「人と共に働くこと」について、学校がほとんど何も教えていない。

ドラッカー名言集」上田惇生編訳より。
これは“編訳者まえがき”の部分で上田氏が語っている部分にあったものだ。確かに振り返れば、学校ではそんなことに関する科目も教師から教えてもらったこともなかった。
そこで、このドラッカーの著書や言葉からは様々なシーンで納得できる言葉に出会えるようだ。しかも、上田氏は「ドラッカーの著書に棒線を引き付箋をつけることが、よりよく生きようとする者、意欲ある者にとって当然の作法となる」と表現している。
仕事で成果をあげるための言葉を、ドラッカーは実にシンプルに説明している。そのどれもが納得しやすいものとなっている。
実際に著書を読もうとすれば、膨大な時間がかかると思われる。しかし、ここにはそこから抜粋され厳選された名言があふれている。しかも英和対訳なのも興味深い。

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ドラッカーの本には付箋の花が咲く。
ドラッカー名言集」上田惇生編訳より。
つまりこれは、ドラッカーの著書を読む人の多くが、棒線を引き、付箋をつける結果だったからだ。私もかつてドラッカー関連の図書を読んだ際にも、同様にあちこちに線を引き書き込みをしていた。
それだけ、気づかされ、教えられるところが多いということだった。上田氏がすぐに名言集に載せられそうな文章を全著書から抜きだしたら、何と約7000もあったという。マネジメントというより人生哲学に近い。
それを読むだけも膨大な時間がかかってしまいそうだ。そこで、いろいろな人と相談して、187本まで絞り込みさらに、120に分類厳選した者がこの一冊だった。一度読むだけではもったいない気もする。
ドラッカーの語りたかったエッセンスがここにあるとも思える。読みながら気になる個所のぺージを折り曲げ、そのなかでも特に共感できる名言をノートに手書きで写してみた次第。

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「1000円のプレゼント」を考えてみる。
「他の店が泣いて悔しがるサービス」香取貴信著より。
一般的にプレゼントとして考えるなら1000円程度では大したものは買えないだろう。金額だけなら、数万円、数十万円のものなら喜ばれるかもしれない。
もし、1000円で相手を喜ばせようと思えば、「商品」そのものより「気持ち」の勝負になってくるようだ。むしろアイデアが要求されるのではないだろうか。
例えば100円ショップの商品に自分なりにオリジナルな味付けができれば、それでも気持ちは伝わるかもしれない。そういえば、先日寄せ書きを書いて渡す機会があった。
100円ショップで2枚買えた。それに、できるだけ多くの希望者に書いてもらったらほぼいっぱいになった。ぎっしりと書かれた紙面には一人一人の思いが込められていたはずだ。
金額が安ければ多くの人に粗品の形で手渡せるものもある。しかもそこに自分だけの気持ちを込めたいもの。原価が安いほど、人を喜ばせるための創意工夫が大事になってきそうだ。

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お客さんの喜びが、自分の幸せに直接つながる仕事。
「他の店が泣いて悔しがるサービス」香取貴信著より。
もし実際にこう思える仕事に就いていられたら天職と思えるかもしれない。これは実際に京都の観光タクシーの運転手さんのことだった。
本当に好きで観光タクシーの運転手になった人も多いらしい。京都の寺院についてはいつでもどんなことも説明できるようにしておかねばならないという。
中には高学歴の運転手さんもいるようだ。暇さえあれば歴史の本を読んだり寺院の住職と話をして情報を入れている人もいたのだ。
お客さんに話をしながら仕事をして、喜んでもらえるのは、最高の仕事とも言えそうだ。サービスが身についていなければ、やはり誇りやプロ意識は持てないのだろうな。

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ノルマをもたせて訪問させてもお客様は喜ばないし、成果もあがらない。

「他の店が泣いて悔しがるサービス」香取貴信著より。
これは当然のことだろうとも思える。そこである自動車ディーラーの話があった。その店では一切訪問販売はしていなかった。そこの社長は従業員へ「どんな仕事をしたいか」と聞いたところ「お客様に喜ばれる仕事」という答えが返ってきたそうだ。
しかし、実際はノルマを前提とした営業では、お客様に喜ばれるどころか「また来たのか」と言われることもあったという。営業マン自体もストレスがたまるだろう。
そこで、訪問販売や潜在顧客発掘という従来の手法を止めて、本社のショールームに来ていただくという「お客様来店型」の販売に絞ったのだった。そこで高品質のサービスを提供することにしたのだ。
やはりいいおもてなしをされればお客様も気持ちがいいだろう。ここでは「CR」(Customer Retention)・・・「お客様との関係を深め、維持する」をメインに接客して成果をあげているという。強引に売りこまないことがいい結果を生んでいるようだ。
さらに、「サービスは掛け算」ということも徹底しているらしい。どんなに楽しかったことも、最後にたった一つ嫌な思いがあるだけで「ゼロ」になってしまうからだった。いい関係を継続するには努力が必要だろう。

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