最近の消費は経済学より、心理学の分野で考えないと・・・

「“つかみ”の人間学近藤勝重著より。
これは流通業界では有名な鈴木敏文氏の言葉だった。ここにある大学の研究所の調査があった。ちょっと興味深かったので簡単にまとめておきたい。
それは、“どの表示が一番安い気がするか”というものだった。定価100万円の車を例にあげていた。「3割引き」「30%引き」「30万円引き」の中では、「30万円引き」が75%と一番多く、次いで「30%引き」19%、「三割引」は6%だったのだ。
同じことも表示の仕方で受ける印象はかなり大きいことがわかる。つまり具体的な金額が一番消費者をつかむことができそうだ。ところが、一概にそうとも言えないことが、次の例からもわかる。
定価1000円のTシャツを同様に「3割引き」「30%引き」「300円引き」とした場合、「300円引き」を安いと感じたのは7%しかなかった。しかし「30%引き」は52%、「3割引き」は41%だったという。
つまり高額商品と低額商品では受ける印象はまったく逆だったのだ。そういえば、先日ある車のディーラーの前を通ったら、30万円引きという表示がしてあったな。それから、たまにコンビニでおにぎり20円引きというもの目にしたことはあるな。
安いものなら10円単位でも安ければ、ちょっと嬉しくなってしまう。スーパーの食品なら1円でも安いほうを選んでしまうかな。知らず知らずのうちに心理学の応用で買わされているかも・・・う〜む!

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勘違いしやすいOFFという表示。

夏の初めのこの時期は、デパートや専門店ではまだほとんどの商品は定価で売られている。しかし、あと1ヶ月もすればバーゲンセールに入ってしまうだろう。衣料品などはシーズンの初めには色柄サイズなどが豊富に揃っていて、自分のお気に入りを選べる範囲も広い。
しかし、ひと月もすれば、お気に入りのデザインやスタイルのものは見つかってもサイズがなかったり、その逆にサイズはあっても色が品切れしている場合もある。バーゲンはそれでもよかったら、という条件付きだから値段が下がるのだ。しかも在庫を減らしたいというものもちろんあるだろう。
価格を下げるときも、はじめは30%程度で、それ以降は40%、50%を段階的に下げていくのが普通だ。そして、どの店も、バーゲンセール、バザール、特価市、チャーミングセール、ご奉仕価格、ご優待セール・・・と表現こそ異なっても、ほぼイコールに近いと思われる。
さて、先月あるコーヒーショップで期間限定で「50円OFF」という券をもらったのだ。しかも、「円」という文字がやや小さくなっていたのだ。だから、はじめは50%OFFかと勘違いしてしまった。
もし、200円なら実に安い感じもする。しかし、実際は通常価格から50円を割引くということだったのだ。それでも安いから、何度か利用させてもらったが。数字+OFFはちょっと勘違いしやすいかな、と思った次第。