心の支柱となるものを古典にもとめる・・・

「偉人たちのブレイクスルー勉強術」齋藤孝著より。
これは“渋沢栄一の「マイ古典」勉強術”というタイトルの部分にあったフレーズだった。渋沢の著書には「論語と算盤」という著書がある。今年初め読んでみたが、ややわかりにくい本だった覚えがある。
渋沢はビジネスに論語の精神を取り入れて、その後大成功していた。一見関係なさそうだが、仕事全般には論語という後ろ盾があることによって、迷うことなく仕事での判断ができたと思われる。
長年にわたって読まれていたということは、それだけの真理が含まれていると考えたのだろう。つまり風雪に耐えてきた孔子のこの考え方は役に立つと思ったのだ。
齋藤氏は先人の知恵は精神の援軍になる、と表現していた。仕事で迷ったときなどに孔子はこう言っていたと思いだせれば、きっと参考になるに違いない。それが「論語」だったのだ。
渋沢は実際それを通じて、驚くほどの実績をあげてきたのだ。生涯にわたって創設にかかわった企業は500社にも及ぶといわれる。揺るがないポリシーを持ちたい時にはこんな古典は有益そうだ。

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コンプレックスを逆手にとる。
「偉人たちのブレイクスルー勉強術」齋藤孝著より。
これを実践して世界的なブランドを創り上げたのはシャネルだった。意外にも彼女は孤児院で育っていたのだ。しかし、その育った環境を負の遺産にはしなかった。むしろそれを逆手にとっていたようだ。
シャネルのファッションの特徴の一つは「黒」を打ち出したコンセプトがあった。ファッションに敏感な人なら、その洋服を見ればすぐにシャネルのものだろ想像がつくものだ。あるいはシャネル風だと思うかもしれない。
それは子どもの頃、孤児院や修道院の寄宿学校で黒と白のものばかり着せられていたことが影響していた。そんな子どもが大人になれば、逆に反動でカラフルなものを着たくなる筈だが彼女はそうではなかった。
むしろ白と黒については誰よりも知っているということから、それを基調にしたファッションを提示していったのだ。自分だけの規律をつくってそれをもとに仕事をしていったようだ。そこから独創が始まったのだろう。
高価な毛皮をレインコートの裏側につけて外からは見えなくしてしまうことで、洗練された印象がでてきた。しかも贅沢感もあったのだ。こんな世間の常識とは逆のファッションを追求していくことで、世界的なブランドは広まっていったようだ。
しっかりと自分の価値を見つめて、常に研鑽を重ねていたようだ。いろいろな幅広い人々との交流を通じて、ヒントを得て貪欲に知識を吸収していったのだ。実に強い精神の持ち主、自立した女性だったことががうかがえる。

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頭脳労働と考えられている行為も、実は肉体的なものに支えられている・・・
「偉人たちのブレイクスルー勉強術」齋藤孝著より。
これは“村上春樹の「頭脳労働のためのフィジカル強化」”という部分のフレーズだった。つまりこれを意識してやっているのが村上氏だったのだ。やはり本物のプロは違うと感じさせられる。
村上氏の著書のなかで「長編小説を書くという作業は、根本的には肉体労働であると僕は認識している。・・・・」とも述べていた。つまり物語を書き続けるには大量のエネルギーが必要だということらしい。
村上氏は日に10キロも走り、マラソントライアスロンにも挑戦している。それだけのエネルギーから長年にわたるベストセラーが生み出されていたのだ。もうこうなると単に気分転換に走っているという状態ではない。走ることもまた仕事のある部分でやっているようにも思えてくる。
もちろん走ることが嫌いでは、長続きは難しいとは思うが。根本には走る楽しさを実感しているのだろう。凡人はせいぜい集中できない時に外の空気を吸うために散歩に出かける程度しかできないものだが・・・

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負のエネルギーを転化して自分のパワーにしてしまうというのはいいアイデア・・・
「偉人たちのブレイクスルー勉強術」齋藤孝著より。
(前日のつづき)
これもまた村上春樹氏のことについて述べてある部分にあったフレーズだった。ここでの小タイトルは“不愉快な刺激の呑みこみ方”とあった。
誰でも時にはストレスは感じるものだが、そのメンタル・コントロールに役立ちそうなことがあった。村上氏でも非難を受けるようなことはあるそうだ。
そんな時には、いつもより少しだけ長い距離を走ることにしているそうだ。つまりそれだけ自分の肉体を消耗させていたのだ。そのことで自分の肉体を少しだけ強化できたと思えるらしい。
腹が立ったらその分自分にあたり、悔しい思いをしたらその分自分を磨けばいいと考えてきたようだ。つまりこれが、負のエネルギーを転化して自分のパワーにしてしまうということだった。
ストレスをため込むのは不健康だが、こうして走ることでエネルギーを発散、消費できればそれなりにメリットは大きいようだ。走ること以外で似たようなことなにか考えられるだろうか・・・