花から学んだ「か・き・く・け・こ」。

「相鉄瓦版」2009.4月号より。
假屋崎省吾さんは、人生は「かきくけこ」だと考えているという。それは実にシンプルな語呂合わせのようだが、花から学んだことだったようだ。
料理味付けの基本は一般的には「さしすせそ」だということはご存知のことと思います。さ=砂糖、し=塩、す=酢、せ=しょう油、そ=味噌をうまく使いこなせるかどうかが味を左右するのでしょう。
假屋崎さんが花から学んだことのごく一部を順に抜粋してみよう。
「か」・・・「感謝・感動」。花を通して素晴らしい人たちとの出会いに恵まれたことで実感しているようだ。感動することで生きる勇気さえ湧いてきたともいう。
「き」・・・「緊張」。適度な緊張感があることで、毎日を楽しく過ごせていると感じている。まあ、ストレスをためないほどの緊張感という意味だろう。
「く」・・・「くつろぎ」。緊張感のある仕事の合間には息抜きも必要になってくる。気分をリフレッシュすれば、また新鮮な気持ちで仕事にも取り組めよう。
「け」・・・「決断」。花の仕事でいえば、どの花を選び、どう構成するかという決断だった。特に大作を制作する場合には大きな決断力を迫られることだろう。人生にも通じそうだ。
「こ」・・・「好奇心」。好奇心があれば、新しい発見もできる。知識の吸収もそれが基本だろう。そこからチャレンジする気持ちも生まれるに違いない。年をとっても好奇心を保っていたいもの。
どれもこれもシンプルすぎて、忘れがちなことでもありそうだ。いつもこんな心構えができたらいいな〜。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

人生を豊かにする「心のビタミン」。
「相鉄瓦版」2009.4月号より。
華道家假屋崎省吾さんの教室に通う生徒さんは、約700人いるという。常に時間に追われてかなりご多忙だとは思われるが、月に10回以上教室を開いて、直接指導しているようだ。教室によっては看板の先生はめったに出てこないところもあるらしいが、假屋崎さんは生徒さんと触れあう時間はとても掛け替えのない時間だと述べている。こんなことからも、実に真面目な指導を心掛けていることも感じられる。
実際、マスコミやテレビで見る假屋崎さんは、明るく振舞ってやさしい感じも見える。ところが、花を生ける現場では実にてきぱきと厳しい。二年ほど前にあるホテルの催事の飾り付けの会場でダイナミックな生花をいくつも制作してる現場にいたことがある。
広い会場では、トレードマークの長髪を束ね帽子をかぶって、汗まみれになって動いていた。弟子たちには厳しい口調で指示する姿は、とうていテレビでの彼の姿とは全く異なっていた。まさにひとりの芸術家を見た思いがしたものだった。
そんな彼は人には「花は心のビタミン」だと言っているようだ。それは、花をライフスタイルに取り入れると、心の潤いが格段に変わってくると感じているからだった。花は人生を明るく豊かにしてくれるものだ。お祝いの席には華やかな花は一層場の雰囲気を盛り上げてくれるもの。
花はもらっても差し上げるのもうれしいもの。生花は生花なりの、造花は造花なりの良さをもっている。選んだものを差し上げ、喜んでいただけた時はやはり花のビタミンを実感。そのポイントはタイムリーかどうかもあるだろうな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
無目的な人に「面白いね」と振り向いてもらう。
『「R25」のつくりかた』藤井大輔著より。
氏は1973年生まれだからまだ若い。しかし2004年の創刊に関わり初代の編集長でもあった人だ。今ではフリーペパーの勝ち組といってもいいだろう。首都圏の駅やコンビニの棚に置けばどんどんと減っていく。私も月に何度か手にすることはあり、時々ちょっと気になるフレーズにも出くわすことがある。ざっと見てさっと読みすぐに捨て去ってしまうものだが、実際にそれを作る側はかなりの苦労をしていることもわかる。
そもそも、「R25]とはどういうことだったのか。このフリーペーパーの読者の約50%が20歳から34歳の男性だという。つまりそこがターゲットだったのだ。とはいっても、十分にそれ以上の対象者にも面白く読める。
いくらタダだからといって、誰もがもらってくれるわけではない。実際に駅やコンビニのラックには置かれてから何日経っても残っているフリーペーパーの方が多い。
そんな中で、この「R25」は実に人気があると思われる。数千冊も置かれても翌日にはほとんどがはけてしまっている。しかも、2008年6月の特別号は100万部を達成してた。といっても常にこの部数を発行しているというわけではないようだ。
内容のメインは聞いたことはあるが、詳しくは知らないというようなことが記事として毎回書いてある。もちろん毎号どれも面白いというわけではないが、次にはどんな情報が出てくるだろうという期待からまた手にしてしまうこともある。
最近は活字離れといわれ本が売れなくなっているらしいが、この「R25」の中にあるブックレビューというところに取り上げられた本は別に新刊ではないが売れ始めているという。それだけ反響がある証拠でもあるかな。最近はウェブでも「R25」はあるので、全国どこでも読めるようになっている。