこと次の世代にメッセージとして残そうとしてこれを書いたようだ。
別に広告関係の仕事についていなくても、わかりやすい言葉で仕事への取り組み方が述べられている。博報堂では知識や技術を学ぶ前に、「考える姿勢」を大切にしていることを実感してきたようだ。
仕事をする際に、とかく深く考えることなしに、どんな方法がいいのかを先に考えてしまいがちだ。しかし、その前にしっかりと考えるという姿勢のほうがまず大事なことだと指摘している。
むしろ、変化のスピードが速いこの時代では、ハウツーでは追いつかないようだ。だからこそ考えることを優先すべきだという意味でもあった。他とどれだけ違ったことができるか、新しいものを作り上げられるかが価値ることでもあった。

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変化にどう対応するかではなく、新しい変化をどう創っていくか。
博報堂スタイル」高橋宣行著より。
一般的に言われることは、「この時代さまざまな社会の変化にどう対応できるか、または変化に対応できた企業、個人だけが生き延びることができる」というようなことだ。
それに比べると上記フレーズは実に積極的で力強い言葉に思えた次第。博報堂では創造性を磨いて、磨き続けてきた歴史があるそうだ。個人でもそんな意識をもって仕事ができたらすごいことだとも思える。
日常の仕事でも自分なりに創意工夫してそれなりの成果があがれば、それが自分だけのスタイルになるものだろう。自分自身がそれでいい方向に変わっていけるなら強いとも思える。
変化に逆らうという意味ではなく、その変化を受け入れ、さらにそこに自分らしさが出せるくらいになればいいのかもしれない。想像力を具体的に創造につなげることができればいいいのだが。

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モノを売ることは、企業全体を「好き!」にさせていくこと・・・
博報堂スタイル」高橋宣行著より。
これは何となく広告コピーのようにも思えた次第。しかも、インパクトを感じた。ここでのタイトルは「生活者は一度裏切ると、二度と戻らない」となっていた。
この下には、“「これでなくちゃ!」と言わせるのは大変。さらに、持続させるのは、もっと大変。”ともあった。まあ、これが誰もが感じる実感ではないか。
生活者とは、一般消費者という意味だろう。誰もがモノを買う場合には、何かしらを期待しているものだ。それによって、素敵な生活ができると想像したり、心が豊かに感じたり。
しかし、そんな期待を裏切るということは、信用をなくすということでもあるだろう。同じような商品は別の店にもあるはずだ。だから、その店位だけにこだわらない人も多いに違いない。
企業全体を考えれば、その会社なら安心できるというものが、商品以前にあるのかもしれない。誰も知らない会社が作ったモノではやや不安を感じるものだ。しかも、もし好感(つまり好き!)を持たれている企業なら、さらにそれを継続することが生き残っていくポイントでもありそうだ。

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一番先に相談される会社。一番に選ばれる会社。
博報堂スタイル」高橋宣行著より。
これはこの部分の「タイトル」そのままだが、これもまた、どこかの企業のコピー文のようにさえ思えた。つまり企業のパートナーとして、そうなれるよう、信頼されることが大事だという意味だった。
企業ならどこも、それを目指しているだろうが、このようにはっきりと言葉に表わされると、改めて力のある会社に違いないとも思える。
また、個人レベルでは、ここでの「会社」の部分を「担当者」「営業マン」に変えてもいいと思われる。それでこを信頼される人なのだろう。まさにビジネスマンはそれを望んでいるはずだ。
ある意味任せられる企業、個人ということだろう。もちろんそれだけの裏付けがなければならない。過去の実績と、次の時代を読む力ではないだろうか。この会社なら、彼なら間違いないと思われるかどうか。

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