目的を持たないことが心を落ち着かせる大切な要素。

「メトロミニッツ」2011.3月号より。
たまたま手に取ったこの号で100号だった。今までも何度も地下鉄の駅でこのフリーペーパーを手にしていた。特集は“東京おちつくトコロ”となっていて、そんな場所が100か所紹介されていた。
上記フレーズはフリーキャスター、ラジオパーソナリティー、タレントなどいろいろな顔をもつジョン・カビラさんが語っていたことだった。そして、その場所の一つとして明治4年創業の日本で一番古いと言われる理髪店をあげていた。
なんとそこは夏目漱石森鴎外伊藤博文なども足を運んだと言われるほどの老舗だった。気持ちよく髭を剃られているカビラさんのアップの写真が掲載されている。実に気持ちがよさそうだ。
確かにこんな店なら心も落ち着くことだろう。そのほかにも、べつに特別な場所ではなく、図書館、ホテルのバー、教会、ゆっくりコーヒーが飲めるカフェ、犬と一緒に散歩ができる公園などをあげている。
身近でなんの目的もなくぼけーっとできる場所があると心も落ち着くもの。そんな場所をいくつか確保していたいものだな。やはり自分の場合も行きつけの地元の図書館や川沿いのサイクリングロードを散歩するとき、仕事の途中なら行きつけの喫茶店などかもしれない。

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コミュニケーションとは情報の受信者が主人公・・・
「図解で身につく!ドラッカー理論」久恒啓一著より。
つい勘違いしやすいのは、コミュニケーションの主役が発信者であると思ってしまうことだった。もし円滑なコミュニケーションということを考えるなら、受け手の関心を考えねばならなかったのだ。
「伝達」という言葉について、久恒さんは「伝える」ことに熱心であるよりもむしろ「達する」ことに関心を払うべきだと指摘している。今まで「伝」と「達」を分けてみることはなかった。
ドラッカーは、情報を伝えるには送り手と受け手の感情的なつながりが必要で、それがコミュニケーションの本質だという。すぐれたコミュニケーションに必要なのは、情報の交換よりむしろ知覚(感情)の共有だったのだ。
久恒さんは、次のようにも解釈できるという。情報は車で、感情的なつながり(=コミュニケーション)が道路に相当する、と。車に荷物をたくさん積んでも、道路が敷かれてなければ何も運べないという。これは面白いたとえに思えた次第。

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新しい商品やサービスをつくりだすことなく、新しい市場を創造する方法・・・
「図解で身につく!ドラッカー理論」久恒啓一著より。
これは「顧客創造戦略」というタイトルで書かれた部分にあったフレーズ。なんだかちょっと気になって読んでみれば、売り方や価格設定を変えることだった。
それらの戦略は次の4つに分類されていた。1、効用戦略。2、価格戦略。3、事情戦略。4、価値戦略。書かれていたことを簡単に抜粋してみたい。
1、効用戦略・・・販売やサービスの仕方を変えて顧客に対しての製品効用を高める方法だった。たとえば、デパートにしか置いてなかった商品をカタログ販売でも購入できるようになるなど。これによって新しい需要が見込める。
2、価格戦略・・・価格を下げるのではなく、対象と方法を変えて消費意欲を刺激するもの。例として、CDやビデオを売るのではなく、割安で貸すことでレンタルという市場ができる。ゼロックスでは機械を売るのではなく、コピー1枚いくらという設定にすることで新しい需要ができた。
3、事情戦略・・・なんだかわかりにくいが、分割払いのシステムがそれに当たるようだ。「商品が先、支払いは後」で買い易くなるというものだった。高額商品を買う場合は、今ではもう当たり前のものだ。
4、価値戦略・・・付加価値を提供するものだった。パソコンはどのメーカーも性能には差がない。そこで、メンテナンスサービスを他社より良くするなどだ。安売りとは別の価値を考え出そうというものだった。
つくる側や売る側の目だけでなく、買う側の目で価値を洗い直すことで、新たな市場が出現するというものだった。上記のことなど分かっていそうだが、それを具体的にどうするかが問題なのだろう。

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イノベーションは「改善」から生まれる。
「図解で身につく!ドラッカー理論」久恒啓一著より。
一般的にはイノベーションと言うと、なんだか今までとは全く異なる技術革新だと考えてしまいがちだが、ドラッカーはそうではないと考えていた。
むしろ継続的なルーティーンワークの積み重ねから生み出されてくるものが、真のイノベーションと定義づけていた。決して前例の破壊ではなった。
新製品とは言っても、まったくのニューであることは少ない。既成品や既存分野の改善、改良から生み出されてくることのほうが多かった。それまであったものに何か付加価値がプラスされただけでも新しいものに感じられる。
新発売の車もマイナーチェンジを繰り返しているものがほとんどだった。一度だけの革新よりも、10回の改良を重ねたほうが、すぐれたイノベーションにつながりやすかったのだ。
久恒さんは、ドラッカーが言いたかったのは、ひらめきによる革新などより「さらによくしよう」という継続的な姿勢こそがイノベーションに必要だと解釈している。

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