「勇気をもって、いい加減に生きていこう」

「どらく」(朝日新聞ホームページ)より。
長野県の諏訪中央病院院長鎌田實さんのインタビュー記事から。どこかで聞いたことのある名前だった。何らかのNPOの記事を読んでいたときだったかもしれない。この10月末の新刊本は『いいかげんがいい』というタイトルだった。
いいかげん、はべつにだらしなくテキトーにやればいいという意味ではなく、良い加減ということだったようだが、さらに力を抜いて相反するもののうまく心でハンドリングして加減していくことだと語る。その例として鎌田さんは自身の本を取り上げている。先に『がんばらない』を書いて、次に『あきらめない』を書いている。この二つは一見矛盾しているが、どちらもほどほどにせよということのようだ。
頑張り過ぎない、簡単に諦めないということなのだ。健康オタクは実際は健康優良児とは限らない。病気をしていても不健康だとは言えないともいう。最近よく病気の一歩手前を未病などといわれるが、それを察知してほどほどに気を付けながら過ごすことも大事なのでしょうね。健康の中にも不健康はあって、不健康のなかにも健康はあると語る。
そういえば話はずれるが、若い頃徹夜マージャンなどをしていたが、あれは実に不健康な過ごし方だったような気もする。しかし、それができるということはある程度健康だったからだとも思えるし。若い時はあまり深くも考えないし、エネルギーの量が違う。
似たようなことが、ギャンブルの一つパチンコにも言える。あの騒音で空気が悪い中、長時間にわたって同じ姿勢でいられるのもすごいことだ。とても今の自分はあの世界に入っていく気にもならないなぁ〜。何しろ“時間がもったい”が先に立ってしまう。

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「自分の弱さを認めることで心にしなやかさや強さが出てきた。」

「どらく」(朝日新聞ホームページ)より。
(前日のつづき)
鎌田さんはもともとがんばり屋さんだったようだ。30年以上前には地域に心の通う医療を目指しそのリーダーとして努力を続けたいたのだ。そのため無理をして日々の業務をこなしていたという。仕事中毒になって自身はパニック障害になってしまったと振り返る。
無理な生き方をしているとどこかにほころびが出てしまうということだったようだ。それは心と身体と家庭だったようだ。自分の弱さを知ってからはがんばらなくなったという。
しかし鎌田さんは常に人のために役に立ちたいという気持ちが強く、55歳から65歳までのセカンドステージでは命、環境、平和に積極的にかかわっていこうとチュルノブイリやイラクの子どもたちの支援活動を実行している。
実際には日本各地で講演会などもこなしており、忙しい日々を過ごしている。しかし、今ではそんな忙しささえも自分が一番楽しませてもらっていると語る。人のために役立つことを楽しめるのは実に素晴らしいことでもあるな。そんな気持ちを見習わねばな。
蛇足・・・なお、鎌田さん自身のブログのタイトルは『なげださない』だった。

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毎朝4時30分に起きている。
(さらに前日のつづき)
「どらく」(朝日新聞ホームページ)より。
サードステージとして、「65歳以降のことは考えていますか?」という質問に対して「小説を書きたい、山あいの無医村の医者になりたい」と語る。常に自分のた人のためにメッセージを発信していこうという気持ちがあるようだ。
さて、実にエネルギッシュで活動の幅が広い鎌田さんだが、その原動力の秘密があったのだ。それは早朝の3時間にあるらしい。18歳から60歳まで朝は4時30分に起きて7時30分までは自分の自由時間として使っていたのだ。
その3時間は誰にも邪魔されず、本を読んだりCDを聴いたり、散歩もできたという。医学の勉強にいそしんだ時期もあり、今では本も書いている。そんな宝物のような時間を確保してきたことに原動力の秘密があるようだ。
もっともこれはかなり強い意志がないと続けられない。私のような軟弱人間には無理かも。早朝から仕事として活動をしている人は実に多い。交通関係、テレビ、ラジオ報道などのマスコミ関係者、深夜人が熟睡している時間にも必ず誰かが働いている。
しかし、それは人生の一時期であり、仕事だからやむ負えないともいえる。しかし、鎌田さんはそれとは別に自分の意志で早朝に起きて40年以上も勉強を続けるのは凡人では無理だろう。ここで、もう一度三日前の日記を思い出した。・・・がんばらない、でもあきらめない、ということ・・・かな。