営業の仕事は知的ワークと仕掛けの工夫で成り立っている。

「プレジデント」2010.3.29号より。
以前は営業と言えば、根性、熱意、体力勝負でいかに顧客を説得するかが実績につながっていたものだった。顧客を口説き落とせるかなどという言葉も聞かれた。またそれができる営業マンは「販売のプロ」だと言われていたものだ。
いまではむしろ、いかに高いコンサルティングの力があるかのほうが問われているようだ。顧客満足をどれだけ与えられるかが実績に影響してくる。つまりふだんからのいいコミュニケーションができているかどうかも当然問われているのだろう。
営業は「仕掛ける」仕事だと言われている。自ら仕掛けない限りは数字には跳ね返ってこない。むしろその仕掛け自体を楽しめる状態なら、きっと結果もそれなりに期待してもいいのだろう。
どんな仕事も言われたままやっているだけでは、面白味もでてこない。そこにいかに自分なりの味付けをして相手に伝えられるかではないだろうか。誰がやっても同じ結果なら張りあいもない。
要するにタイトルにあげた「知的ワークと仕掛けの工夫」を心がけてこそ、その人らしい営業ができるのだろう。もちろんはじめにあげた根性、熱意、体力、それにスピード感なども当然ながら必要だろうが。

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エルメスといえども、その歴史は150年程度・・・

「プレジデント」2010.3.29号より。
日本は老舗天国、だという。つまりそれだけ伝統ある企業が多いということで、それに比べれば西洋のブランドはまだまだ歴史が短いという意味だった。
それで、ウェブによれば次のようにもあった。創業で200年以上938社 300年以上435社、また1000年以上の超老舗は6社もあった。
ここには700年以上前から続いている老舗がごろごろあるともあったが、それもうなづける。日本の製品は海外のものに比べて作りがしっかりしているとも思えるが、やはり日本人の器用さがそこにあるのだろうか。
海外の旅行者がグループで日本の大型家電品店で購入している姿を見かけるが、やはり日本製品の優秀さを実感しているからだろうな。
丁寧さ地道な作業からはやはり高品質なものが出来上がるのだろう。日本には海外には知られているが日本人にはなじみのない商品がまだまだたくさんあるのだろうな。そんなものに気づくだけでもうれしいかもしれない。

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蛇足・・・創業200年以上の会社が日本には3100社存在する。しかも、世界全体総数の40%を占めている。ドイツには800社、オランダには200社、アメリカには14社、中国には9社、台湾7社、インドにはたった3社。業種は、旅館、料亭、酒造、和菓子が4割をしめている。一方次に多いドイツでは、パン屋、地ビールだそうです。「金剛組」は西暦578年からなんと1428年続く企業。

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自由と合理と軽快は、文庫本のコンセプトであった。

「死んだら星に生まれかわる」新井満著より。
これは過去に書かれた自選随筆集だった。それにしても、文庫本について“自由と合理と軽快”とまでかなり大げさとも思える表現を使っていたので、さすが作家はすごいとも思った次第。
ふだんよく文庫本で読んだりはしているが、そこまで考えたことはなかった。小型で軽くて比較的安価だと思っていたが。そういえば、たいてい小型のショルダーバッグの中には文庫本が1冊か2冊入っていることが多い。文庫本もあまり分厚いものは重たくなってしまうが。
新井さんは、会社勤めをしていたときには、なんと背広姿に赤いナップザックを背負って通勤していたという。かなり目立ちそうだ。勇気がないとそんな姿はできそうもない。
このバッグについても文庫本と同じように、自由と合理と軽快だという。確かに背負ってしまえば、両手を使うことができる。しかもその中にはちゃんと文庫本を入れることは忘れなかったようだ。
たとえば、ノートなどのサイズを伝えるとき、文庫本サイズだと言うだけでたいてい大きさが想像できる。ハガキのサイズもほぼ同じくらいだ。単行本サイズというのはほとんど聞いたことはないな。

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もし啄木の手紙が出たなら欲しいものだと・・・

「死んだら星に生まれかわる」新井満著より。
これは、「啄木の詫び状」と題した随筆のなかのワンフレーズだった。新井さんは昔から石川啄木が好きだったという。だから、もし彼の手紙が出たら欲しいと思っていたそうだ。
すると、銀座で画廊を開いているある知人が、持っているので譲ってもいいと申し出たのだ。しかし気になる値段は新井さんが付けて欲しいと言われて困ったらしい。
それは啄木がある人物にへ詫び状を送ったものだったのだ。新井さんがそれをいくらで購入したのか、その結末については触れられていなかった。
それにしても、手紙といえば極めて個人的なプライバシーが書かれているものだが、有名人のハガキなどはよく古書市などでも販売されている。文豪ともなれば、かなりの値段で取引されているようだ。
ここに、数年前の週刊誌からの抜粋(文豪の手紙の値段)が掲載されていた。たとえば、夏目漱石400万円、芥川龍之介450万円、高村光太郎65万円、尾崎紅葉10万円、川端康成40万円、三島由紀夫120万円などと。
もちろんそれが文豪から有名人へ宛てたものなら、より価値が上がるのではないだろうか。文豪ともなれば作品以外のものまでも高額なんだなぁと思った次第。希少価値ということでも価格は異なるだろうな。