「思い出の危機」

朝日新聞、日曜版」2008.3.16付けより。
今月半ばに新聞で見かけた“心体観測”というコラムのなかにあった、上記フレーズがなぜか気になっていた。今まであまり“思い出が危機に陥る”なんて考えたこともなかった。
パソコンをはじめとするデジタル機器はどんどん進化し続けている。デジカメにしても10年前のものと比べると価格は安くなっているのに、高性能、高機能になっている。
デジカメやケータイについているデジカメはすべて印刷する必要もないので、お気楽にいくらでも撮れてしまう。だから、ファイルがどんどんたまってしまって、その整理をしようという気にもならなくなてしまった。
それがいいのか悪いのか。その時はパソコンの画面で画像を見られるのはいいが、きちっと仕分け、整理するとなるとかなり億劫にも感じられる。また、動画なら8ミリビデオ、VHS、DVDに残したものも、10年先、20年先には同じ形式で見られる保証はない。せっかくの思い出として撮りためたものが、見られなくなる可能性もある。
むしろ思い出を確認するなら、昔子どもの頃や学生時代に撮りアルバムに貼った写真を眺めるのが手っ取り早い。今では普通のカメラで写真を撮りアルバムに整理するという習慣がなくなったので、将来ますます思い出に浸ることは難しくなりそうだ。
初めてデジカメを買ったのはもう10年以上前だが、かなりの量がファイルのまま残っている。それらはパソコンのハードディスク、フロッピーディスク、CD-ROM、USBスティック、SDカードなどにばらばらに保存されているだけだ。それらを今さら見直す気にもならない。見返して確認する時間ももったいないし。
自分だけの貴重な思い出は決して人任せにはできない。今後とも残そうと思えば、結局自分で判断しなければならない。最新のものはお手軽に見られても、古くなるほど思い出は危ういかな〜〜


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目の前の仕事を深掘りしていける能力・・・
週刊東洋経済」2008.3.8号より。
(これも前日の関連になる)
2006年に日本に上陸オープンしたクリスピー・クリーム・ドーナッツのお店はどこも大繁盛している。時どき新宿南口店の前を通るが、常に100人から200人が長蛇の列を作っている。
その会社のリヴァンプ代表パートナーの澤田貴司氏が「地頭力とはなにか?」という質問に対して答えたのが上記のフレーズだった。
もし仕事が単調でつまらないと思えるなら、それは仕事のせいではなく仕事を深掘りしてない自分に責任があると述べている。深堀りするとは、どうすればもっと強力な商品を作れるか、どうやれば競合企業に勝てるか、などを考えることらしい。
ということは、どんな仕事も創意工夫次第で面白くすることもできるということだろう。実際仕事そのものもそうだが、その周辺に解決すべき課題が見つかるかもしれない。
それが見えてきて解決できれば仕事はやりがいもあるし楽しいだろうな。<自分で課題を見つける>→<それに対して自分なりの回答を導き出す>←実に地頭力が必要そうだ!


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「まあまあ」のサービスなんてありえない。
「スピード顧客満足中谷彰宏著より。
お店や施設でなにかサービスされて、「まあまあかな」と感じることはある。でもそれでは本当の満足を得られたわけでもない。レストランで食事をしても、味がまあまあ、だと感じるのはその価格ならその程度でもしょうがないな、というあきらめも含まれていそうだ。
しかし、本当の満足はこんな価格でもすごいと思えるサービスをしてもらった時ではないだろうか。コンビニだから、ファミレスだからこの程度でいい、と思っていたらきっとサービスはもっと低下するだろう。
やはりサービスがいいと感じられればリピーターは増えるもの。ディズニーリゾートはリピーターに来てもらいからさまざまなサービスや工夫をしているのだろう。
先日、家族で地元のファミレスにランチに行った時のこと。喫煙席なら空いていたが、娘が特に煙が嫌いなので禁煙席を希望して待つことにした。しばらくするとウェイトレスが次のように言った。
「喫煙席が空きましたが、すぐ隣が喫煙席ですがどうされますか?」(その店は別に喫煙、禁煙のコーナーが壁で仕切られているわけではなかった)
ただ禁煙席が空いたからといって案内したわけではなかった。そのうち喫煙席にもお客さんが減ってきたので、そこに座ることにした。そしてオーダーをして待っていた。
料理がまだ運ばれる前に、ウェイトレスは「あちらの方が空きましたのでいかがですか?」と言って、より喫煙席から離れた席を案内してくれたのだ。実に気を利かせたサービスだと思えた次第。これは、確かに“まあまあ”のサービスではなかったな。


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「負け犬」世代は「おひとりさま」予備軍・・・
「メトロポリターナ」2008.3.16日発行より。
こう語っているのは昨年『おひとりさまの老後』というちょっとドキッとするようなタイトルの本を書いた上野千鶴子さんだ。半年間で60万部を超える大ベストセラーのようだ。この方は東大大学院教授で社会学者だった。
かなり以前流行った言葉に「負け犬」というのがあったがこれは『負け犬の遠吠え』(酒井順子著)からのものだった。要するに「夫なし、子なし、30代」の女性をさしていた。
上野さんはこの立場の人がそのままず〜っとシングルのままなら「おひとりさま」になるという。また結婚しても、50代、60代になれば離婚や死別でシングル・アゲイン(この言い方も面白いが)になる人も増えてくるという。
おふたりさま、だって不安がないわけでもないだろう。おひとりさまだけの特権だって多いはず。何と言っても拘束のない自由がある。「おひとりさま」と「おふたりさま」のどちらがいいかなんて条件次第でコロコロ変わりそうなきもするが。
20代、30代から結婚生活をスタートしたとしても、人生そうそうすんなりとは進めるとは限らないだろう。子供が素直に育つとは限らないし、家族が増えるほど心配は増えるかもしれない。責任も負担もひとりに比べれば数倍大きくなってくるし。
筆者の上野さんは中高年の女性を読者に想定して書いたらしいが、20代、30代のシングル女性にも多くの読者がいるという。この本を読んでますますシングルであることに自信をつけるのだろうか・・・

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好タイム続出の陰に“仕事人”の存在。
R25」2008.3.19号より。
これはマラソンのペースメーカーのことを指していた。彼らのミッションは、参加選手が牽制し合ってスローペースにならないように、主に30キロまでレースを作ることだった。一定のペースでレースを先導することで、選手の負担を減らし、風よけにもなるという。
ここに“豆知識”があった。今ではメジャーなマラソンレースには必ずといっていいほど存在するようだ。エージェントから3人1セットで派遣され、30キロまでレースを作る、などだった。
そういえば、今年の2月17日東京マラソンをスタートから約1キロ地点で観戦したが、その際も先頭を走ってきたのは4,5人の黒人選手だった。招待選手だろうかと勘違いしていた。
5人のうち3人はフルマラソンで2時間8〜9分台のタイムを持つほどの実力者だったのだ。彼らは選手としてよりも、確実にギャラを手にできる仕事をしていたのだ。
海外ではペースメーカーとしての実力さえあれば、1レースで2万ドル(約210万円)以上も稼げるという。実に限られた陰の仕事人ではあるが、できる年齢は限られそうだな。