イグノーベル賞

2007年
化学賞:ウシの排泄物からバニラの香り成分「バニリン」を抽出した研究 - 山本麻由(国立国際医療センター研究所研究員(研究発表当時・2004年))


永島敏行・・農業コンサルタント・・・軍人・・・意外性と納得性.朝日新聞ホームページ「どらく」

\\\\\///////////////////////////////////////////////////


自分の感覚を信じると同時に疑うまなざし・・・

「相鉄瓦版」2007年10月号より。
数日前から朝雨戸をあけるとほのかなキンモクセイの匂いが部屋に流れ込んでくる。庭先にはオレンジ色のつぶつぶの花が満開に咲いている。この匂いが街にただようと秋の深まりを感じるもの。
フレーズにあげた感覚とは調香師としての感覚を指していた。別な表現では「常に主観を疑う能力」とも言っている。これができるのがプロというものだろう。これは長年、香料の研究をしている立川一義さんのインタビュー記事だった。
さて、ここに面白い例があった。一般人はジャスミンの香りをひとかたまりの香りとして認識している。ところが、ジャスミンの場合200種類ほどの成分で構成されているという。その中には「インドール」という糞便のにおいのもとになっている成分も含まれているようだ。
単体では嫌なにおいでも、この成分を抜いてしまうとジャスミンの香りが成立しなくなってしまうのだ。そういえば、数日前に発表された「イグノーベル賞」を思い出した。ほぼ似たような発見で受賞していたな。
2007年「イグノーベル 化学賞」:ウシの排泄物からバニラの香り成分「バニリン」を抽出した研究 - 山本麻由(国立国際医療センター研究所研究員)
蛇足
イグノーベル賞 (Ig Nobel Prize) とは、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞である。

ノーベル賞のパロディ的な賞で、1991年に創設された。イグノーベルの名は、「ノーベル賞」に反語的な意味合いの接頭辞を加えたもじりであると共に、「卑劣な、あさましい」を意味する"ignoble"と掛けている。(出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
常識を疑い、新しい技術や発想を必死に探し求める・・・
「相鉄瓦版」2007年10月号より。
なんだか前日取り上げたフレーズとよく似ている。実はこの号の特集は“相鉄線沿線で出会った街の達人”というものだった。出会ったとは言っても当然探したのであろうが。
エンジニアの畔柳(くろやなぎ)富士夫さんの話があった。氏ははじめレーシングカーを製作する会社に勤務している。今はエンジン付き自転車の製造、販売などに従事している。
F1の世界では、レースの度に新しいマシンが登場しているという。その目まぐるしい進歩は、昨日までの非常識が今日からは常識になる可能性を秘めているようだ。
だから、トップチームの人たちといえども決してその座にあぐらをかいたりはできないのだ。そこで、タイトルにあげたフレーズの“常識を疑い、新しい技術や発想を必死に探し求める”という姿勢が大事だということになる。
やはりプロで達人といわれる人は、(昨日も触れた調香師の立川さん同様)常に今の自分の感覚や常識と戦う姿勢を忘れていないことにも気付かされる。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
すぐにでも脱ぎたくなるような窮屈な靴のほうがおおむね好タイムが出ます。
「相鉄瓦版」2007年10月号より。
こう言っているのは、なんと前日取り上げたエンジニアの畔柳さんだった。エンジニアは表の顔で意外な仕事も引き受けていたのだ。
それはなんとオーダーメイドのスピードスケートの靴作りだった。カーレースもスピードスケートも直線やコーナーからなるコースを走ることでは似ている。
長野五輪の際には清水宏保選手のものを含め、五足分ほどを手掛けたという。スピードスケートのトップ選手は、時速60キロメートルものスピードでコーナーを曲がるという。その状況で靴の中の指が1ミリでも動けば、命取りになりかねない。
だからこそ、窮屈な靴を作りあげるのだという。そして好結果がでるのはそんな靴だったのだ。畔柳さんが手がける靴は選手の足型をとった石こうをつくり、それをもとに革やナイロンを縫製し、靴底部分のカーボンを縫い合わせるまでが仕事だった。
仕事って意外なところから舞い込むこともあるもだな〜〜〜(とはいってもこのスケート靴作りでは採算が取れないらしいがやりがいはあるかも)