仕事で仕事の疲れを癒す、という不思議な生活を送る人がいる。

「メトロポリターナ」2007.7.15号より。
一見不思議な感じもするこの人は佐藤さんといって、ふだんはサラリーマンをしている。そして、土日祝日だけの週末は店主として働いていたのだ。しかもそれはアンティーク・トイ・ショップで、かなりマニアックな趣味のコレクションを販売することだった。
ご本人もこの店を副業として稼ぎたいという欲はそれほどないようだ。店は下北沢の商店街の外れにあった。室内には懐かしい昭和のヒーローやモンスターが大量に並んでいる。たとえば、何種類もの仮面ライダーゴジラのフィギアなど。さらにミニチュアの家具やオリジナル小物グッズまで揃っている。
きっと店に来る同じような趣味の人たちとのコミュニケーションが、ウィークデイに会社に行く時のリフレッシュになるようだ。趣味とちょっとした実益を兼ねているとも言えそうでもあるな。この店の名前は「しもきた九龍城」という。
ということは、まさに佐藤さんは城主ということになるか。家以外のところに自分の城を持てるってかなり贅沢な気もするが。かつて、“週末起業”なる言葉が流行った時期があったが、週末店主も似たようなものだろうか。
ポイントはそれで稼いで生活の足しにしようと思わず、あくまでも気分転換の道楽程度で継続することかもしれない。でなければ、ストレス解消に別の仕事をするって気にもならないでしょうからね。


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タイタニック号の鉄片を使った時計・・・
日経ビジネスアソシエ」2007.08.07号より。
これは「ニュースの裏を読む」(蟹瀬誠一)というコラムにあったフレーズ。世の中には人が思いつかないことで大きなビジネスを考える人がいるもの。ただしそう考えただけでは絵に描いた餅と一緒だ。それを実行するからこそビジネスになるのだろう。
身近にあるものも付加価値によって別ものに生まれ変わってしまう。たとえば、ここでの例ではスイスの高級時計メーカーがなんと1912年に沈没したタイタニック号の船体の一部の金属1.5kgを購入したのだ。その鉄片を素材にして作った腕時計を販売するという。
販売個数は世界で2012個限定で発売は2012年らしい。その年が沈没から100年になるからだった。こんなふうにタイミング、素材の希少価値、限定数量などでいろいろな付加価値がついてくる。時計マニアでなくても、タイタニックの映画を見た人ならけっこう欲しくなるかもしれない。
ただし、価格は100万円から2000万円ほどらしいが。それでも、おそらく発売前にはすべて予約されてしまうのではないだろうか。それは100年前の歴史的事件が自分の手の中で時を刻んでいたら、と多くの人が想像して欲しくなるからだ。
たとえの話ではあるが、原価が10万円であろうと付加価値が高ければ100万円にも2000万円にもなってしまう。もしかしたら、もっと高くてもいいから欲しいという人がいるかも。
さて、ものにはこんなふうに付加価値によって商品価値が高まるものが多い。身近なものではブランド物のファッションなどもそうだろう。有名な誰それが持っていたからとか。付加価値を創造するためにはまず想像力・・・かな。


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我々は「水」への感受性について他国に比して人一倍ナイーブ・・・
「さんずいあそび」別役実著より。
ちょっと分厚い単行本を久しぶりに時間をかけて味わいながら読んだ気がする。“さんずい”が使われた漢字に関するエッセイだった。この本の前には「さんずいずくし」というのが書かれていた。
“さんずい”を使った文字は実に多いことに気づいたが、ここには60個ほどが取り上げられていた。“さんずい”といって私がまず連想してしまったことは“汚職”だった。意外に思われるかもしれない。それは、若い頃よく推理小説を読んでいたせいでもある。
そこでは、警察が登場するような場面では、サンズイといえばイコール汚職事件を意味していたからからだった。恐らく刑事小説などを読まれる人なら頷かれるかもしれない。たとえば、『汚職捜査―警視庁サンズイ別動班 』(姉小路 祐【著】)なんていうのもあるくらい。
話がそれてしまった。こんなことまで連想するのはかえって特殊かもしれない。むしろ一般的には水に関連した海、泡、波、沼、泳、滝、汁、汗、港・・・などだろう。しかし、中には水と一見するとほとんど関係なさそうなものにまで“さんんずい”はついている。注、泊、派、泥、漢、法、涯、溝、滋・・・と、いろいろある。
日本はとくに雨の量が多いとか少ないとかで、生活への影響が大きい。また国自体も海に囲まれた島国でもあるし、水とは縁が深そうだ。水田を耕してきた農耕民族とも関係がありそうだが。
また近年では水の汚染などにも敏感になっている。よく「水清ければ魚棲まず」とはいうものの濁り過ぎても魚は棲みにくいだろうな。やはり“さんずい”がいろんな漢字に使われているのは日本が水の国だからだろうか・・・(関係ないかも)

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役者を評する言葉に、「渋い」というのがある。
「さんずいあそび」
筆者はもともと劇作家であるから、「渋」という漢字から役者のことをとっさに連想したのかもしれない。これは「渋い二枚目」とか「渋い脇役」というように使われる。
一般的には「渋い」は地味であったり、くすんでいたり負の印象が与えるもの。しかし、役者の場合はそうではなくむしろその逆だった。単なる「二枚目」より「渋い二枚目」といわれたほうが、役者としては重々しさや味わいのようなものを付与された気がして喜ぶらしい。
これは、「いい男」よりも「苦みばしったいい男」という言い方と同じようなものになる。また「渋い〜」は、ほぼイコールで「いぶし銀のような〜」ということにもなるだろう。この「いぶし銀」には「輝きでは勝負するつもりはないよ」という決意表明がある、と別役氏は述べている。実に面白い。要するに派手さでは対抗しないということだ。
そこで思い出すのは、かつてジャイアンツ時代に犠打で世界一を達成した川井選手のことだった。その後現役続行を希望してドラゴンズに移籍してからも記録を伸ばし続けていた。
彼の場合は体力的にも打点や打率では勝負せず、自らをもっとも活かせる道を犠打と決めてそれを徹底して追求した結果、世界一に到達できたのだろう。いぶし銀とはいえ、その時はピカピカに輝いていたな。
なんだか、思い出しながら書いているうちに、役者の話から野球選手の話題になってしまった。いずれにしても、実力でファンをつかみパフォーマンスが大事な人気商売にはちがいない・・・かも。

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有害物質混入で高まる「中国産」への不信・・・
日経ビジネスアソシエ」2007.08.07号より。
昨夜のウェブニュースには次のような記事があった。「中国やインドなどの発展途上国で生産された食品や薬品の安全性に疑問を抱く米国民が6割を超えることが、米企業のオンライン世論調査で19日分かった。」
ところが、もはや、日本は中国製品抜きの生活は考えられないまでになっていた。というのも財務省の貿易統計によれば、中国からの輸入総額は全体の2割を占めていたからだ。
国別輸入額の割合グラフがあった。中国20%、中国を除くアジア23%、中東19%、北米13%、西欧11%、その他14%と、中国は最大の輸入相手国だったのだ。
2006年の日本の輸入総額67兆3400億円のうちでは13兆7800億円を占めている。野菜の輸入は重量比で約6割に達していた。これは国が近く輸送費が欧米に比べて安くつくということも関係がありそうだが。
にもかかわらず、最近もかなり多くのデタラメな加工食品などについて報道されている。それ以外にも以前から農産物の残留農薬や練り歯磨きや子供向けおもちゃからも有害物質が見つかっている。
先日、ビールのつまみに袋入りの味のいいさきイカを食べていたが、袋を裏返してみると原産国、中国とあったので急に不安になってしまった。せっかくお気に入りだったのだが。その後は価格は3倍になったが国内産のものにしたが・・・。今後も原・生産国を確かめてから買うことにするかな〜

<米国>中国などの食品、薬品に不安6割超 世論調査
7月20日18時16分配信 毎日新聞


 【ワシントン和田浩明】中国やインドなどの発展途上国で生産された食品や薬品の安全性に疑問を抱く米国民が6割を超えることが、米企業のオンライン世論調査で19日分かった。米国では中国産品から有毒物質などが検出され回収や輸入制限に発展する事例が相次いでおり、中国政府も規制強化を表明しているが、それによって「安全性が改善される」との見方は3割にとどまった。
 調査は米ハリス・インタラクティブ社が6月26〜28日に実施。18歳以上の2071人から回答を得た。中国などの発展途上国の産品に対する見方を聞いたところ、「市販薬」「処方薬」「栄養剤」「加工食品」の各分野で、安全性について「あまり信用できない」「全く信用できない」との回答が合計6割を超えた。
 導入すべき対策としては「危険が確認された製品の販売禁止」(22%)「生産・販売企業への罰金・罰則の強化」(16%)などが目立った。
 中国政府が発表している規制強化策が安全性を向上させるかとの問いでは、肯定的な回答は30%で、「全く期待できない」などが63%に達した。外国産品が「米国産」と偽って販売されている可能性を懸念する回答も8割を超えた。