「爆笑問題」の危機管理。

「伝える力」池上彰著より。
これはフレーズというより、ある一つの項目のタイトルだった。もうこれだけで内容が気になってしまう。あのお笑いコンビの「爆笑問題」と「危機管理」が一体どういう関係があるのだろうと。
池上さんがある番組で、彼らと一緒になったとき。タレントをからかうコーナーで、映画化された『東京タワー』の話題になったという。そして、この役は誰さん、この役は○○と進んでいって、最後に「なお東京タワーの役は和田アキ子さんです」と太田が言ったら、ウケたようだ。
そのとき、すかさず横の田中が「おまえ、アッコさんこの番組みてるんだぞ」とツッコミを入れたという。つまりこのひと言が、彼らの危機管理だったのだ。
もし、芸能界の先輩後輩にうるさい、大御所の和田アキ子がこれを聞いたら問題になるかもしれないという危機を回避したのだ。つまり心のなかでは「太田、その発言はマズイよ。和田さん失礼しました」という意味合いを込めたというわけだ。
この場合、ツッコミは言い訳でもあった。お笑いはつかみが大事なことだろうが、またこんな危機管理の意識を持つことも忘れてはならないのだろうな。お笑いだからと、何を言っても許されるわけではないようだな〜


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愛情がないと、強いことやキツイことはなかなか言えません。
「伝える力」池上彰著より。
「厳しいことを言うようだがそれはお前のためだから」などと言って、子供や部下に対して忠告する場面を思い浮かべてしまうが、ここではそうではなかった。
芸能人の中には毒舌で売る人は多い。立川談志ビートたけし毒蝮三太夫綾小路きみまろ大竹まこと・・・。聞かされる方は、これらの人たちは面白いことをいう人だからという前提があるからこそ、言われた方もほとんど気分を害さないであろう。
舞台の上で、きみまろさんが「失敗は顔だけで十分」「きれいな方ばっかり・・・首から下が」といっても、会場は大笑いするばかり。これはお客さんが笑うために足を運んでいるから当然だろう。
また公開ラジオ番組では毒蝮さんが「ババア、まだ生きてんのか。くたばりぞこない」という毒舌を吐いても、言われた当人は声をかけられたということだけで大喜びしている。もう単なるワンパターンの掛け声やセリフとなっているようだ。
ところが、一般人が職場の女性に「失敗は顔だけで・・・」などと言ったら、大変なことになってしまう。ということは、逆にいえば失礼なことを言っても嫌われないほどの人柄がにじみ出ているって、かなりスゴイことかも・・・(この根底には愛情があるからかだろうか)


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インターネットに流通している情報は基本的には「死んだ情報」。
「伝える力」池上彰著より。
ビジネスではしばしば報告書、提案書、企画書などを書く機会もあるだろう。そんなとき、今ではかなり簡単に情報を検索して文章を作ることもできる。本で調べるよりはるかにスピードアップできる。
しかし、それにばかり頼りすぎると、あまりオリジナリティーがなくなりそうです。読んでいて面白く、迫力が感じられるのは、やはり自分で実際に体験したことや、調べ上げて考えをまとめたものですね。
また自分ではオリジナルと思ってはいても、たいていは既にどこかにあるものと似てしまったり。人の考えることはそれだけ似かよっているということかも。簡単に手に入る情報は簡単に忘れ去られてしまうかも。
インターネットを眺めていて、自分にとっては新たに目にした情報だと思えることも、もうすでに数千、数万人がそれまで、または同時にどこかで眺めているのですね。ネットは伝わるのも早いですが、その情報が過去のものとなるのも早い!