ブーム(好景気や高株価)が続いた後には必ずスキャンダルが相次ぐ。

「知の巨人ドラッカー」ピーター・F・ドラッカー著より。
2000年にはITバブルがあった。そのバブル崩壊後にはエンロン事件など企業スキャンダルが続出していた。それについて、ドラッカーの意見は次のようなものだった。
「もしエンロン事件が起きなかったら私は非常に驚いたと思う。」長い人生でバブルの発生と崩壊を何度も目撃してきたからこそ事件は当然のことだったようだ。
企業スキャンダルとは、バブル崩壊後に粉飾決算の手を染めて、利益成長が続いているように見せかけることだった。しかし、ごまかしはあぶり出されるものだという意味だ。
振り返れば、1930年にドラッカーが記者をしていた頃の体験が身にしみついているようだ。もうその頃にバブル崩壊後のスキャンダルを身をもって目撃していたのだ。なにしろ記者としての初仕事が企業スキャンダルの取材だったというから驚き。

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九十代後半の女性が運転しているとは誰も思わない。
「知の巨人ドラッカー」ピーター・F・ドラッカー著より。
前にもドラッカー夫人については触れたが、また別のページで目にしたので取り上げて見た次第。そもそも90歳まで元気で過ごすこと自体大変なことだとも思える。
これは、訳者の牧野氏が“文庫本・訳者あとがき”の部分で述べていたことだった。90代後半になっても、週に数回はスポーツジムに通い、企業家としても現役で活躍しているというから驚きだ。
体を丈夫に保つ秘訣は人それぞれ違うから特にないらしい。しかし、ドラッカー氏は生前自分が長生き(96歳まで)できたのは、山登りしたり泳いだりして、体を動かすことのドリス夫人のおかげたと語っていたそうだ。
ドラッカースクールでドリス夫人を囲む会合があった後、一人でトヨタ・カムリに乗り込んで手際よく車をバックさせ、反回転させ駐車場から出て行った姿が牧野氏には印象的だったようだ。
まったく高齢を感じさせず、実にカッコイイとも思える。日本ではこんな高齢者はとれも考えられない。その前に、80歳を過ぎれば周囲の人が車の運転など許さないだろうな。