「他人が“友達になりたい”と思ってくれるような人間になる」

「大人のための友だちのつくり方」横沢彪著より。
これはコメディアンの故・東八郎さんの人生訓だった。横沢さんはタレントとはプライベートな交際をしない主義だったが、例外はあった。その一人が東さんだったのだ。
それはお互いにお笑いに対するこだわりを共有でき波長もぴったりだったからだという。笑いについては何時間でも語り合うことができたと述懐している。
双方にとって、「笑い」は単なるビジネスの道具ではなかった。自分の生き方そのものを左右する宝物とさえ思っていたようだ。そこまで考えられるのはすごいとも思える。
素顔の東さんはまったくタレントっぽくなかったという。芸人をしながら平凡になるのは難しいらしい。横沢さんは、東さんが平凡に徹したところにこそ、非凡さがあると感じていたのだ。
さて、タイトルのフレーズだが、実にすばらしい人生訓だと思える。そ唸るためには、いったいどうしたらいいのだろうか、とふと考えてしまった。そこには何らかのアクションが必要に違いないが。
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自分を「ブランド化」する道は地道な努力の積み重ねしかない。

「大人のための友だちのつくり方」横沢彪著より。
横沢さんのもう一人の芸人の友だちは、市村正親さんだった。知り合ったのは、舞台の仕事を通じてだったが、お互いに演出の方法をめぐってぶつかり合うことが多かったという。
横沢さんは仕事が終わるとその俳優との縁も切れるようだ。ところが横沢さんに対してもう舞台をやらないのならこれからもつきあいましょうと市村さんは言っていた。
仕事の接点がなくなったからこそ、友だち関係が成立したということのようだ。市村さんは、有名になりたいから役者になったわけではなく、生の舞台に立って演じたいという思いで舞台を続けているようだ。
市村さんのように、地味な日々の努力を積み重ねていける人だけが、結果的に自分自身をブランド化できんるのだと、横沢さんは断言していた。そして、ブランドと認められるのは、独自性を持った「本物」だけだった。

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「大人のための友だちのつくり方」横沢彪著より。