私たちは、長い情報よりも短い情報を生理的に好む。

「パワーロジック」内藤誼人著より。
たとえば映画の説明などもいきなり長い文章があると読むのに心構えが必要そうだ。しかし、要約してあったり、ワンフレーズだけならすぐにでも読める。
説得には「長さ」よりも「質」が大切なようだ。短い文章でも面白そうだと思えば、その先を知りたくなるものだ。人の話も長引くと嫌になってしまうものだ。
有名な俳句や名言も短いからこそ頭に残りやすい。広告のコピーも数十年前のものでも、短いほど覚えている。たとえば、「男は黙って〜」や「スカッとさわやか〜」などはすぐに思い浮かぶ。
ある博物館でのラベルの説明文を150ワードから50ワードにしたら、それを読む訪問者は2倍以上も増えたという。やはり誰も長ったらしい情報は好きではないということだろう。

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「たとえ話」は、私たちの五感を揺り動かす効果がある。
「パワーロジック」内藤誼人著より。
ここでのタイトルは“心に訴える「鮮明効果」を狙う”、となっていた。つまり人にわかりやすく説明して理解してもらうためには「たとえ話」は有効だということだ。
当然ながら抽象的な話を一度聞いて理解するのは容易なことではない。頭のなかでそれをまた自分にわかりやすく翻訳しなければならないこともある。
つまりいいたいのは、こういうことだろうな、というふうに。世界中の子どもが愛読するものに「イソップ物語」がある。そこに出てくる動物たちのたとえがあるからこそ、幼い子供たちにも理解できるし、納得できるものになっている。
ただ単に、こうしなければいけないといわれても理解しにくいものだ。ところがそればウサギやカメ、キツネなどが登場すると実に話が鮮明になってくる。
もし説得効果を高めたい時は、相手の記憶に残りやすいたとえ話が効果的だという。しかし、そんな比喩が簡単に出てくるにはやはり訓練も必要そうだな。

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人は、話の内容よりも、それを語る当人の熱っぽさや身振り手ぶりなどのほうを重視する・・・
「パワーロジック」内藤誼人著より。
話には情報を単に正確に報告するよりもむしろ、個人的な感情や意見を含ませたほうが聞いてもらえるということもあるらしい。
あるアメリカの大学博士に実験によると、話の内容それ自体よりも、「説得者」の話し方や性格のほうに大きな影響を受けることがわかったという。
たしかに同じような内容でも平社員が言ったのと上司や社長が言ったのとでは聞こうという気持ちも違ってしまうだろう。また同じ役職でも人柄、品格、人格のようなものでも差が出てしてしまうようだ。
モノを買う立場なら同じ商品を同じ価格で売っているなら、やはり感じがいい人から買いたいというのが本音だ。日頃から情感を出せるような話し方をしているだろうかと振り返ってしまった。会話の抑揚もポイントのようだ。
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1回の「大説得」より、「100回の「小説得」で動かす。
「パワーロジック」内藤誼人著より。
この章でのタイトルは「上司を動かすパワーロジック」となっていた。つまりどうしたら上司を動かせるのだろうかということで、タイトルにあげたようなこまめな説得が必要だという。
別に上司である必要なないと思うが、人を説得するためには、一度ですべてをやろうとしても、逆に肩に力が入り過ぎてうまくいかないものだ。
むしろ訴えたいことは、手を変え品を変え、くり返すことで確率は高まるという。また広告なども、何度も見せられているうちに、ポジティブな感情がわいてきてしまうようだ。
繰り返しの力は大きい。繰り返し説得を試みる場合、それを裏付ける根拠は小出しにする方がいいというアドバイスもあった。一度に出してしまいそれを否定されてしまうと苦しくなるからのようだ。

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