この喜びは今日で忘れよう・・・

R25」2008.8.21号より。
普通ならうれしいことがあったら、できるだけ長く浸っていたいと思うもの。しかし、彼は“いつまでも喜んでいたら次に行けないなと思った、”という。彼とはかつて映画で日本アカデミー賞ゴールデンアロー賞ブルーリボン賞、日本映画批評家協会賞、毎日映画コンクールの各新人賞の計5冠を受賞したあとでの中村獅童の思いだった。
だから、その役のあと悪役のオファーをたくさんもらったものの、やらなかったという。安易に役には就かなかったのだ。型にはまらない役柄をバランスよく演じていきたいと思ったのだ。それが、後に幅広い現在の活躍につながってきたのだろう。
並みの役者ではない。もともと歌舞伎役者で家柄も申し分なかった。幼いころから日舞長唄などを習っていた。そして初舞台は8歳というから芸歴は長い。歌舞伎のほかに現代劇の舞台にも映画にも出演している。
私が最近観た映画では、ジェット・リーと共演した「SPIRIT」や「硫黄島からの手紙」があった。かなり国際的な映画にも強そうな感じがする。しかし役者の仕事以外のところでも注目を浴びやすい男でもあるかな。
もう20年近く前に仕事でこの獅童のお祖母さんと何度も会っていたのを思い出した。そこころまだ彼も十代だったろうか。玄関には歌舞伎役者の子役としての写真が数枚か飾られていたのを思い出す。そして孫の獅童と教えられたがまだ知名度はそれほどなかった。
その後これほど存在感のある役者になるとはちょっとおどろき・・・。彼は真剣にできることは芝居だけという。うれしいことがあっても、そうそういつまでも喜んでいられないのだろう。常に先を見ようとしている。役者魂だろうか・・・

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自分にエネルギーを与えてくれるアイテムを見つける。
フロイトで自己管理」齋藤孝著より。
               
なぜか持っているだけで癒されたり、気持が落ち着いたり、安心感が持てる。そんなものを持っているだろうか。また自分のモチベーションが上がるようなものがあればなお嬉しい。
筆者には面白い実例があった。それは「イチローモデル」というイチロー仕様のグローブだった。それで子どもとキャッチボールをやると捕りやすいばかりでなくイチローの卓越した技術までこちらに乗り移ってくるような感覚(錯覚)に浸れるらしい。そんなことが、キャッチボールを続けようというモチベーションにつながっているのだろう。実にいい思い込みでもありそうだ。
自分の身の回りを眺めてみると様々なものを身につけている。筆記具、財布、カレンダー、手帳、メモ帳、パスケース、バッグ、さらにネクタイやタイピンなのどの小物までまだまだいろいろとある。
そんなものの中で、最も手になじむのはいつも使っている安いボールペンかもしれない。エネルギーやパワーをまではいかないが、そのゲル状のボールペンだと力を入れなくてもすらすらとメモをとりやすい。
その滑るような感覚が気に入っている。あまりにも滑らかで書きやすいので書いた文字(もともと悪筆だが)が自分でも読めなくなるほどだ。そのインキの芯だけでも何十本買い換えたかもわからない。逆にそのペンが身近にないとちょっとしたメモさえ億劫になってしまう。
自分にとってのラッキー・アイテム・・・・・これから探してみたいもの。たとえ思い込みでも錯覚でもいいが。