脳に悪い3つのこと。

数週間前のテレビ番組より。
もう何の番組だったか忘れてしまったが、その時に気になった言葉があったのでメモをしておいた。上記のことを述べていたのは、2008年北京五輪の競泳日本代表チームの結果に貢献した(大学医学部教授などを経た)林成之氏だった。
この先生の名前は今年のはじめ読んだ雑誌「プレジデント」で覚えていた。その時と関連したことを話していた。このブログでも気になるフレーズとして取り上げていた。その時は、「“私はコツコツ努力するタイプです”と言う人を、私は信用しない。」と 「ライバルは自分を高めるためのツールと思え。」を取り上げていた。
さて、上記の脳に悪い3つのこととは、「1、愚痴を言う。2、趣味がない。3、終わりが見えると安心してしまう」だった。1については、“否定語はダメ”だというのが理由だった。2は集中力がないと脳は働かないからだった。趣味のワクワク感がいいらしい。3はゴールを決めつけてしまわないことが大事だった。
かつて、北島康介選手には、壁にタッチした時がゴールではなくて、振り返って電子掲示板を見た時がゴールだと訓練したそうだ。世界でトップを目指す人の陰にはさまざまな努力があることもうかがえる。

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米倉涼子松本清張を結びつけた「企画力」の勝利・・・
齋藤孝の企画塾」齋藤孝著より。
実に具体的でおもしろい表現だと思った次第。この本を読んでいて、へたなビジネス本よりもおもしろいと思えるのはこんな表現がたくさん出てくることだった。この本は企画について述べられた本だが、今まで読んだものとはなんだか異なっていた。
上記フレーズについて、齋藤氏は「米倉涼子松本清張の昭和の暗い裏社会を生きていく、したたかな女にぴったりハマっています」と述べていた。さらに具体的には「黒革の手帖」や「けものみち」で松本清張氏シリーズには彼女ほど会いそうな女優はいないだろうということらしい。
確かに、それらの番組を見たがうまく演じていたものだった。当時テレビ放映されていた頃に売られていた、同じタイトルの文庫本の表紙には米倉涼子の写真が使われていた。どれも悪そうな雰囲気が漂っていたものだ。
これらは組わせがうまくいった企画力の勝利だという。そして、一度うまくいけば同じようなパターンを繰り返すことができる。シリーズができること自体、当たった企画ともいえそうだ。一般のロングセラー商品も同じことが言えそうだ。自分の中のロングセラーを作りたいものだが・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「頭の中ではもうできている」という「ヴィジョン力」を鍛えるのが、いい企画を立てる重要なキーワード。
齋藤孝の企画塾」齋藤孝著より。
いい企画というのは、作る前から作り手の頭の中で完成品ができあがっているという。これそ筆者は「ヴィジョン力」と呼んでいる。
確かに出来上がりのイメージがあいまいだと、出来上がった時にいいものができるとは思えない。プレゼンの時にも、言葉で伝えるよりもその完成形を実際のモノや画像で提示できるほうが説得力があるだろう。
それによって、どんなデザインかもつかみやすくなる。また、それならここをこうしたほうがもっと良くなる、という意見も得られるだろう。
かつてソニーウォークマンを作った黒木さんがプレゼンのダミーは、後に製品化されたものとそっくりだったらしい。形が鮮明に見えていると、それに向かってパワーを発揮しやすいと言うことは理解できる。
私も年に一回手作りクリスマスカードを作ったりもするが、「こんなものを作りたい」と頭で描いたものとほとんど同じものができると嬉しいが、なかなかそれが難しい・・・

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リクルートだから出せた」という強烈な存在証明・・・

齋藤孝の企画塾」齋藤孝著より。
企画というものは、既に世の中に出ているもので成功しているものを眺めてみるのも勉強になる。どうしてこれが長年ウケているのだろうか、と振り返ることは無駄ではないだろう。
上記のことは当たったフリーペーパー「R25」の企画ことを指していた。かつて私もよくこのブログでも取り上げていた。というのも、比較的通る道で手に入りやすかったので、何となく手にすることができたからだった。ところが最近では置いてないところも増えて手にすることはほとんどなくなってしまった。
さて、リクルートを振り返ってみれば、タダで学生に企業案内を配布して、業績を伸ばしてきたということがわかる。どうやってタダにするかというのがリクルートの強みだったのだ。
つまり広告を乗せる企業がお金を払って、読み手はタダになるということだった。すべてのフリーペーパーがそうだろう。また民放のテレビ番組だって視聴者はタダでみられる。それはスポンサーとなる企業が膨大な金額を払っているからだとわかってる。
この「R25」ではシンプルに「R」とつけて一種のユニークな限定感をだしたところにも、企画のおもしろさが出ている。別にその後の数字が25だろうと、35だろうと関係なく読者はいることは確かだ。
商品なら、期間限定、賞味期限、数量限定など制限されたものも企画として利用できることはあるのだろう。薬なら万能薬よりも、ここだけには特に良く効くというものを買うだろうな。

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欲望は他者の欲望を模倣するもの・・・
齋藤孝の企画塾」齋藤孝著より。
一見するとこのわかりにくいフレーズがちょっと気になった。わかりやすく言えば、「欲しい」という気持ちの人がいると、他の人にもその気持ちが伝染するということだった。
あの人が欲しがっているものなら、きっといいものに違いないと考える人もいるかもしれない。広告宣伝はこれを意識的に作り出して、需要を起こそうとするものだ。テレビCMで美味しそうに食べていれば自分も食べたくなるだろう。
最近身近であった例がある。3月3日にのひな祭りに向けて、海外の有名陶器ブランドのリヤドロやウェッジウッド雛人形のイメージで作って売りだしたのだ。
知り合いのある年配のご婦人は元々お茶を教えていたが、ウェッジウッドがお好きな方で、抹茶茶碗にもウェッジウッド社製のものを使うこともあった。そして、数量限定(400個)で発売されたひな人形の飾り皿をさっそく購入して壁に掛けたところ、そのお弟子さんも欲しがったらしく、合計6つも買うことになったらしい。
しかもメーカーではその飾り皿は完売したそうだ。企画ということを考えたら、海外有名ブランドが日本向け行事に着目して製品を作り、完売したとは実に成功した企画といえそうだ。これほど無駄がないことはないだろう。