「意味の含有率」という感覚・・・

「人を10分ひきつける話す力」齋藤孝著より。
今年もう一度同じ本を読み返してみると今度はまた別の個所が気になったので、取り上げてみたい。下記は昨年の11月に読んだ時に取り上げたちょっと気になったフレーズ。
1、話す力をみれば、その人間のポテンシャルがわかってしまう。
2、平凡な話しかできないのは、その人自身が平凡だから、というだけではない。
3、人間には問題を出されると、つい答えてしまうという習性がある。
4、もっとも基本的な「話す」という行為について、教育もされていないし、評価もされていない・・・
5、受けるネタとは、話にきちんとオチがあるものだ。
6、話だけで勝負するのではなく、関連した物を持参して見せると効果は大きい。
7、平凡がいちばんリスクが大きい。
8、発言するときは、会議を「リング」だととらえなくてはいけない。
筆者は「言っている話にそもそも意味はあるのか」というポイントから考えることが大事だと述べている。いい話には「意味の含有率」が高いということになる。
この「意味の含有率」感覚を高める第一歩は、自己チェック機能を持つことだった。つまり、自分の話していることに意味がないんじゃないかという不安を持つことだそうだ。
話し慣れてくると確かにうまい人はいるが、それが本当に意味があるのかどうかはまた別のことでもあったのだ。上記の2番と7番に関連していそうだが。

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独りよがりな話とは、たとえばホームビデオのようなもの・・・
「人を10分ひきつける話す力」齋藤孝著より。
他人の結婚式や子どもが映ったビデオを本当に面白く見られるのは、それを撮った本人か撮られた本人たちだけだろう。見せられているほうは、かなり笑えるなどのオモシロ映像でなければすぐに飽きてしまう。それが5分も続けば苦痛になってしまうに違いない。
要するに共感できなければ、映像も話も意味はないということだろう。話す相手に共感を呼ぶようなネタを選んで話しているだろうか、と考えることも必要なのだ。
またおもしろい話には聞き手に新しい発見や気づきがあるかということもポイントのようだ。今まで知らなかった知識を教えられるとやはりオトク感があるもの。
単なるマスコミからの情報だけでは新鮮さも発見もない。むしろ書物からの知識などのほうが新鮮に感じられたりもする。雑学や蘊蓄プラス自分の意見が必要かも。
独りよがりではなく相手の共感を得るためには、やはりふだんからたくさんのネタを持つよう努力していなければならないのだろうなぁ。

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成人になるころには収まりのいい規格品になってしまう。
朝日新聞」2009.11.29付けより。
“朝日求人”の「仕事力」という連載コラムのなかで、元吉本興業常務の木村政雄さんが述べていたフレーズだった。人は意外に自分だけは異なっていると考えていても、意外に規格品に収まってしまっているものらしい。
多くの人は大人になるにつれて、いろいろな規制によって収まりのいい規格品になってしまうようだ。しかし、幼い子どものころは元気で自分の個性を生きているが、学校に行くようになると校則で縛られる。
その後もいろいろと制約されて長い時間をかけて知らずのうちに規格品のようになってしまう。もし肩書がついたりすれば、その範囲での仕事しか発想できなくなってしまうようだ。これは実にかなしいことでもあるな。
木村氏は、そこに自分個人として加えることはないかと、掘り下げる努力をしたらどうだろうか、と提案している。これは芸人だけでなく一般に仕事をする人に向けた言葉でもある。
もし、それが芸能界だったら同じような個性の人間はまったく必要とされないということになる。やはり吉本興業で33年間にわたって人づくりにかかわってきたからこそ、実感することなのだろうな。

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ここには私しかいないというすき間を手探りし、ユニークなセールスポイントを作っていく・・・

朝日新聞」2009.11.29付けより。
(前日のつづき)
ここには島田紳助さん駆け出しのころの例があった。彼は縦軸横軸を用いた綿密なチャートを作っていたという。そこには先輩芸人の年齢、芸風、ネタのジャンル、一人ひとりの強み弱みを鋭く観察して書き込んであったのだ。
それによって、自分はどこのポジションにいて、どこに立てば他の芸人とかぶらないかを見出してきたという。木村さんは、これは芸能の世界だけでなく仕事をするすべての人に当てはまると考えている。
自分だけのポジションを見出して、それが他人にとっては魅力的なものであることが必要だという。世阿弥はそれを「離見」と呼んだそうだ。その意味は、自分が持っている個性の中から、人を引き付ける要素を客観的に見つめることだった。
芸能界にかかわらず、人から長く認められるような仕事をし続けている人には、きっとこのような、魅力的な個性があるのだろうな。常に客観的に自己を見られるかどうか、それは難しいことでもありそうだが。


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たかが21日、されど21日。

百式」2009-12-02より。
この日の記事にこんなのがあった。「習慣化のためにとにかく21日間続けよう!」というタイトルになっていた。要するに始めたことが3週間継続できるかどうかだった。
継続は力なり、とは言い古されたことばだが、それを実際3週間以上実行するとなると難しい。いままで3日坊主であきらめたことのほうがはるかに多いことを思い出す。
朝のジョッギング、腹筋、ダンベル体操、とくに運動系がダメだ。ついつい単調で面白くないからいろいろな理由をつけて辞めてしまう。
Habit Forgeというサイトでは、「21日間、何かを続ける」ことを支援するだけのシンプルなツールとなっているそうだ。
このサイトに続けたいことを登録すれば、毎日メールが送られてきて、やったかどうかをイエス、ノーで答えるというものだった。
21日続くまでに1日でも達成できない日があったら、カウントはゼロに戻ってしまう、という仕組みになっているというが、ここで、心配なのは、そのメール自体をちゃんと毎日(21日間)チェックし続けることができるかどうかだな・・・・
タバコの値上がりが心配な人はとりあえず「禁煙」でやってみる・・・?

21日間、なにかを続けることを支援するシンプルツール。
Habit Forge 
http://habitforge.com/