「ヤマ勘」と「直観力」との決定的な違い・・・

「そのとき選手が変わった!」児玉光雄著より。
サッカー監督の岡田武史が「監督の仕事のいちばん重要なことは“決断”すること」だと述べている。もちろんその決断が正しいか間違っているかは結果が出てみなければわからない。それは論理や理屈ではないという。
その時大事なのは直観力になってくるようだ。それはキャリアに裏付けられたものだった。一方、「ヤマ勘」の場合はキャリアとは関係なく責任もない。むしろ気まぐれな発想でもあった。
キャリアを積んだ人間の方が当たる確率は高くなる。正しい直感を働かせるためには、データは重要ではあるが、むしろそれに縛られないことがポイントのようだ。
当然、机の前で唸っていても直観は浮かびあがってこない。体を動かしているときなど場所を選ばすに浮かんでくるもの。そのためには、常に問題点を念頭に置いておくことかな・・・

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「コーチ」の語源は「馬車」・・・

「そのとき選手が変わった!」児玉光雄著より。
コーチは御者だった。しかし選手は「馬」ではなかった。よく、忙しいと馬車馬のように働かされいてる、といった表現を耳にするが、選手は「お客」だった。
つまり「お客」である選手の行きたい場所に連れていくのがコーチの役割ということになる。しばしばコーチが選手を育てるともいわれるが、むしろ選手の悩みに的確なアドバイスを与え、選手の進歩を手助けするというほうが正解のようだ。
メジャーリーグではコーチはバッティングケージでバッターの打ったボールをバケツに拾ってブルペンまで運ぶ作業をしているという。そんな現場を見たことはないが、本当のコーチは裏方に徹して環境を整えているのかも。
むしろ、あっちが悪い、こっちが悪いと欠点ばかり指摘するのは本来のコーチの役割ではないようだ。コーチはいつも縁の下の力持ちになれるかどうかかもしれない・・・な。


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夢を実現するためのマジックなどない・・・

「そのとき選手が変わった!」児玉光雄著より。
ごく当り前のこのフレーズだが、千葉ロッテのバレンタイン監督が言うと、なんだか意味があるように思えてくる。確かにかつては低迷していたチームを活性化させ強化できたのはバレンタイン監督のリーダーシップなしにはあり得ないだろう。それはマジックのようにも思えたものだ。
彼は現実を無視した軌跡はない、もし奇跡を起こすとすれば、それは「現実的な努力」だけだともいう。「現実的になる」とは、目標を立てて努力することだった。
バレンタインの監督歴は長い。メジャーリーガーだった23歳のときに、試合中外野フェンスに激突して右足を骨折し、故障者リスト入りして、ポジションをチームメイトに奪われていた。結果として様々なポジションを経験したことが監督としての資質を高めるのに役立っているようだ。
27歳の時マイナーの選手兼監督をしている。35歳の若さでテキサス・レンジャーズの監督を務めて、低迷していたチームを立ち直らせ、2年目でリーグ2位になり最優秀監督賞を受賞していた。
95年にロッテで監督を経験してたも1年間だけで去っている。ところが96年ニューヨーク・メッツの監督に就任し、その年のワールドシリーズに進出していた。
その後再びロッテの監督となり05年には31年ぶりのリーグ優勝、日本シリーズでも優勝していた。バレンタインの勝利に導くキーワードは「一体感」だった。だから、チームをファミリーとも呼んでいるようだ。

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リーダーはやる気をなくしているメンバーのカウンセラー。


「そのとき選手が変わった!」児玉光雄著より。

「プロジェクトがうまく運んでいるとき、リーダーは居眠りしていればよい」というのは、実に逆説的な表現で面白い。問題なのは、プロジェクトがうまくいってないときだった。
そんなときメンバーのモチベーションをどれだけ引き上げられるかでリーダーの手腕は試されているのだ。全体的にみて、成果が上がってないときでも、全員がそろってダメというわけでもない。中にはきっちりと成果を上げているメンバーもいるもの。
そんな有能なメンバーを褒めることは誰にでもできる。むしろ成果が上がらず、落胆しているメンバーに対してどうしたら長所を引き出せるかの方が重要だったのだ。
つまりそれがタイトルにあげたフレーズ「リーダーはやる気をなくしているメンバーのカウンセラー」ということになる。リーダーはメンバーの長所を見つける観察眼も必要になってくるかな。欠点の指摘や批判なら素人でもできるし・・・