自分という雑誌を自ら編集長となってまとめていく・・・

「大人のための友だちのつくり方」横沢彪著より。
実に面白い表現に出くわした。自分を雑誌にたとえていたからだ。雑誌は単行本と違ってさまざまなな情報が組み合わさって一冊になっている。
その一冊の企画を立てるのは編集長だろう。ここでは筆者は、自分の生き方や考え方を磨く作業というのは、テレビ番組や新商品の「企画」をつくるのと同じだと考えていた。
企画はつねに新しい発想、情報が大事だということになる。それらを得るためにも、友だちは幅広く持っていることが必要なようだ。ある意味清濁あわせ呑むような気持ちがないといけない。
意外な相手から意外な発想のヒントを得ることもあるという。たとえば毒舌はふつう嫌われるが、それが売りで個性を発揮しているタレントもいる。それは存在感があるという意味で価値があるのだろう。
時にはトゲや毒が新しい魅力の原点になるということもあるようだ。はじめにもどって、自分を一冊の雑誌と考えるなら、多くの人と交流を持って刺激を受けることは人生を有意義に過ごすこととも思えてくる。

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自分自身が印象的な「ソフト」にならないと友だちはできない。
「大人のための友だちのつくり方」横沢彪著より。
やや似たような言葉は数日間にもあった。それは「他人が友だちになりたいと思ってくれるような人間になる」で、これは東八郎さんの人生訓だった。
ここでは印象的な「ソフト」と表現が異なっている。ソフトの時代に適応するためにも、ソフトをつくる前に、自分自身をソフト化しなければならないという。
つまりそれは価値がある人間というような意味だろう。友だちどうしで刺激を与えあって、その相乗効果で成長していくのがベストのようだ。
単に名刺を交換したり肩書だけでビジネスをしているだけでは、自分を印象付けることはできないものだ。自分は人と違う何ができるのだろうかと、ふと考えてしまった・・・。
ここでのテーマは“ネットワーク社会のキーワードは「友だち」”となっていた。やはり友だちは大切な情報源でもあるということだろう。

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何かにこだわらなければ、ソフトを生み出すことはできない。
(前日のつづき)
「大人のための友だちのつくり方」横沢彪著より。
この章のタイトルは「笑いがあるから生きていける」となっていた。横沢さんは仕事として現場の笑いにこだわってきた人だった。だから管理職は向かなかったようだ。それが大きなこだわりだったのだろう。
しばしば「こだわる」というと、ネガティブな印象がある。「そんなことにこだわっていたら前には進まない」、などともいう。しかし、ソフトの時代なら、その意味合いも異なってくるようだ。
他人から見れば、実につまらないと思えるようなことに、引っかかってじたばたしているところから、個性が生まれるものだと、横沢さんは長年の経験から語っている。
ふつう会社ならキャリアを積めば積むほど現場から離れざるを得なくなっていく。横沢さんもその例外ではなく、現場のお笑いにこだわりたいために、外の世界に飛び出していたのだ。
やはり世間体を気にしているうちは、まだこだわりが足りないのかもしれない。やりたい仕事を思い切ってやるためには、どれだけこだわれるかも重要なようだ。それも個性だろうか・・・

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楽をする工夫をしろ、それが社会を繁栄に導くのだ。
『人生を変える万有「引用」力』齋藤孝著より。
まず、この本のタイトルがちょっと笑えたので手に取ってみた。あのニュートン万有引力と引用を引っかけてシャレになっているところが面白い。筆者もそれを狙ったのだろう。
さて、タイトルに挙げたフレーズだが、こう語っていたのはあの松下幸之助だった。とにかく、工夫して楽をする姿勢は非常に大事だと齋藤氏も共感していた。
というのも、齋藤氏は昔から勉強する際にどうやったら楽ができるかばかりを考えていたと振り返る。自身人一倍要領はいいという。会議も通常1時間以上かかるものが、氏が仕切ると30分もかからないらしい。
仕事の要領も良くて、早くよく出来ると仕事のオファーもたくさん受けられることになる。これは実に気分がいいことだろう。松下幸之助は、作業時間は短いほどよいと考えていたのだ。
ていねいでも遅かったら意味がないようだ。念入りにしかも早くできれば名人芸だということになる。それはどれだけしっかりと工夫ができたかの結果でもあるのだろう。
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この仕事は面白いから引き受けたのだという感覚・・・
『人生を変える万有「引用」力』齋藤孝著より。
まず、この章のタイトルは『ビジネスの場で生き残る「仕事力」をつける』となっていた。その一つの考え方として“ギャランティの安い仕事こそ喜んでやれ”という。
こういう意味のことを語っていたのは、なんと孔子だったのだ。つまり仕事をするときは、報酬は後回しにして、とにかく全力で取り組めという意味のようだ。
時にはタダ働きを上手にやれということで、安く仕事をすれば、仕事もどんどん入ってきて、経験を積むことができる。見返りを度外視して、仕事に集中することが大事だったのだ。
そうしているうちに、割りのいい仕事にもつながっていくものだということだった。しかしこれは単に報酬ということではなく、営業なら売上げということでも同じかもしれない。
金額が少なくても、しっかりした仕事をこなしていけば、その結果信頼され、大きな売上げにもつながることはあるだろう。その仕事が嫌でない限り、どんどん引き受けるほうがいいようだ。
さらにここには「縁の流れ」という表現もあった。面白い例として、サツマイモを掘り起こす時、一つの大きさにこだわるより、「縁という地下茎」ごと引きぬくと、次々とつながってイモが掘り出されるという。
つまり仕事が仕事をつれてくるという感じのようだ。仕事の幅を広げるには、やはりこんな考え方も必要なようだな。もし自分流に仕事ができれば楽しいに違いないのだが。

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好奇心が弱ると、情報が集まってこない。
『人生を変える万有「引用」力』齋藤孝著より。