お笑いの世界のクリエイティビティーはトップクラス・・・

朝日新聞」2009.12.6付けより。
“仕事力”というコラムのなかで、木村政雄さんが述べていたフレーズ。ちょっと意外なことだが、もともと木村さんは芸能界にも、お笑いにもそれほど興味がなかったと語っている。本当は新聞記者になりたかったようだ。
しかし吉本興業に入ってみて初めて、お笑いの世界のクリエイティビティーはトップクラスだと気づいたのだった。というのも、俳優には台本、役名、監督がいて、セリフがあった。歌手の多くには作詞家、作曲家、編曲家、ミキサーが周囲を固めている。
ところが、お笑いはすべて自分たちで肉付けをしなければならない。ほかの誰かとは全く違った芸風を確立せねばならない。つまり常に新しい創造性が求められる厳しい世界でもあった。チャンスは自らつかまなければならない。実力の世界だ。
にもかかわらず、お笑いの扱いは低かったのだ。そこで、木村さんはこの世界をもっとメジャーにして評価をえられるようにしたいと腹を決めたと述懐している。
そして、現在ほどお笑い芸人が、テレビ番組に頻繁に出演していた時期はなかっただろう。ほとんどテレビのどのチャンネルでも朝から深夜までお笑い芸人はたくさん出演している。
旬のお笑い芸人は一時もてはやされるが、消えるのも早い。常に新鮮なネタを創造していくのは実に大変なことだろうな。
蛇足
今月6日には、M1グランプリの決勝進出者8組が決定した。そのうち6組は「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」の所属だった。毎回吉本系のコンビが多く決勝戦に残っているな。もともとこのコンテスト自体がお笑いの総本山といわれる吉本興業の主催だから当然だろうが。

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インプットばかりでは、自分の力がわからない。

朝日新聞」2009.12.6付けより。
(前日のつづき)
これも同じく木村政雄さんの言っていることだった。自身の経験から、インプットするのは大切なことだが、それだけでは決して仕事人としては伸びていかないという。
もし、本を読んだなら、そこから何を受け取って、自分の古くなった知識と入れ替え、どう活かしていくのかが問題らしい。まあ、エンターテイメント系の雑誌や本ならその時だけ楽しめればいいのだろうが、その他の書物で知識を得られたなら(つまりインプットできたなら)、それを実際の仕事で活かしていけるかどうか。
そしてどうアウトプットできるかに、その人の力や個性が表れてくるという。繰り返しになってしまうが、つまり、自分のなかでしっかりと消化して、仕事にうまく活かせるかが問われているのだろう。
確かに、インプットした知識もアウトプットしようとすれば、それほどた易いことではない。頭では解ったつもりでもそれを表現しようとすると、実にそれが不完全であるものだと気づく。ついついそれで自信を失ったり・・・


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くじはドラマの始まりでしかない。

朝日新聞」2009.12.6付けより。
これはこの日の「天声人語」のなかで目にしたフレーズだった。メインは来年開催されるサッカーワールドカップ南アフリカ大会の組み合わせ抽選会について述べられていた。
まずは32チームが8組に分かれて戦うわけだが、その組み合わせから、熱心なサッカーファンはいろいろと予想し始めるらしい。当然ながら日本はどの組かが関心の的だ。オランダ、デンマークカメルーンと同じ組だった。
そこで、ここではそのくじの“気まぐれ”について’74年の西ドイツ大会を引き合いに出して書かれていた。西ドイツは初出場の東ドイツと当たり、当然西が勝つだろうと思われていたが、1−0で東が勝ったのだ。
しかし、負けて2位で勝ち上がった結果として、強豪のブラジル、オランダと当たらずに決勝戦まで進んで、優勝候補のオランダを下して頂点に立ったという。
甲子園での高校野球でも最初の組み合わせ抽選で、一喜一憂する姿はよく見られる。だから、組み合わせによっては、前評判の高い強豪校と決勝まで当たらず、初出場で初優勝ということもあった。
また、くじといえば、宝くじで億万長者になった人たちは、その瞬間から新たなドラマが始まるのかもしれないなぁ・・・。