「ヒール」ははがせるが、「ベビーフェイス」ははがれない。

朝日新聞」2010.12.14付けより。
スポーツ面のコラム“EYE”(西村欣也氏)の中で目にしたワンフレーズだった。もし、この記事を読んだ方ならきっと思い出すのではないだろうか。
究極のベビーフェイス(善玉)として早大から日本ハム入りした斎藤祐樹投手をあげていた。高校、大学を通じての活躍は別に野球ファンでなくても知っているはず。つまりスターでもある。
それに対して、同じスターでも、究極のヒール(悪玉)は江川卓氏(現野球解説者)だった。プロ入りまでの、学生時代の評価は齋藤を上回っていただろう。
私も甲子園での活躍をテレビ観戦した覚えがある。また神宮球場での姿を観戦したこともあった。彼も高校、大学を通じてスターであったが、強引に巨人入団を果たした段階で、ヒールになってしまった。
自身、本当に日本一の悪者と自覚していたようだ。しかし、そこからは力で上がっていくだけとも言っている。悪者というレッテルをはがすの大変なことだったろう。一方善玉の称号の齋藤投手はそれなりの重圧があるはずだと西村氏はみている。プロでは先輩の田中投手との投げあいが楽しみだ。
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「徳」はビジネスの“基本フォーム”だ。
「筋を通せば道は開ける」齋藤孝著より。
この本のサブタイトルは“フランクリンに学ぶ人生の習慣”となっていた。ということで、フランクリン自伝』から学べることを齋藤氏流に述べたものだ。
ふだんなかなか「徳」ということについて考えることはない。むしろビジネスにしても日常生活でも損得の方を考えてしまうのではないだろうか。
フランクリンは、「徳」を日常を豊かに生きる上で欠かせない、個別具体的なアイテムであると解釈していたと、齋藤氏はいう。誠実な仕事とは社会に尽くすことで、それが「徳」をマスターすることと直結していたのだ。
だからこそ、実生活の中で「徳」を習慣化することは大事だという。それを身につけるには、反復練習しかなかった。その結果として、人から信用を得られ、ビジネスもうまくいくということだった。
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オリジナルの「徳」を考えよう。
「筋を通せば道は開ける」齋藤孝著より。
(前日のつづき)
徳と言っても人まねというより、むしろ自分で探してみることが重要だった。自分に何が足りないのか、何があれば現状をブレイクスルーできるのかを考えるべきだった。
できるだけ具体的なものの思い浮かべるのがいいようだ。齋藤氏がいくつか参考として挙げているものがあった。まずその一つが、「上機嫌」だった。いつも氏はこの言葉にこだわってきたという。たった一つのこの言葉を思いつくだけでも大変なことだ。
いいアイデアも心の経平静がなければ思い浮かばないというが、それは本当だろう。上機嫌を維持するのは大変だが、それを意識しなければ恐らくもっとできないことだろう。
単に感情的にものごとを相手にぶつけても解決しないことの方が多い。むしろ「相手に対して非常に厳しいことを、上機嫌に言えた」などはやはり訓練、習慣化しなければできないことだろう。

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一日に最低一人、誰かを褒めることを習慣化すれば、相互の関係性はフレンドリーになる。
「筋を通せば道は開ける」齋藤孝著より。
もし、褒められたり感謝されたりすれば、確かにその人に対して親近感は持てることは確かだろう。自分に関心をもって評価してくれた人は意外に印象に残るものだ。
だから、人を褒めるということは相手を観察していなければできないことも多い。密なコミュニケーションがあればこそ、人を褒められる。
齋藤氏の感覚では多くの人は褒められたがっているという。しかし相手のことを理解もせずに褒めてもしょうがないだろう。また心がこもっていなければ、逆効果になってしまう。
「一日一善」ではなく、「一日一褒(ひとほめ)」ということも提案している。もしこれが習慣化できるならいいのだがなぁ。ついつい批判ばかりが先に立ちそうだが、齋藤氏のおすすめしたい「徳」は「褒める」だった。

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