負けても終わりではない。やめたときに終わるのだ。

「ギフト〜E名言の世界〜」7月号より。
この週のテーマは「継続」だった。これはリチャード・ニクソンアメリカの第37代大統領)の語った言葉だった。ニクソンといえば、すぐに思いだすのが「ウォーターゲート事件」だ。それで失脚して、任期中に辞職に追い込まれた初の大統領でもあった。
まあ、ここではそれは別として、名言として残されているこのフレーズに味わいがある。たとえばスポーツの試合を例にとれば、たとえ今日負けたとしても、まだ明日、次回があるかもしれない。学生時代に負け続けたとしても、プロでは一流になれることもあるだろう。
一度、あるいは数度負けたからといって、それでやめてしまえば永遠に負けかもしれない。しかし、場面を変えてまたチャレンジできることも多いのだろう。その日までまた力をつけて頑張れば、勝ちにつながることも多い。
かつて、ある知人が言っていたことがある。それは、“できないのは、できるまでやらないからだ”、という言葉だった。これは考えようによっては実に厳しい発言でもある。勉強に置き換えると、“わからないのは、わかるまでやらないからだ”、ともなる。

考えるほど厳しく思えてくる。個人の頭の問題もあるだろう。いくら一生懸命やってもダメなものはダメに違いない。問題はそれをどこまでやり続けるかという、見切り時も関係ありそうだが。finishには「終えた」、という意味と「もうだめだ」、という意味がある。自分でやめようと思わなければ、「もうだめだ」ではないのかもしれない。

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人生はマラソンなんだから、百メートルで一等をもらったってしょうがない。
「ギフト〜E名言の世界〜」7月号より。
実にシンプルでわかりやすい。とかくものごとに一喜一憂してしまうこともあるが、このようにものごとを長い目で見ることが大事なんだと思いださせてくれる。
この名言を残したのは、石坂泰三(企業経営者1886-1975)だった。この人の名前だけは聞いたことがあるが、詳しくは知らなかった。ここに略歴があった。
第一生命保険会社の社長として、経営刷新に取り組んで東芝社長として、大幅なリストラで会社の再建を成し遂げた。1956年からは経団連会長を12年間務めた。
こんな実績を残した人の言葉は、簡潔だが実に重みを感じるものだ。人生でちょっとしたことで、人と比較して勝った、負けたと思いやすいものだが、それはほんの一部に過ぎなかったのだ。
もし売上げ予算のことを考えるなら、数か月達成できたからといって、年間でどれほどになるのかを考えれば喜ぶわけにはいかなないだろう。
学生なら一流有名大学に入ったことと、その後の人生での幸福の度合いとは必ずしも一致しないものだ。学歴よりもむしろ、その人の考え方、生きる姿勢で人生は大きく変わっていくものだ。

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幸運とは、流した汗に対するボーナス・・・
「ギフト〜E名言の世界〜」7月号より。
このあとには、「汗をかけばかくほど、幸運になる」と続いていた。これはレイ・クロック(アメリカの企業経営者1902-84)の言葉だった。
いきなりこの人の名前を聞いてもピンとこなかったが、今や世界的企業となった、あのハンバーガーチェーン「マクドナルド」の基礎を築いた人物だった。
52歳でマクドナルド兄弟と出会い、フランチャイズ権を獲得し、全米に拡大し、118カ国、約3万店(2009年)に至っている。そんな彼の言う言葉だとなれば、やはり汗をかくべきだと思わざるを得ない。結局、幸運は汗を流さないうちは期待してはならないということなのだろう。
よくラッキーという言葉からは、タナボタということばを連想するが、そのタナボタさえも、ただ眺めているだけでは手に入らない。棚を揺らすか、棒を使って落とすしかない。自分なりの努力(汗)をしてはじめてボタモチは味わえるのかな・・・

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魅力的な唇を手に入れるためには、優しい言葉を話すこと。
「ギフト〜E名言の世界〜」7月号より。
サム・レヴェンソン(アメリカの作家1911-80)の言葉だった。これは2行にわたる名言だった。もう一文は「美しい瞳を手に入れるためには、相手の長所を探すこと」だった。女性向きのフレーズのようだ。
どちらも、「魅力的な唇〜」「美しい瞳〜」と実にキザな感じさえ思えるが、凡人には容易には思いつかないフレーズだ。さすが、作家だけのことはある。
これは、女優のオードリー・ヘップバーンが好んでいた誌の一節だという。では、英語の原文では次のようになていた。“For attractive lips, speak words of kindness. For lovely eyes, seek out the good in people.”
日本語でも美しいと思える言葉は、英語でもやはりattractive, lovelyと優しく感じられる。また逆に優しくない言葉が発せられる唇はとても魅力的とは感じられないというのもうなずけるが。