素直であることは一つの才能だ。

「眼力」齋藤孝著より。
素直というのは、伸びる可能性を見極めるときに重要な着眼点になるという。性格が素直なら、人のいうことを捻じ曲げずにストレートに受け入れる。あとはその指導が良ければ伸びていくということだった。2人のスポーツ選手の例があった。
かつてのオランダの柔道王、ヘーシンクを育てた道上伯(みちがみはく)はヨーロッパに柔道を根付かせた人物だった。ヘーシンクは東京オリンピックで優勝したことは50代以上ならきっと覚えていることだろう。
当時のヘーシンクは顔色の悪い建設労働者の青年だったという。しkし、道上は指導次第では柔道では伸びると直感したらしい。それは、飛びぬけて性格が素直だったからだった。格闘技なら強気の選手がいいということも考えられるが、素直さのほうを買ったのだ。性格が従順だったために、ハードな練習に耐えられたのだろう。
もう一人は、マラソンランナーとして有名な高橋尚子選手だった。高校、大学時代は有名な選手ではなかった。当時、小出監督の率いるリクルートには入社できなかった。しかし、押しかけていって選手として指導を受けている。
小出監督を信頼しきっていたからこそ、アドバイスを受け入れ全力で答えたのだ。結果、記録を伸ばしオリンピックでも優勝できたといえる。
教わるべき監督を選んだという高橋の眼力もまたすごいともいえる。世界トップの選手になるためには、素直さということもかなり重要なポイントのようだな。

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信頼していない人のアドバイスなどきかないという徹底ぶり・・・

「眼力」齋藤孝著より。
これも、前日の内容とも関連している。イチロー選手の例があった。あのイチローでさえ、1軍入と2軍を行ったり来たりさせられている時期があったことは知られている。
しかし、イチローはたとえ2軍に落とされても、落とした監督やコーチは信頼していなかったのだ。下手にフォームをいじられるより、2軍で実績を残すことを選んでいた。
そして2軍の時出会った新井宏昌コーチとの相性はよく、イチローは彼を信頼してアドバイスを受けとめることができたのだった。それで本来の能力を伸ばすことができたのだろう。
プロではフォームをいじられることで能力を発揮しきれなかった選手も多いことだろう。野茂投手もあのユニークなトルネード投法を貫いたからこそメジャーで100勝以上を達成しできたのだろう。
仕事でのスタイルも人それぞれだろうが、それで成果を確認できたならそれを徹底していくことも必要かもしれない。その際、職場や環境がそれを認めてくれるかどうか・・・も問題かも。

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「飯を食べるスピード」という尺度。
「眼力」齋藤孝著より。
ここにはちょっとユニークな事例があった。日本電産永守重信氏が社長をしていたときの採用試験ではなんと「早飯試験」が行われていたのだ。
というのも、永野氏は学校の成績が優秀だという理由で採用した人物は、育っていず、途中でギブアップして辞めた者も多かったからだ。
ところが、20年前に「早飯試験」で採用した者が会社の中心人物になっていたという。入社して20年ともなれば中堅だろう。最もパワーを発揮する時期にそれなりの仕事をしている者が多かったのだ。
その年の応募者は170名で、面接で約70名に絞り、彼らに昼食を食べてもらい早く食べ終わった順に33名を無条件で採用したのだった。
永野氏は、飯を早く食べる人間は何をやっても早い、好き嫌い何でも食べられるのは健康な証拠だという仮説をもって採用していた。
また一方、落とされた学生の側からみれば、成績も面接も問題ないのになぜ落とされたかのかは理解できないだろうなぁ。各社採用人数が減っているが、就活の学生さんにはとにかくがんばってほしいものだな。


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モーツアルトの音楽は、健康を回復する“聴く薬”・・・
JAF Mate」2009.12月号より。
“未病にきくワザ!というコーナーで目にしたもの。要するに音楽療法というやつだ。これを提唱するのは埼玉医科大学保健医療学部教授の和合治久先生だった。免疫音楽医療学というのがあるらしい。
モーツアルトの音楽には、3500〜5000Hz以上の高周波音が豊富だという。それが健康に効くのだという。高周波音は自律神経などをコントロールしている視床下部を中心とした、脳の中枢神経を効果的に刺激するのだった。
「2週間程度で、高血圧・冷え性不整脈不眠症など、さまざまな不快症状が改善に向かうでしょう」、と語っている。聴き方もあった。BGMとして聞き流すのではなく、病気の予防改善という目的意識をもって、音に聴き入ることが重要らしい。
できれば11日3回、朝、昼、夜に30分ほど聴くのがいいらしいが、朝食前と寝る前に各10〜15分ずつでもいいという。ということで、さっそくいまモーツアルトのCDをかけながらこれを書いている次第。でも“ながら”は駄目かな・・・