何によって人に憶えられたいか。

ドラッカー名言集」上田惇生編訳より。
ふだんあまりこういうことは意識していないものだ。どんな人にも他人によって持たれるイメージというものがあるだろう。自分ではあえて目立たないとは思っていても、そういうふうな人(消極的)だという印象は持たれるものだ。
しかし、仕事をする際にはある程度意識的に印象付けることも必要になってくる。もし営業なら、まずは覚えてもらわなければ仕事は進まないであろう。そこで、第一印象が大事になってくるものだ。
ここでは、ドラッカーが13歳の時に、宗教の先生が生徒に「何によって憶えられたいかね」と聞いたという。すると誰も答えられなかったのだ。子どもには無理な質問だろう。
すると先生は笑いながら「いま答えられるとは思わなかったよ。でも50歳になって答えられないと問題だよ。人生を無駄に過ごしたことになるからね」と言ったそうだ。
つまり、自分はこれをしてきたのだということを、しっかりと主張できることが大事なのだという意味なのだろう。身近にいる人にあの人はこんなことをしてきたのだと思いだしてもらえればいいのだろう。(もちろんいい意味でだが。)

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成長は自らが投じたもので決まる。
ドラッカー名言集」上田惇生編訳より。
どれだけ集中して、継続してあることに時間を費やしてきたかによって成長が異なるということなのだろう。ドラッカーはやや難しい表現を使って解説している。
「人生から何を得るかを問い、得られるものは自らが投じたものによることを知ったとき、人は人として成熟する」と。
スポーツ好き、勉強好き、遊び好き、あらゆることに関心がある、科学、グルメ・・・など人はそれぞれ熱中できるものがあるかもしれない。
どれにもっとも時間を費やせたかで、人間としても成長するのだろう。中には反社会的なものにのめり込んでしまう人もいるものだ。こそからは得るものより失うものの方が多いだろう。
多くの人は仕事にもっとも多くの時間を費やすのだろう。その仕事を通じて何かを得ようという意識があるかないかでも、成長は異なってくるに違いない。

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マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。
ドラッカー名言集」上田惇生編訳より。
これはちょっと意外なフレーズでもあった。マーケティング=(イコール)販売(営業活動)することではないかという気もしていたからだ。
ドラッカーによると、「マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである」と述べている。
あえて“販売不要”といっているのは、それだけ魅力ある商品なら自然と売れていくはずだという意味合いも含まれているようだ。それなりの商品、サービスを開発せよと言っているのかもしれない。
たとえば、すぐに連想できるのは、ディズニーランドだ。あれだけ楽しく過ごせ、サービスがよいからこそお客は何度もリピーターになるのだろう。また美味しい食堂であれば、あえて宣伝しなくてもクチコミで繁盛している。
顧客が欲しいと思うようないい商品をつねに提供することが、すなわち販売を不要にするマーケティングということになるのだろう。しかし、これは理想でもあるが。

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優れた者ほど間違いは多い。
ドラッカー名言集」上田惇生編訳より。
これも逆説的な表現になっている。ここでのタイトルは「一度も間違わない人の欠点」となっていた。
決して間違わないだけがいいことではなかったのだ。ドラッカーによると間違いをしたことのない人は凡庸だという。もっとも間違わない人などいないだろうが。
つまり間違ってもそれを早く発見して、その直し方を知ってればいいのだ。間違いをそのままにしておいては意味がないことになる。
ここには「一度も間違いをしたことのない者、それも大きな間違いをしたことのない者をトップレベルの地位に就かせてはならない」ともあった。
要するに間違い(ミステイク)をしてしまうのは、それだけ新しいことを試みている証拠でもあったのだ。何ごともいつも通りなら間違いも起こりにくいに違いない。

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成果をあげることは一つの習慣である。
ドラッカー名言集」上田惇生編訳より。
“成果をあげる”という章には、さまざまな名言があった。そのうちの一つが上記フレーズだった。実践的な能力の積み重ねによって成果はあがってくるというものだった。以下いつくかの名言を羅列してみる。
「成果をあげる人とあげない人の差は才能ではない」(名言)ともいう。つまり習慣的な姿勢と基礎的な方法を身につけてているかどうかの問題だった。
さらに「不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない」(名言)と指摘している。それは強みに集中するためという理由からだった。
そこで「成果をあげるには、人の強みを生かさなければならない」(名言)と表現を変えている。分かりやすくいえば、弱みからは何も生まれないからだ。
「結果を生み出すためには、あらゆる可能な強み(同僚、上司、自分)を総動員しなければならない」(名言)とも語っている。みな実にシンプルで、解説は不要だろう。

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