貯金が増えれば増えるほど態度や発想は貧しくなっていく・・・

「道楽のススメ」中谷彰宏著より。
中谷氏の経験からは、たとえ年収が増えても、態度や発想は変わらないという。問題は年収が増え、使うお金も増えた段階で、態度や発想が変わってくるようだ。
現実は、タイトルにあげたように、貯金が増えるほど態度や発想は貧しくなっていくようだ。つまり貯金が増え始めると、さらに増やしたくなるからだった。確かにためようと思えば、日々使うお金は少なくなる筈。
態度や発想が最も変わるのは、お金に対しての考え方が変わった時だった。逆に考えて、態度や発想を豊かにしたいと思えば、お金を使うことだということになる。
銀行に入れっぱなしでは、お金はそこで行き止まり、というのも何となくわかる。それは豊かな発想の行き止まりでもあるのかな。使うためには、ある程度はためることも必要だし、そこのところがうまくいくかどうか・・・。

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道楽とは、出会いを生み出す、最大のインフラ・・・
「道楽のススメ」中谷彰宏著より。
このフレーズの中の、“道楽、出会い、インフラ”という3つの全く異なる言葉がワンセンテンスの中で使われているところが気になった次第。
このページのはじめの部分で、筆者は「お金をつかうというのは、将来の自分のためのインフラをつくっていること・・・」とはっきり述べている。
そうか、そうだったのか、と思った次第。つまりそれは自分なりに有効に使えば自分にプラスになって返ってくるものというふうにも解釈できる。
だから、ただ単に貯金しているよりも、将来のために自分に投資することも必要だったのだ。お金と時間を費やして身に付けたものは、いつかは役に立つかもしれない。
インフラを整えるためには、お金を使うことが必要だったのだ。中谷氏はまた、道楽を通して、自分のインフラを整えておこうとも提案している。
道楽があるからこそ、新たな出会いもある、ということはよく理解できる。それは身近な趣味の仲間かもしれないが、そこには貴重な出会いが含まれているかもしれない。

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気持ちよく使えるモノが、道楽の対象。
「道楽のススメ」中谷彰宏著より。
たまに「生き金」「死に金」という言葉を聞くが、「死に金」は使ってもまったく身につかないお金のことで、「生き金」は使った金額以上にモノが身についていくお金のことだった。
しかも、「生き金」にするためには、気持ちよくお金を使うことだったのだ。確かにもったいないなどと思いながら使っていたら、せっかくお金を払っても楽しくもない。
道楽はお金をたくさん使うことでもなかった。いかに気持ちよく使えるかがポイントのようだ。金額の大小とは関係なく使える範囲内で気持ちよく使うことなのだ。
また道楽とは使うことによって文化を手に入れることでもあった。人生が楽しいと思うのは、心が豊かな人と出会ったときでもある。
つまりその前に自分が心豊かにならなければ、そんな人とも出会えないということだ。自分の周りにはつまらない人が多いとしたら、自分がつまらない人間なのかもしれない。
まあそうならないためにも、お金を使って文化を手に入れるということになるようだ。それは大抵ムダ使いのようなものだろうが。ムダだからこその面白さもあるのだろう。

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必要でない「必欲品」に使うことで、心が癒される。
「道楽のススメ」中谷彰宏著より。
生活のために使うものは「必需品」だが、ただ欲しいだけのものは「必欲品」だという。実に面白くて分かりやすい表現だ。
必需品ならどうしても必要なものだから、しかたなしに買うことになってしまう。でもただ欲しいだけのものを買う時には癒しの効果があるという。
たとえば衝動買いというのも、その時見て欲しくなったものだから、必欲品なのだろう。でも、その時は買うことが楽しいものだ。
商品なら高額のアクセサリーや美術品などがそうではないだろうか。また贅沢な食事などもそうかもしれない。しかし、そんな時間を過ごすことはまた文化度が高い時間を過ごしているともいえそうだ。
必需品、とくに消耗品にはお金をあまりかけなくても、欲しいものとなれば、意外に値段には無頓着だったりもするものだ。それが道楽であり、心の豊かさにもつながるのだった。

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面白いエピソードをつくるには、投資をしなければならない。
「道楽のススメ」中谷彰宏著より。
実に新鮮な印象をうけるワンセンテンスだった。“投資”というこの部分には、何が含まれているのだろうか。時間、費やしたお金、書籍(勉強)なども入りそうだ。
要するに、タダでは面白い話を人にできないだろうと言っているようだ。面白くなるためにはそれなりのコストをかけねばという意味だろう。
文化力というのは、お金を使うことで伸びると中谷氏は語っている。ということはお金持ちでもお金をただ持っているだけでは意味はないということになる。
財布にいくらお金が入っているだけの人よりも、エピソードをたくさん持っている人のほうが面白そうだ。
こんな表現もあった、「理不尽なお金の使い方をした時に、初めて面白い体験をすることができる」と。
意外な体験ほど語っても聞いても面白いものだ。でも、それなりにコストはかかるということでもあるな。まそれは当然なことだろう。