「仕事は選べないが、仕事のやり方は選べる」

「プレジデント」2010.2.1号より。
この号の特集は“24時間の鉄則”となっていた。数日前にこの1冊を購入したのは、ある知っている方が登場していたからだった。またこのフレーズ自体は、別のビジネス書「フィッシュ!」に掲載されているものだった。
さて、組織に属している限り、仕事を自分で選んでやることはそうそう簡単ではない。また言われた単純作業を命じられたりしたら、面白味もすくないものだ。
しかし、考え方によってはちょっとした創意工夫をこらせれば興味深くもなったりやる気も出てくることもある。また従来とは異なる方法はないものだろうか、とか時間短縮できないかなどと考えてもいいのかもしれない。
今これを書きながら感じたのは、仕事上でのちょっとした効率的な思いつきもそれを継続すれば自分のスタイルになると思ったことだった。たとえば、個人的なことだが、仕事で使っている数冊のファイルを例にあげてみよう。
通常ある資料をファイルにとじこんでいるが、かつては項目ごとにインデックスをつけておいた。しかし、最近ではそのインデックスをやめて、そのファイルの表紙に項目のタイトルを縦にメモすることにしている。それで、ファイルの表紙を見ただけでどの分冊かまた必要な個所はどのへんか容易に見当がつくようになっている。
ここでは、習慣化するためには、その手段そのものを好きになることだとも述べてあった。たとえそれが効率的なことだとしても、ちょっとでも億劫だと思えば継続は難しい。いつも思っていることだが、仕事は自分なりに工夫して少しでも楽しんだもの勝ちかも。

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「私はコツコツ努力するタイプです」と言う人を、私は信用しない。
「プレジデント」2010.2.1号より。
さらにこの後には、“その言葉を聞いたとたん、「コイツはダメだな」と思ってしまう。”と続いていた。こう述べているのは、2008年、北京五輪の競泳日本代表チームの結果に貢献した(大学医学部教授などを経た)林成之氏だった。
そうは言うものの、努力しない人間よりは、コツコツ努力できる人間のほうがいいに決まっている。しかし、林氏の経験からはそういう人が大きく成長したり一流になったことはなかったそうだ。
むしろ、一流選手になるほど「まだまだ努力が足りない」「まだまだたくさんの課題がある」と謙虚というより自然に口にするそうだ。そのために決してコツコツ努力するとは言わないらしい。
コツコツとは一歩一歩着実に、ということでその言葉の背後には「失敗しないように慎重に事を運ぼう」という意識が隠れていると指摘する。失敗するかもしれないというという否定語は、結果的に脳の働きにブレーキをかけてしまうらしい。
つまりそんなことから、コツコツやるという人は、現在自分が持っている以上の力を発揮することが難しいようだ。常に高い目標を掲げて全力投球しているからこそ、「まだ足りない」と自然と口に出てくるのだった。スポーツに限らず仕事で一流の人も同じなのだろう・・・な。(コツコツさえできない・・・自分に喝!)

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ライバルは自分を高めるためのツールと思え。
「プレジデント」2010.2.1号より。
(前日のつづき)
林成之教授によれば、北京五輪での北島選手へのアドバイスで難しかったのは、最大のライバル、ハンセン選手(当時100メートル平泳ぎの記録保持者)の存在だった。
人間は結果を求めると、持てる能力を十分に発揮できなくなるらしい。だから、スポーツでいえば「敵に勝とう」と思った瞬間に、能力にブレーキがかかってしまうという
脳には3つの根源的な本能があるという。それらは「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」というものだった。そこで、それらに逆らうことをやると脳のパフォーマンスは急激に落ちるのだった。つまり「敵に勝つ」は「仲間になりたい」という本能とは真っ向から逆らう考えだったのだ。
林氏は北島選手に「ハンセンをライバルだと思っちゃいけない。自分を高めるツールだと思いなさい。・・・・水と仲間となり、ぶっちぎりの、感動的な泳ぎを見せる舞台と思いなさい」とアドバイスしたという。
先に結果を求めるよりも、むしろ損得抜きの(自分の確立されたスタイルでの)全力投球こそが、最高の結果を生むということを教えてくれたのだろうな。(よし、これで明日からも頑張ろう!)