「発明した」より「発明する」のほうがはるかに大きな喜びである。

「ギフト〜E名言の世界」2010.9月号より。
この回のテーマは“科学”だった。上記の名言を残したのはカール・ベンツ(1844-1929)ドイツの技術者だった。ベンツ社を設立していた。現在もあの有名なブランド、メルセデスベンツのこと。
自分が以前に発明したものを誇りに思うより、これから発明することのほうが、喜びはずっと大きいという意味だっだ。過去の栄光を懐かしむより、これからのチャレンジを楽しめれば最高だろう。
作家はよく「一番好きな作品はどれか?」と言われた時、「次の作品だ」“ネクストワン”と答えるものだろう。何かを創造しようとする時、それまでよりいいものを作りたいと思うものだ。
数日前に10年連続で200安打を達成したイチロー選手の口癖も「現役のうちは過去を懐かしんではいけません」というものだった。新記録を更新していくときの喜びは大きいはず。
科学もスポーツも創作物も次にさらにベストを目指すという点ではかなり似ているところもありそうだな。

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商法は、売て悦び買て悦ぶ様にすべし。
「ギフト〜E名言の世界〜」2010.9月号より。
これは経済というテーマのところで取り上げられていた、二宮尊徳(1787-1856、江戸時代の農政家)の名言だった。江戸時代の言葉ながらも分かりやすい。
商売は売り手にも買い手にもメリットがあるべきだという意味だった。たまたま「そんとく」という言葉の響きからは、「損得」ともなりそうだが、商売は自己の損得ばかり考えていても成り立たない。
やはり相手に対して、その商売でどれだけメリットが与えられるかも考える必要があるのだ。相手にメリットが多いほど長続きしてうまくいくのだろう。
当然ながら、売り手にもそれなりのメリットが発生しなければ商売としての継続は困難だろうが。需要と供給の間に潤滑油としての双方の喜びが必要なのだろう。

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richかpoorかは、どれほどお金を持っているかではない、・・・
「ギフト〜E名言の世界〜」2010.9月号より。
この言葉のあとには「持っているお金に対して満足かどうかで決まる。」とあった。もともとの名言は次のようになっていた。
“〈金持ち〉とはお金がたくさんあることではなく、もうこれ以上お金は必要ないと思っている人のことである。〈貧乏人〉とはお金がないということではなく、お金があってもまだ足りないと思っている人のことである。”
これは『いい言葉は心をリセットさせる』(久保博正1938-、作家)からのものだった。何となくこの本そのものも気になります。お金は必要なだけあればいいのだということだろう。
お金持ちでもまだまだ欲しいと思っていれば貧乏人と同じことになってしまう。上を見ても下を見ても切りがない。どうやって日々の生活に満足を感じていくのか。そちらのほうが大事なのかもしれないな。

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人生は自転車だ。倒れたくなければ走り続けよ。
「ギフト〜E名言の世界〜」2010.9月号より。
意外にもこの名言を残していたのはあの有名なアルベルト・アインシュタインで、これは1930年2月5日に息子エドゥアルトへの手紙のワンセンテンスだった。
実にシンプルで分かりやすいたとえになっている。もしこれが自転車操業ということになれば、大変なことだ。英語では次のような表現になっていた。
“Life is like riding a bicycle. To keep your balance you must keep moving.”と。二つ目の文のkeep・・・balanceはバランスを保つことという意味で、イコール倒れないということになっている。
ここでの“走り続けよ”、とは働き続けろという意味だろうか。また健康維持に気を配れという意味だろうか。また、いい仕事をするためには努力し続けろとも思えてくる。“走り続ける”、一つをとっても意味が深そうだ。
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日本人に未来への希望を与えていたのは「3つのI」。
「ギフト〜E名言の世界〜」2010.9月号より。
このテキストの最終回のテーマは「道」だった。そこでのショートコラムのなかで、講師のパルバースさんが述べていたことだった。3つのIとは、何なのかちょっと気になった次第。
次のように説明されていた。「新しいことを積極的にやってみようというinitiative(起業心、率先力)、人間のingenuity(発明や工夫の才能)への確信、柔軟なintelligence(知性、知力)」だった。
戦後日本の発展もこの3つが絡んでいたのだろう。原材料が不足する日本は、それらを輸入し加工して輸出に力を入れていた。今でもそうだが。また勤勉さ、手先の器用さが多くの新しいものを生み出していた。
さらに、次のアドバイスがあった。「道のことなど心配するな。その上に刻まれるあなたの一歩一歩について考えなさい」と。まずは目の前の仕事を地道に着実にこなしながら努力を重ねて進めということだろう。