人間は、「3回」もその人に会えば、印象や評価をかなり固定してしま

『「人たらし」のブラック心理術』内藤 誼人著より。
もしある人と親密な付き合いをしたいなら、出会ってから3回目までに相手に魅力を感じさせられなかったら難しいらしい。ということは、それまで全力を尽くせということになる。
よく第一印象が大事だといわれるが、それは当然なことだが大ざっぱな印象だ。二回目では、初めの観察が正しかったのか判定しようとするようだ。三回目は単なる確認になり、それ以降はあまりかわらないという。
これを心理学では「スリーセット理論」の法則と呼ぶらしい。だから、じっくりと時間をかけて、自分の魅力を理解してもらおうと考えているようではダメなのだ。
もし自分にアピールできるような魅力があるなら、最初からどんどんだしたほうがいいという。また営業で何度も足を運ぶことで、誠意が通じるのは第一印象のアピールがよかった場合だけのようだ。

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ホメ言葉には、ちょっとしたコツがある。それは「強調する」という作戦。
『「人たらし」のブラック心理術』内藤 誼人著より。
人をホメるというのは、普段これを習慣にしていないとなかなかできないものだろう。むしろ意識的に人のいいところを見つけようとしないとできないのかもしれない。
ホメられれば、それがお世辞とわかっていても嬉しいものだ。また言う方としても、べつに何の負担もないからラクなはず。そこで、ホメるコツは何か比較する対象を持ちだして、相手をホメるといいらしい。いくつかの簡単な例があった。
「それを成し遂げられるのはキミだけ」「キミが一番うまい」「キミが最初に・・・」「キミが特に・・・」というように。またホメるのが苦手な場合に使える作戦もあった。
それは“感嘆”の言葉をかけてあげることだった。「すごいなぁ」「なるほどなぁ」「いや、うまいなぁ」などを独り言のようにもらすのだった。これなら普段でもやっているだろう。
さらに、それらのセリフを伸ばす工夫をすればより強調されるようだ。「すっごいな〜ぁ」「な〜〜るほど」「いや〜〜ぁ、うっまいな〜」というふうに。(これらはちょっと笑えるが。ホメる技術の奥深さを感じさせるな〜・・・)

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笑いのある職場ほど、従業員のやる気も高い・・・

『「人たらし」のブラック心理術』内藤 誼人著より。
この章でのタイトルは“ワンランク上の「人たらし」を目指すために”となっていた。そこでは自分を「ネタ」にして笑いをとるといいという。
笑わせてくれる冗談を言ってくれる人はある意味魅力的だとも思える。これもある程度は素質もあるだろうが、笑わせようという努力も必要なようだ。
タイトルにあげたフレーズは、そういうデータがあるらしい。これも逆を考えてみれば分かりやすい。職場の雰囲気が暗いだけでも士気が上がりそうもないからだ。
その中でも、「自分をネタ」にしたものが一番いいという。自分をバカにしたユーモアは相手に最も喜ばれるようだ。振り返れば結構ドジな経験があるはずだな。
笑いがとれれば、好かれるというのもわかる。言葉で笑わせるネタが用意できなければ、書いたもの(印刷)や描いたもの、または写真でなども使えそうだが・・・

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相手に謝礼するのなら、相手が行動を起こす「前」のほうがいい。
『「人たらし」のブラック心理術』内藤 誼人著より。

ふつうなら、相手に何かを依頼して、事後に謝礼を渡したりするものだ。商品を受け取ってから代金を払うというシステムと同じになる。
むしろこれを逆にして、どうせ謝礼を渡すことが分かっているなら、先に渡した方が、説得も相手のやる気も違ってくるという。ただしそれがプレッシャーを感じさせるとなれば問題だろうが。
もし部下がいるなら、「あとでメシをおごるから」というより、先に食事をおごってから、頼みごとをするほうが、部下はやる気が出るという。
筆者の経験があった。それは講演会でも、先に謝礼をもらってしまった方が、なんとなく嬉しい気分でスピーチができるという。ところが、「後日、振り込みますから」と言われるとなんとなく気分が乗らないとホンネを述べている。
アンケートなども、前もって謝礼を渡してしまったほうが、返送率は高いという。全額ではなく、たとえ半分でも相手の心構えも違ってくるようだ。この事前謝礼法というのも覚えておいていいのかもしれない。