人間、飢えてりゃ芸術なんて関係ない・・・

アキレスと亀」(北野武監督映画)より。

たまたま昨日アートということについて触れたら、昨日観た映画では売れない画家が主人公だったので上記セリフが気になった次第。若者二人に向かって屋台のおでん屋のオヤジ(大竹まこと)が発していた言葉だった。
飲みながら芸術がどうのこうのというような話をしていると、それを聞いていたオヤジが「飢えているアフリカで絵画とおにぎりを差し出したらどっちをとると思う?」というようなことを若者に問いかける。
もちろん答えは明白なことだが。生きるか死ぬかという究極な状態では芸術などなんの役にも立たない、ということが言いたかったのだろう。それでも、若者には芸術を目指していこうという狂気じみた者もいるかもしれない。
この映画の中では何人もが死んでいく、そのたびに続けていく芸術との比較がされているようだ。常識的で平安で当り前の生活からはインパクトがある作品が生まれないのだろうか、というような疑問さえ提示されているようだ。
実際は必ずしもそうではないとは思うが。中にはかなり普通の生活とはかけ離れ絵画ほか芸術作品の制作にのめりこんでしまう人も多いのだろうな、と思わせられる。それはそれで幸せなんだろうが、その前にきっちり生活できるということが前提でもあるな。