「感謝」の言葉は、人を気持ちよくさせる催眠的効果を持っている。

「パワーロジック」内藤誼人著より。
それにしても催眠的というような表現はなんだか大げさにも聞こえる。感謝の言葉は言えそうで言えてないかもしれない。心では思ってはいても言葉に出すのが億劫になってしまったりする。
筆者は感謝はプレゼントや贈り物をするのと同じように相手を喜ばせる効果があるという。たとえ謝罪しなければならない時でも、最初に感謝の言葉をかけておいたほうが不愉快さは軽減されるらしい。
もともと人は誰でも人に感謝されたいという欲求を持っているらしい。「ありがとうございました」といわれれば、それだけでも気持ちがよくなってしまうというが、意外にそうとも思えてくる。
ここでのタイトルは“大事な約束に遅れたときには「謝罪」ではなく「感謝」を”とあった。つまり、人を待たせてしまったときは、いきなり謝るより、「〜分もお持ちくださったんですね」と心から感謝したほうがいいらしい。でも、できるだろうか・・・

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平凡な仕事を平凡にこなすだけでは、平凡な評価しかされない。
「パワーロジック」内藤誼人著より。
もし相手に印象を残そうとするなら、それなりに強烈な印象を残す必要がある。それには「クイック・レスポンス」がいいという。つまり同じこともスピードを上げれば印象も変わってくるからだった。
私たちは、良い意味で期待を裏切ってくれる相手にはいい印象を持つ傾向があるらしい。ふつう一日かかるところを、2,3時間で仕上げれば印象に残る可能性もある。
ここには面白い例があった。就職活動の会社説明会で3時間も前に会場に出かけた学生がいたという。すると先輩社員たちは会場作りの途中で椅子を並べていたという。
彼は先輩たちにまじって椅子並べを手伝いはじめたのだった。片付けが終了したところで、説明会を聞きに来た学生だとわかってしまったようだ。彼は説明会を聞く必要も、面接もなく採用されることになったという。
こんなことはたまたまだろうが、会社によっては通用しない方が多いかもしれない。お歳暮やお中元を人より早く届けることで印象づけようとする人もいるようだ。たしかにそれで一番乗りの記憶を残せるだろうが、ややせっかちな感じもしないではないな。

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人を動かしたいなら、相手の視覚にアピールする方法が有効だ。
「パワーロジック」内藤誼人著より。
家電製品やパソコン関連のものを買った時など、そのマニュアルの文章を読んだだけでは理解しにくいことが多い。しかし、そこにイラストがあると実にわかりやすい。
またプレゼンでは単に口頭による説明ではわかりにくいこともおおい。しかし、そこに実物や模型などのサンプルがあれば理解しやすい。
ここに面白い例があった。それはエジソンが小学生に入学してすぐのころだった。先生から「1+1は?」と聞かれて「1」と答えたという。その証拠に2つの粘土のかたまりを1つにこね合わせて先生に見せたのだった。
先生もうまく反論できなかったらしい。実物が目の前にあるほど説得力があることはないという例だろう。昔から言われる「百聞は一見にしかず」はどこでも使えそうだ。
あるアメリカの大学の博士によれば、人間は情報の80%を視覚から取り入れているという。ということは人を動かそうとするなら、聴覚よりもむしろ視覚にアピールする作戦を考えるべきだったのだ。


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「引用」は、表現力を倍加する効果を持っている。
「パワーロジック」内藤誼人著より。
この本のタイトルは、パワーロジックとなっているが、そのパワーを増幅するためには、こんな方法もいいと筆者が提案しているのが、「引用」だった。
だから、優れた説得者は、優れた「引用者」でもあるという。たしかに、抽象的なことでも、それがもし有名な偉人の言葉なら信じたくなってしまうものだ。
松下幸之助さんの言葉にこういうものがあった、と言って話せば、なるほどと思って聞いてくるれるかもしれない。それを誰が言ったかがポイントでもあろう。
また「引用」という形なら、押しつけがましいイメージを消すこともできるようだ。説得力を増すためには、それなりのテクニックがあることもわかる。
ふだんから役に立ちそうな引用はメモをして整理しておきたいもの。実際に覚えていて、いつでもそのフレーズが出てこなければいなければ意味がないだろうな。