「(自分で)ケガと言わなければケガじゃない」

日経新聞、夕刊」2008.5.21付けより。

かつて日本のプロ野球界では鉄人と言われれば衣笠氏だった。しかし平成の鉄人ともいわれているのが金本(阪神)だ。上記は彼自身の言葉だった。どんな故障を抱えていてもグランドに立ち続けている。しかもこれは誰にも真似ができないことだ。
今年の4月3日の誕生日で40才になったのだがまったく歳を感じさせない。本人が最も誇りにするのが連続フルイニング出場だろう。2006年4月9日にはカル・リプケンの記録を抜いて、"904試合連続フルイニング出場"の世界新記録を達成した。この記録は現在も継続中で1229試合(この新聞の発行日前日まで)となっている。
名門広陵高から希望大学に進めず(本人は法政大学に進学希望だったようだが)、一浪して当時はまだ無名の東北福祉大へ入学していた。4年生の時に大学選手権優勝に貢献している。ドラフトは91年、広島の外れ4位。しかも当時のカープ首脳陣には「おまえは本塁打を打たんでいい。転がして足を生かせ」と指導されていたのだ。
ところが反骨心が才能を伸ばしたのだ。その証拠には今月13日には史上15人目の400本塁打を記録している。また4月には史上37人目の2000本安打も達成していた。さまざまな記録は金本を奮い立たせてくれるという。まったく衰えを感じさせない気力と体力ははいつまで続くのだろうか。