世間に通用する看板の力を借りることも選択肢の一つ・・・

「凡人が一流になるルール」齋藤孝著より。

これは小林一三ルールのところにあったもので、ここでは「看板の力を借りて自分を磨く」とあった。小林一三の名前を初めて耳にしたのは学生時代だった。その当時はただ優れた経営者としてだけ知っていたにすぎない。
宝塚歌劇団阪急電鉄、阪急百貨店などいくつもの事業を成功させていた人物で、巨大な企業グループを作り上げていた。ふつう財閥系の経営者の多くは、家柄が良かったり、親の財産を引き継いで事業を興し発展させていた。
しかし、小林一三は何の後ろ盾もなかったのだ。子供のころから苦労の連続だったようだ。しかしその後、慶応義塾大学に進学し、三井銀行へ入行していた。かつて慶応義塾大学はいま以上に光り輝くブランドだったようだ。
慶応の卒業生というだけでも信用力があったという。もともと文学青年で、新聞社を志望していたが就職に失敗して、やむを得ず三井銀行へ入行したのだった。そして、世間に通用する看板を使うことで自らの仕事の経験を積んでいったのだった。
看板に頼り切らないで、中身(実力)を磨いたというところがポイントだったようだ。何のバックボーンがない場合は、看板の力を借りるのもアリということだった。

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お手本と同じことをしていたら、よくて一位タイ。

「凡人が一流になるルール」齋藤孝著より。
小林一三ルールの一つでは、「人に負けない得意分野を一つ持つ」だった。一三にとって、はそれは決算書に並んだ数字を見ることだった。
元銀行マンであったことから、決算書の数字を見ただけでその意味を理解することができたのだった。中身を理解できることが、強みの一つだったのだ。
人によっては、特定分野の技術的知識、業界の最新情報でも、これだけは誇れるというものを持つべきだろうという。
一番つまらないのは、あれもこれも及第点というやつかもしれない。突出した部分がなければ、その他大勢に埋もれてしまう。
人に認めてもらえる(単独トップの)レベルまで、自分の武器を磨き続けられるかどうか。結局それがポイントかもしれない・・な。


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アウトプットを意識するからこそインプットも真剣になる。

「凡人が一流になるルール」齋藤孝著より。
これはフォードルールの部分で目にしたフレーズだった。ヘンリー・フォード(1863〜1947)はフォード・モーター・カンパニーの創業者だった。
意外なのは、「一日八時間労働」というシステムは彼が考え出したものだった。それ以前の労働時間はもっと長かったようだ。また流れ作業の組み立ても彼が考ついていた。
フォードは自動車の製造ばかりではなく、サービスにも力を入れていた。そして、サービスステーションを考案していた。当時としては画期的なものだったようだ。
そして、「大切なルールは箇条書きにしていた」のだ。実はこれがフォードルールでもあった。たとえ当たり前のことでも書いて見えるところに貼っておくことが大事だったのだ。箇条書きはチェックリストにもなっていた。
さらに、筆者の齋藤氏は大事にしたいルールがあれば、心の中に留めるだけでなく、自分の言葉にしてアウトプットすることをすすめている。つまりアウトプットを意識するからこそインプットも真剣になるということだろう。
上記フレーズのあとには、“実際にアウトプットすることで、頭に再インプットされる”ともあったな。