「貫きたかったのに、妥協した」という人の方が多い・・・

「君を、つらぬこう。」中谷彰宏著より。
このちょっと変わった本のタイトルが目に入ったので気になった。ここでの「自分を貫く」とは、くじけないという意味だった。中谷氏は、ほとんどの人はプッシュ(押すこと)はしても、貫くまではしていないという。
そこで、氏自身がやっていた空手を引き合いに出していた。氏が習ったのは、相手を打つのではなく貫けということだったようだ。相手の顔面を狙う時は、後頭部から腕が突き出るように貫けという意味だった。たんに表面に当たっているだけでは十分ではなかった。相手に触れただけでは、空手の「一本」にはならなかったという。
貫くことを、英語ではペネトレイト(penetrate)というようだが、あまりなじみはない。そこには「浸透させる、貫通する、見通す、深く感銘させる」などの意味があった。
本当にやりたいことがあるなら、突き抜けるほどやり遂げないといけないということになる。ちょっとだけものごとをかじっただけでやった気になってはいけないのだ。仕事や人間関係も同じようなもの。仕事も徹底的にやらないで結構妥協してしまっていることが多そうだ。
仕事を通じて多くの人と会って名刺交換すると人脈が増えたような錯覚を起こしやすい。しかし、実際はほとんど以前と変わりはないもの。人間関係はそんなに簡単には築くことはできないだろう。やはり壁を貫いて突き抜けようとするにはそれなりの苦労も伴うのだろう・・・な。(ほとんど適当に妥協ばかりで過ごしてきた自分を反省するばかり・・・)

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緊急ではないけど、重要なこと。
「君を、つらぬこう。」中谷彰宏著より。
なんだか漠然として、これだけでは何のことかわからない。要するにここでは時間の使い方について述べられていた。次の4通りの判断基準の一つだった。
①緊急で、重要なこと。②緊急だけど、重要でないこと。③緊急ではないけど、重要なこと。④緊急でもなく、重要でもないこと。このうち、どこに時間をかけているだろう。私の場合は、だらだらと無意味に過ごすことが多いから、④かもしれない。
体調を崩して病院に行かねばならないときは①になる。②はしばしば家にいるとかかってくる電話などのことだろう。なんだろうと思って急いで出ても大した用事でなかったり。急になにかしなければならない時などだ。
そこで、最も重要なのは③だったのだ。たとえば、それは健康管理を考えればわかる。緊急ではないが、重要なことには違いない。結局緊急ではないが、重要なことにどれだけ時間を割いているかがポイントだった。
ということは、適度な休養も大事なことともいえる。風邪を引いたかもしれないと、感じることも大切になってくる。そんな時は早めに治す努力をすれば、長引くことも避けられるはず。
貫くっていうと、いかにも力強そうに思えるが、実はかなり地味なことでもあったのだ。コツコツとやっていくことが、貫くことにつながっていたのだった。何ごとも、まず自分が飽きないようにすることも大切そうだな。


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お金を財産に変えた人が強い・・・
「君を、つらぬこう。」中谷彰宏著より。
一見すると財産イコールお金と考えがちだが、そうでもない。しばしば、健康は財産だということを思い出せばわかる。目先の損得ばかり考えていると財産という意識は見失ってしまいそうだ。
貴重な体験や習得した技術なども当然財産ともいえる。ということはたくさんのお金や時間をかけなくても財産を持つことはできるのだ。習い事をすることで、ものの見方が変わってくることはしばしばだ。ノウハウを身につけられればそれは見えない財産でもあるだろう。
学生時代に安い講習費用で社交ダンスを習ったことがあった。基本の動きだけでも知っていればそこそこは楽しめる。そのおかげで、若いころは何度もダンスパーティーに参加することができたものだった。これなども、安い授業料で得ることができた財産ともいえそうだ。
また、時間があるということは財産をもっているともいえる。まず、何かを始めようとするには時間がなければならない。若いうちは“お金持ち”ではなくても、将来への“時間持ち”と考えたらいいのかもしれない。それはお金では買えないほどの価値がある。どんなお金持ちだって、絶対に若さは買えないし。
お金を財産に変える、とは今ある時間(お金)を自分のために何かに投資しておこうという意味合いがありそうだ。何かにトライして失敗しても、こうするとうまくいかないということがわかれば、それも財産といえる・・・かも。

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習得の遅いものが武器になる。
「君を、つらぬこう。」中谷彰宏著より。
これも実に深いフレーズに思えた次第。逆から考えるとわかりやすい。つまり、誰もが短時間で習得できるようなもものはら価値がない、ということになる。だから長い年月をかけて習得したものほど、ほかの人には追い付けないことになるともいえそうだ。独自に身につけた技術であるほど、武器になる確率は高いだろう。
だから、何ごともスピーディーに身につけばいいということではなさそうだ。一週間だけ勉強して取れるような資格ならそれほど価値もないだろう。またその資格でお金儲けは無理に違いない。
習得に時間がかかっても好きでやっていることが大事なようだ。例えば、英語が好きで長年それに時間を費やした人はそれなりに武器になっているはず。途中で中断してあきらめた人は武器にはならないだろう。
かけた時間があとでパワーとなっていく。つまりそれが自分の強みともなる。ある程度のところで妥協しているうちは武器にはならない。
やや話はそれるが、いろいろなものでプロ級とかプロレベルという人はかなりいるだろうが、本物のプロとして長年やっていくのはごく一部の人たちだ。野球でいえば、引退するまで一軍でレギュラーであり続ける選手はそうそう多くはないだろう・・・な。