どんなにすばらしいアイデアがあっても、それだけで道が開けることは

「ひらめきをカタチに変える58の方法」茂木健一郎著より。

さらに何が必要かといえば、人や状況との偶然で幸福な出会いだという。それらが最初のきっかけだったのだ。
たとえば世紀の大発見も偶然の出会いによって生まれたケースが多かった。ノーベル賞を受賞した田中耕一さんも試料を間違って混ぜてしまったことがきっかけだった。
白川秀樹さんの「電導性プラスティック」の発見も、実験中のミスで試料が焦げたのがヒントだった。偶然のチャンスを逃さずにつかみとり活かすことができるかどうかがカギだった。
茂木さんは、出会いを活かすためには2つの要素が欠かせないと考えていた。1つは、偶然の幸運に出会う力。2つ目は巡り合った偶然をつかみとるために必要な力だった。
どちらも、ぼやぼやしているとあっという間に逃げてしまうそうだ。ちょっとしたひらめきもすぐにメモしなければな。

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偶然を幸運に結びつけられるかどうかは、実は脳の使い方次第・・・
「ひらめきをカタチに変える58の方法」茂木健一郎著より。
(前日のつづき)
ここでのポイントは3つあった。それらは「行動する」「気付く」「受け入れる」だった。
1.「行動する」とは、自分だけでアイデアをあたためていても、ダメで行動を起すことだった。頭の中で考えているだけでは前には進まないか。
2.「気付くこと」。気付くためには自分の身の回りで起こっていることや、感じていることを観察することが大事だった。日頃の準備ということになる。
3.「受け入れる」とは、自分の考えと異なっていても拒否せずに、とにかく素直に受入れることだった。そのことで何か新しい発見も期待できる。
またいろいろな人に出会うことも大切なポイントだった。偶然はコントロールできないが、それを幸運に結びつける行動、意識は自分でコントロールできるようだ。奥が深そうだ。

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「根拠なき自信」
「ひらめきをカタチに変える58の方法」茂木健一郎著より。
これは茂木さんの好きな言葉の一つだという。根拠もないのにどうして自信がもてるのだろう、と実に気になった。もともとは歌手のスガシカオさんの言葉だそうだ。
スガさんは、29歳まで普通の会社員をしていたが、ある日突然プロの音楽家を目指して辞表を提出したという。デビューの見通しがなかったが、「根拠のない自信があった。そうとしか言えない」と言ったそうだ。
それにしても、思い切ったことができるものだ。よほど自分の才能に自信があったのだろう。またそれまで何かである程度の手応えがなければ、いきなりプロを目指すことはないのではないかな。
茂木さんは、人生の中で自分の輝きを放つためには、この「根拠なき自信」が絶対に欠かせないという。そういえば、日常でも今までうまくいったから次回もうまくいくだろうという気持ちで過ごすことは多い。
実際は、前回がうまくいっても、同様な結果になるという保証はない。多くの場合、人は未来を楽観的に見ることで、前進しようとするようだ。人はみな、多かれ少なかれそうした楽観主義があるからこそ、生きていけるのだろう・・・な。