本は自分を映す鏡・・・

朝日新聞」2009.12.6付けより。
“十代、こんな本に出会った”というタイトルのコラムのなかで、元プロテニス選手の杉山愛さんが語っていたなかのワンフレーズだった。自分を映す鏡という表現がなんとなく新鮮に思えた次第。
この意味は、たとえば疲れている時なら、つい癒し系の本に手が伸びて、壁にぶち当たると「他の人はどうやって乗り越えたんだろう?」というようなノウハウ本が読みたくなるという。振り返ってみれば、その時の自分の精神状態にあった本を手にすることはしばしばだ。
かつて杉山さんは、現役時代に自分のテニスを見失ってもがき苦しんだことがあったらしい。そんな時に読んだのが『イチローに学ぶ「天才」と言われる人間の共通点』で、自身の参考にもなったと語っている。
現役時代の彼女にとっては読書はリラックスするものの一つであったのだ。つまり勝負師から一人の人間に立ち戻るために読んでいたという。10代のころから今でも読んでいる本には『星の王子さま』があり、読むたび心がピュアになるようだ。
もちろんそれ(リラックスする方法は)は人によって様々なものがあるもの。スポーツであり、旅行であり、創作活動、食事や会話、ショッピングかもしれない。なかでも、読書は一人でお手軽にどこでもできるものだろうな。

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高価なものが贅沢なのではなく、“好き”に囲まれた生活が贅沢・・・

「メトロポリターナ」2009.12月号より。
“ひとりもいい”(文:八坂裕子)というコラムのなかで、ちょっと気に入ったフレーズだった。一般的には何でも値段の高いものが贅沢だと感じてしまうもの、だがそれが手に入らない人のほうが多いかもしれない。それならむしろ、人に見せびらかすよりも、自分がいかに快適に過ごせるかを贅沢だと思ったほうが幸せ感がありそうだなと思った次第。
ここでの前半にはシャンペンについて語られていた。そこでは、シャンペンは特別の日のための美酒でなかなか味わえるチャンスがないというのが常識的な考え方だろうという。ならば、シャンペンを飲むことでどんな日も特別な日に変えられる、という考え方を提案していた。
八坂さんは面白いことをその例として挙げていた。仕事でミスをした日、恋が終わった日、元気が行方不明の日、こんなシチュエーションに置かれたらシャンパンの出番だという。シャンパンをお気軽に飲むための口実のようでもあるな。
さて、贅沢なひとり時間を過ごすには、好きなモノたちに囲まれているのがいいというが、それは意外に身近にあるお気に入りの椅子、クッション、スリッパなど、なんでもいいようだ。
はたして部屋を見渡してそんな愛着のあるモノはあるだろうか。せいぜい捨てられない本や使い慣れたノートパソコンだろうか。(でも、そんなものはとても贅沢とは思えてこないが・・・)

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ブランドに場所を貸す不動産業・・・
朝日新聞、土曜版」2009.12.12付けより。
“デパートで買い物している?”というアンケート結果が掲載されていた。回答者6247人のうち、「最近3ヶ月間にデパートで買い物した?」という質問では「はい」が60%、「いいえ」が40%だった。
日本百貨店協会が発表した、10月の百貨店売上高は20カ月連続で前年割れとなっていた。別に悪いのはデパートだけにはとどまらす、ユニクロや一部の安売り店を除けばほとんどがマイナスの連続だろう。
所得の減少、雇用不安、消費者の買い控えがはっきりしている。そこでデパートを見てみれば、今では百貨ではなく、取扱品目も減ってきている。電気製品やカメラなどは家電量販店のほうが当然強いから並べても勝ち目はない。
海外の一流有名ブランドは、デパートに進出しても店内の最もいい場所を指定してショップをオープンしてくる。ブランドの強さを感じさせる。まだまだ海外ブランドパワーは銀座、原宿など人通りの多い所に出店している。どこのデパートでも似たり寄ったりの商品が並べられ特徴もない。
ここには「デパートに望むのは?」という質問があった。そこでの上位には商品の質や品揃えがあり、その次には「買い物をするワクワク感、サービスの良さ」が挙がっていた。この辺をどれだけ強化できるかが今後のポイントだろうなぁ。(ブランドに場所を貸す不動産業になってしまったら悲しい)