知識から何かを生み出す作業は、すべてマネジメント。

「これならわかる!ドラッカー思考」枝川公一著より。
そもそもマネジメントといってもなかなか分かりにくい。一般的には企業経営だけのことかと思ってしまう。しかしこれは明らかに間違いであった。
ここには次のように書かれている。“アイデアを紡ぎだし、これを実現させる作業の全過程、・・・”というふうに。具体例としてピラミッド建設をあげていた。
ピラミッド建設には、当然頭を使い、知識を総動員し、建設を推進していくことになる。この中心にいた人は経営者や管理職といっていいようだ。
当然ながら当時はそんな言葉はなかったと思われるが、アイデアからデザインされ大事業が完成されたのだ。つまりこの建設には、立派なマネジメントの結果といえるのだった。
頭で考え工夫して、なんらかの成果を生み出す作業がマネジメントといわれるものだと理解できればいいようだ。

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企業における目標は、楽譜とは異なり、いつも同じではない。
「これならわかる!ドラッカー思考」枝川公一著より。
ここではオーケストラと企業はやや似ているものだという考え方が示されていた。たとえば楽譜は企業のなかの一組織または目的とも考えられるという。そして楽譜の場合は、はるか昔バッハやモーツアルトが残したものがいまも立派に通用していた。
しかし、企業の場合になれば、目標をしばしば作りかえながら進んでいかねばならないものだった。時代の変化やや景気に合わせて適切な判断、対応がされねば企業は存続できない。
また筆者は、これからの企業組織は、オーケストラよりも、芝居に似ているともいう。芝居では多くのスタッフの上に演出家がいる。しかし、優れた演出家は既成の台本では満足しないようだ。
例をあげれば厳しい演出で知られる蜷川幸雄氏がいる。つねにキャストやスタッフに厳しい注文を出し、自分の芝居を作り上げている。俳優は蜷川作品への出演を熱望しているというが、それは自分の力を十二分に引き出してくれるからだった。
これからの企業もメンバーの一人一人の能力を引き出してこそ成果が期待できるという考え方だった。問題はそれができるトップがいるかどうかだろうなぁ。

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組織は、存続する限り、やめることとはじめることの繰り返しである。
「これならわかる!ドラッカー思考」枝川公一著より。
実に端的なワンセンテンスだと思えた次第。企業も人も何もかもやることを増やしながら続けていくことは不可能だ。
だから、時代や変化に対応して、それまでの方法を止めて新しいものへ変えなければ前には進めない。自分の身の回りのことを振り返ってみればよくわかる。
とくにITが発展してからは、仕事のやり方がガラッと変わってしまった。従来の紙による伝達に変わってパソコンの画面による情報伝達が一気に増えた。
否応なしに情報革命の波に飲み込まれざるを得ない。昨日まで通用したものが明日はもう時代遅れになってしまう。しかもそれさえも、また変化して行かざるを得ない。
なんだか世の中の変化のスピードがあまりにも早すぎる。常にチャレンジし続ける組織だけが生き延びていくのだろうか・・・

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「これならわかる!ドラッカー思考」枝川公一著より。