すべての開発の歴史は「交流」と「組み合わせ」がかぎになっている。

朝日新聞、土曜版」2008.7.12付けより。
これは“ゴーン道場”というコーナーでのカルロス・ゴーンさんの言葉だった。「仕事や研究を飛躍的に進化させるイノベーション(革新)はどうすれば生まれますか?」ということの質問に対して答えている部分にあったもの。
ゴーンさんは「革新の大半は異なる領域同士の交流から生み出されます」と答えている。その言葉を別の表現で繰り返しているのが上記フレーズだった。
例として「iPod」を世に送り出したスティーブ・ジョブズを引き合いに出していた。ジョブズは創業したコンピューター会社(アップル)を離れ、アニメーション会社を経営するようになったことが「iPod」誕生に大いに影響しているようだと考えている。
ゴーンさんは「iPod」は世界最大の革新だととも述べているが、これは異なる経験がひらめきにつながったからのようだ。だから、研究者がコツコツと続ける研究も大事だろうが、同時に週末に友人と交わす何気ない会話から革新が生まれる可能性があるとも述べている。
あまり堅苦しく考えるよりも、むしろふっと息を抜いたところにこそ意外な解答が待ちかま得ているのかもしれないな。もっとも、昔から新製品のアイデアはいろいろなものの組み合わせからとはいわれている。しかし、もっと大きなイノベーションと言われるような開発はそれだけではモノ足りないのだろうな。



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「アウトにならない技術」が重視されるようになった。
朝日新聞、土曜版」2008.7.12付けより。
現在メジャーリーグカブスで活躍している福留孝介選手についての評価が掲載されていた。今年移籍していきなりオールスターのファン投票(ナショナルリーグ外野手部門)で選ばれたのはそれなりに全米で素晴らしい評価を得ている何よりの証拠でもあろう。
開幕戦での同点本塁打など派手な活躍は印象深いが、何よりも福留らしさが出ているのは出塁率の高さのようだ。4割前後で推移してして、カブスではトップで、な・リーグでも上位だった。
それは当然ながら選球眼がよく我慢強くて四球を選べるからだった。こんなこともカブスが首位を走っている原動力ともいえそうだ。打率は2割8分5厘はそれほど目立たない。かつて日本では出塁率がいいという理由ではそれほど高い評価は得られなかったと思える。
通常打者の紹介時には打率、打点、本塁打だが、ニューヨークのあるテレビ局ではそのほか出塁率の数字まで示しているという。安打を多く打って打率をあげたところで、アウトが多ければ出塁率はあがらない。つまり勝利への貢献度では四球を選んだほうが評価されるようだ。
松井秀喜選手も故障に泣かされているが、出塁率は高いほうだ。(膝の手術で今季絶望は残念!)今後は日本人選手は出塁率が高いことでメジャーでは高い評価を受けそうだ。時代の流れで評価基準が変わってきつつあることが感じられる。
そういえば、会社などでの評価基準も時代によって変わるもの。バブル経済全盛期のころは成果主義とかいって結果だけがかなり重きを置かれて評価されてきたが、その弊害も多く指摘されたことも事実だな。
また年功序列や終身雇用制度も過去の言葉になってしまったかな。「アウトにならない技術」・・・勤め人だったら失敗(ヘマ)をしない技術ともなるのだろうか。でも、「可もなく不可もなく」、「細く長く」、「遅れず休まず働かず」も難しそうだが・・・