目的と効率だけの世の中には、人間の体温が感じられない。

座右の銘森村誠一著より。
ここでのタイトル(座右の銘)は「情けは人のためならず」だった。今まで目や耳にしたことはあったが、この意味についてあまり考えたことはなかった。この諺は、辞書の定義と実際の慣用では正反対に分かれていたのだ。
さっそくウェブの辞書で確認してみた。すると「情けは人のためではなく、いずれは巡って自分に返ってくるのであるから、誰にでも親切にしておいた方が良い」というのが原義さとあった。
ところが、一方、慣用では「へたに他人に情けをかけると、かえって甘やかしてしまうので、安易に親切にしない方がよい」と辞書とは正反対の解釈がされていたのだ。
私などもむしろ、後者に理解していた。また実際そう考える人の方が多いのではないだろうか。いずれにしても、あまりにも効率だけが優先されると、非人間性の圧力が増してくると森村氏はいう。
ここに、情けに関する諺が二つあった。「情けほど、人によい結果をもたらすものなない」と「情けは正義よりましだ」だった。仕事にもどこかぬくもりが感じられるならいいがなぁ・・・。