四割の顧客を摑むために、六割の市場を捨てる・・・

「プレジデント」2008.8.4号より。
アサヒビール社長の荻田伍氏が2002年当時、赤字続きだったアサヒ飲料へ行くよう命じられた。その時苦しい状況を打開するために、仲間とともに考え抜いたことが上記フレーズだった。
しかし、言葉で伝えたところでなかなか人は動くものではない。そこで、苦境に陥ったメーカーを立て直すのは、何をおいても商品だと悟ったのだ。それは二十数年前にアサヒビールが経験したことが生きている。
「コクキレビール」「スーパードライ」の大ヒットで息を吹き返していたからだ。アサヒ飲料では、主力商品の缶コーヒーを立て直すことが劣性を挽回できると考えたのだ。
そして、「ワンダ」を再生することにした。調査の結果、缶コーヒーの四割以上は朝飲まれていることがわかった。だったら、朝飲まれるコーヒーをつくろうということになった。そのかわり昼間、夕方に飲まれなくてもいいと思ったという。
朝飲まれることを強調しようと決めて、新商品は「ワンダモーニングショット」として売り出し、市場でも好評を博しているという。つまり、このヒットで現場にも活気が戻りアサヒ飲料は正のサイクルに入ることができた。
時には常識では考えられない、思いきった決断がその後の苦境を打開することもあることがわかってくる。そして何よりも小さな成功体験の力が大きいことがうかがえる。

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ビジネスマンこそイノベーターたれ。
「プレジデント」2008.8.4号より。
科学の特徴は「あらかじめ進歩が組み込まれた文化だ」と江崎玲於奈氏は言う。コンピューター、インターネットの進歩は目ざましい。現代のビジネスマンも、常にブレークスルーを追い求める科学者のようであるべきだと述べている。
挑戦には当然リスクが伴うものだが、それで成功しても失敗しても得るものはあるはずだともいう。江崎氏自身の体験からも数多くの失敗から多くのことを学ぶことができたと振り返る。
若いころは真空管の研究をしていたが、いち早く見切りをつけ、その後20世紀最大の発明であるトランジスタの研究に打ち込んだことが大きな嗅覚につながったようだ。半導体におけるトンネル効果を発見したことで成功し、1973年にノーベル物理学賞を授賞している。
その後、米国へ渡ったとき、アレクサンダー・グラハム・ベルの胸像に刻まれた次の言葉に感銘を受けている。「時には踏みならされた道を離れ、森の中に入ってみなさい。・・・きっと新しいものを見出すに違いありません。」
そして、氏は米国の「森の中」へ飛び込んでみようと決心している。そして、自身としてはむしろそこでの研究成果のほうがノーベル賞を授賞した時の発見よりも大きいと感じているようだと確信している。

イノベーター とは辞書では「 革新者。新しい動向のつくり手。」となっている。日々ルーティーンワークだけでマンネリに陥っている自分を反省せねばな・・・


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わざとすきま時間をつくるという発想・・・
「プレジデント」2008.8.4号より。
学生時代の勉強というと、なんだか義務的で疲れやすくいやなものだった。今でも勉強嫌いは続いているが。勉強の達人たちによれば、「大人の勉強」のよさは自分で学び方を選べるところだという。そのため「ラクラク」続けられる仕組みをつくるのが大事らしい。
いかに「つらく、苦しいもの」から離れるかがポイントのようだ。当然ながら苦しみながら無理をしようと思えば、長続きしない。勉強の習慣化は一度にたくさん勉強せず、疲れる前にやめるのがコツだともいう。30分を300日やれば150時間の時間を確保したことになるようだ。
その30分を一日のどこでつくるかが問題だが。またその前に何を勉強するかがないといけない。一年というより、3か月サイクルの勉強法も飽きない仕組みのようだ。ある関連ある勉強を3か月単位に集中してやるということになる。
また学んだことを人に教えるというのも、自分の知識を定着できる方法らしい。確かに人に説明できるほどなら自分でも理解していることだろう。また同時に新たな発見もありそうだ。
電車を一本やりすごして、わざとすきま時間を作るのも悪くない。時どき喫茶店で勉強に集中している人も見かけるな。見習ってもいいかも・・・