言葉のスパーリング。

「人に好かれる笑いの技術」鶴間政行著より。
新人リポーターへのアドバイスというトピックのところで述べられていたこと。女性リポーターへのアドバイスの中に「すごい」という言葉を連発しないように、というのがあった。
ということは、すごいをもっと別の言葉で表現せよということだった。筆者は「みんな言葉のスパーリングが足りないなぁ」と感じていたのだ。言葉をどんどん掘ってほしいともいう。
グルメリポーターの彦摩呂さんを例にとりあげていた。グルメリポートなら「おいしい!」は当たり前の表現だが、彼は「味のIT革命や!」、「味の宝石箱や!」という使っていて感心したようだ。
そういえば、今はニュース番組のアナウンスがメインになってしまったが、古館伊知郎がかつて新日本プロレス中継時代は面白かった。リングを「四角いジャングル」、プロレスを「闘いのワンダーランド」という大げさに表現していたっけ。
そんなさまざまな造語はまさに芸術の域に達していたものだった。やはりそれも言葉のスパーリングの成果なのだろう。鶴間さんの“言葉のスパーリング”という表現自体が実に新鮮に聞こえてくる。

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日頃から何に対しても楽しい疑問を持つこと・・・

「人に好かれる笑いの技術」鶴間政行著より。
笑いのある会話というのは、思っている以上に簡単ではない。そのためには必要なのは、常識を壊すことでもあると筆者は指摘している。では、具体的にどいうすればいいのかといえば、上記フレーズのように“日頃から何に対しても楽しい疑問を持つことが大切”と述べている。
ここに一つ「バナナ」が持っている固定観念をどうやってこわすのかという例があった。バナナに関する疑問はいくつかある。1、何で黄色なのか?2、何で曲がっているのか?3、何で時間が経つとヒョウ柄になるのか?4、何で「バナナ」という名前なのか?5、何で最近バナナの皮ですっ転ぶというコテコテのコントを見なくなったのか?
筆者が無理やり考えた答えは次のものだった。1、子どもたちから黄色い歓声を浴びたかった。2、三日月に憧れているから。3、一瞬のオシャレを楽しんでいる。4、「そんなバナナ」というダジャレを言ってもらうため。5、バナナの皮を道に捨てる人がいなくなったから。
こういうものは、深く追求してはいけない。所詮お笑いだから。ではなぜ「ブログ」という名前なのか?を考えてみた。(ウェブログが本来のものだろうが)「うえっ!」という言葉で吐き気をもよおすと困るから(と私は意味のないことを思いついたが)。

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ある意味人は毎日「へぇ〜」を探して生きている・・・

「人に好かれる笑いの技術」鶴間政行著より。
筆者は「人生はへぇ〜の連続」だと述べている。そんな「へぇ〜」もクイズにすると楽しみながら情報を伝えられると提案していた。
ここに一つの例があった。「阿久悠さんの作詞の歌でカラオケで一番歌われている曲は何でしょう?」というものだった。「勝手にしやがれ」(沢田研二)でも「津軽海峡冬景色」(石川さゆり)でも「UFO」(ピンクレディー)でもなかった。
答えは「居酒屋」だった。これは新聞記事に「阿久悠さんの作詞した曲で、カラオケで歌われているランキング」というのがあったからそれが出典だった。そして筆者は思わず「へぇ〜、居酒屋なんだ」と思ったという。そういえば、かなり以前にこれを歌ったことがあったな。
つまり自分が「へぇ〜」と思ったことは、きっと相手も「へぇ〜」と思うに違いないという発想だった。どうでもいいことだが、「ぎっくり腰」のことを、欧米では「魔女の一撃」というらしい。かつてその経験者の私は「へぇ〜、あれは魔女の一撃だったのかぁ」と思った次第・・・

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ラブレターを代筆するように作詞したもの。
ウェブ「サンケイニュース」2009.5.19付けより。
これは作詞家の荒木とよひささんが三木たかしさんの曲を作詞する時に心がけていたことだった。2人の作った歌の80%は三木さんが先に曲を書いて、荒木さんが詞をつけるというものだったという。
「自分に納得できる歌を書くべきだと、よくおしかりを受けた。彼の思いをくみ取って、ラブレターを代筆するように作詞したものです。僕の言葉は三木さんの曲が書かせてくれた」と荒木さんは悼んでいる。(三木さんはまだ64歳という若さで今月11日に亡くなっていた)

2人の関係は仕事上のコンビを超え、深い友情で結ばれていたようだ。だからこそ2人のコンビはたくさんのヒット曲となったのだろう。三木さんの作曲した約2000曲のうち5分の1にあたる400曲は二人のコンビだった。私にとってとくに印象深いのはテレサ・テンの曲だ。
以前、ブログでも取り上げたことがあった。2007年4月30日から5月1日にかけて。また、阿久悠さんとのコンビの作品については2008年9月9日に触れていた。