私たちは、「知り合い」が相手なら、そんなに強く出られない・・・

『「人たらしの」ブラック交渉術』内藤 誼人著より。
(このフレーズとは全く関係ないことだが、まずこの人の名前、誼人(よしひと)が読めず、またパソコンで打つ際にも時間がかかってしまった!結局ウェブページからコピーしたが)
第一章は「相手の出鼻をくじく基本知識」となっていた。上記の意味は、たとえば街でチンピラにからまれた時にも、相手を匿名の状態ににしておくと危険だということだった。もしできるなら、演技力で「よぉ、俺だよ」と話しかけるといいらしい。実際にそれができるかどうかは疑問だが
すると、どんなチンピラでも、かなみにくくてしかたがないということらしい。匿名性がくずされると、普段の素の状態にもどってしまうからだった。そうすれば、いきなりぶん殴られるようなことはないという。
かつて聞いた話だが、仕事でクレームが発生した際に、同じ大学の先輩、後輩だと分かったらしく、問題も大きくらならずに解決してしまったという。相手となんらかの共通する点があるだけで、普段ならこじれるほどのクレームも意外にすんなりと解決できてしまうこともあるようだ。
どんな交渉事もまずは、面識があるかどうかで、結果は大きく違ってくるものだ。できればその際にいい印象を残せればいいのだろう。二度目に合う時はもう「知り合い」であるから、やや気持ちも楽に交渉に臨めそうだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

交渉の基本は“根回し”と“事前の調整”にアリ。

『「人たらしの」ブラック交渉術』内藤 誼人著より。
近所で外壁などの塗り替え作業が行われる時に、たいていの業者は隣近所にタオルなどをもって挨拶に回るものだ。すると、ほこりや多少の騒音でも、本気で怒れなくなってしまう。これが根回しだった。
ちょっとしたことでも、文句を言われるのは、根回しがヘタということになる。根回しは、ものごとをスムーズに運ぶためには必要なことだとわかる。それをいい加減にしておくこと、後になって面倒なことになるのだろう。
交渉では、事前の調整が十分できていれば、こじれることは少ないという。いきなり正面からぶつかろうとすると、うまくいくものも駄目になってしまう。これは実は日本独自のものではなかった。
アメリカの議会では「ロビー活動」という根回し専門業は、ビッグビジネスだった。英語では「ビハンド・ザ・シーン・ネゴシエーション(舞台裏の交渉)という言葉もしっかりあった。つまりこれが、根回しに当たる。
交渉をうまく運ぶコツとして、なんらかの方法で連絡をして「合う前から、すでにある程度の知り合いになっている」というこらいにまで、根回ししておくことだという。これはちょっと念頭においてもいいかな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「仔犬契約法」と呼ばれる心理テクニック。

『「人たらしの」ブラック交渉術』内藤 誼人著より。
もうこれだけで、想像できるかもしれないが、「とりあえず、この仔犬をおかせてもらいます。お邪魔なようでしたら、1週間後に引き取りにきます」といって仔犬をいうていくと、たいていの人は、世話をしているうちに愛着がわいてきて、そのまま購入してくれるというものだ。
ある意味押し売りに近い。おいてくるとは言っても、もちろんある程度仔犬が好きだと言う人に限られるだろう。人を見て判断してのことに違いない。むやみやたらにこの方法が使えるわけではないはず。
無名の頃の松下幸之助さんは、そうやって自分の商品を実際に使ってもらうことで信頼を得たようだ。商品を売って利益を上げることより前にお客の信頼を得ることに重点を置いていたのだ。
「とにかく無料でけっこうですから、うちの商品をおかせてください。気に入ってくださったら、次回からは、買ってくださればけっこうです」やはりよほど商品や自分に自信がなければこういう方法は無理に違いない。
損して得取れということなのだろう。目先の利益より、まずは信用をどうやって得るかが大事だということなのだ。ビジネスの最も基本的なことなのだろう。ちょっとした打算と言えばそういえるが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私たちは、基本的に、他人からの頼みごとに対しては、「ダメ」と言ってしまう・・・
『「人たらしの」ブラック交渉術』内藤 誼人著より。
確かにそんな経験はあるものだ。いきなり電話で何かのセールスをされると、もうそれだけで断ろうという気持ちになってしまうことがほとんどだ。
お客が「NO」というのは、無意識の反応でもあって、あまり深い意味はないらしい。だから、場合によっては本当に必要であれば、「NO」のままでは終わらないかもしれない。
だから、交渉事でも一回目の「NO」にはそれほどの意味はないことが多いらしい。本当は「YES」かもしれないが、とりあえず「NO」と言っておこうという程度のものも多いようだ。
相手の「NO」という返事も、もともとそれほどの意味はないから、聞き流せはいいだけのことだった。たとえ「忙しい」といわれても「それじゃ20秒だけ!」、と明るい声で返せるかどうか・・・。それも自信だろな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数字が入っている説得を受けたときには、その効果が持続する・・・
『「人たらしの」ブラック交渉術』内藤 誼人著より。
私たちは一般的に数字に弱いところがあるようだ。たとえば、統計的なデータを出されると、大して根拠がなくてもそれを信じてしまったりするものだ。
ということは、逆に言えば話のなかに数字を入れると信用させやすいということになる。詐欺師はよくこの手を使うらしい。「浄水器をつけている家庭が増えてきている」よりも「60%の世帯がつけている」と言われた方が信用してしまいやすい。
「多くは」の部分を「80%」や「10人中8人」とした方が説得力は高まるようだ。具体的な数字は分かりやすい。しかも数字が入った方が、数字がない時よりもその効果は持続したのだ。
ここでさらに信憑性を出すためには、端数があったほうがいいらいし。たとえば、「0」や「5」ではなく、「全体の86%」や「100人中94人」などの数字を使えば、正確な数字にも思えてくる。
そういえば、マラソンの距離や富士山の高さなどは、意外にも端数があるからこそ一度覚えてしまうと忘れにくいのかもしれない・・・な。

//////////・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
仕事にこだわらず、仕事とはまったく“無関係”なところで頑張っていれば、相手はあなたを信頼してくれる。
『「人たらしの」ブラック交渉術』内藤 誼人著より。
本業の仕事で信頼されればいいのだろうが、それは実際時間もかかり大変なことでもある。自分がどういう人間かも分かってもらうためには仕事の部分だけでは苦労も大きい。
しかし、もし何か人より得意だと思える分野があれば、そこで勝負するというのも効果があるようだ。一例として、相手が犬好きだったら、犬に関する知識が豊富だと思えば、その話をどんどんするのがいいようだ。
植物について詳しいと思えば、もし相手が植物に関心があるような人ならきっと熱心に話を聞いていくれる。これは仕事とは全く関係ないことだが、そんな世間話によって人に信頼してもらえることもできる。
仕事自体で信頼してもらえれば一番いいのだろうが、まず信頼を得るためには、こんな意外ないい方法もあったのだ。ある意味芸は身を助けるともいえそうだ。何がきっかけで人と親しくなれるか分からない。人と対等に話せる趣味などを持っていたいもの。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人間関係の潤滑油。それはホメ言葉である。
『「人たらしの」ブラック交渉術』内藤 誼人著より。
だれでもホメられて気分を害する人はいないだろう。人にあったら無意識のうちにすぐにホメ言葉が出るようになればいいのだろうが、」それにはやはり訓練が必要だ。
腕がよくて、しばしばホメられている職人さんでも、やはりホメられると嬉しいらしい。ここでちょっと思いだしたのは、テレビの料理番組だ。美味しいやウマイという言葉を使わずに料理を褒めるには、豊富なボキャブラリーがなければならない。
またホメるためには、それなりにしっかりと観察して、評価ができなければならいだろう。まったく見当違いなことをホメたりしたら、逆効果になってしまう。
商談の際にも、いきなり本題に入ることはないはず。そこでもなんらかのものを見つけてホメるこも必要だ。相手を軽く持ちあげるという気持ちを持っているかどうかが、その後の展開に影響を与えるのだ。
そして、相手が否定してきた時には、それも再否定して、打ち消すこともしなければならいようだ。それでこそ本気でホメているということをアピールできるのだった。しつこくない程度に繰り返しホメられるかどうか・・・