記憶の生け簀・・・

「人を10分ひきつける話す力」齋藤孝著より。
「話す力」のトレーニングのためには、抽象的なことを自分の言葉で言い換える練習をするのがいいという。そして、抽象的、難解な言葉を自分の言葉で表現するには、具体例が挙げられるかどうかにかかっている。
そのためには、頭の中に豊富な具体例のネタを持っているほど有利になる。齋藤氏はそれを「記憶の生け簀」と表現していた。ちょっとおもしろい。その生け簀のなかにはいろいろな魚(=具体例)がいて、そこから網で目当ての魚をすくうというイメージだそうだ。
ということは、ふだんからたくさんの情報に触れ、読書などによって、知識を蓄えておかねばならない。また一度読んだだけでそう簡単に記憶に残るとは思えないが。とにかく自分の言葉で説明できなければダメなのだろう。
筆者は、ある抽象的な表現について、「これはどういうことか」を子どもにわかるように説明ができるかどうかだという。もし、それができるなら、自分がちゃんと理解できて話がうまいはずらしい。まずは、「記憶の生け簀」に魚をためておくことかなぁ・・・


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話の草稿はつくるが、それは骨子にとどめる。

「人を10分ひきつける話す力」齋藤孝著より。
これはあとがきの部分にあったフレーズだった。人前で話をするには当然ながらある程度の準備が必要だが、それは詳しく書きすぎるとそれに縛られるようだ。むしろ現場で話がふくらませるのがいいらしい。
ここには、この本のまとめのようなものが4つ書かれていた。今まで書いたことの繰り返しになるが、自分の確認のためにもそれらを簡単に抜粋してみたい。
1、話にどれだけ意味はあるのか。つまり「意味の含有率」が高いかどうか。
2、ライブ感が大事であること。その場の空気を感知して聞き手の反応をよく読んで話すこと。
3、ネタの豊富さ。その場で聞き手にもっとも相応しいテーマや具体的なエピソードを話すには、ネタを多く持っていなければならない。
4、身体性を考える。聞き手に対する声の張り、トーン、身体全体の動きで「自分はこんな人間だ」ということを分かってもらうこと。
あとは、それらを意識して練習することかもしれないな。