「トイレの掃除を素手でやる」

人間力を養う生き方」鍵山秀三郎山本一力著より。
鍵山さんはイエローハットというカー用品を全国で販売する創業経営者(現相談役)だ。国内ばかりではなく、中国、台湾にも多くの支店がある。そんな鍵山さんのもう一つの顔は掃除のプロと言ってもいいだろう。とくにトイレ掃除ではそれを見習う人が多い。
トイレ掃除で人生が変わった人も多いようだ。極端な例では、元暴走族が鍵山さんの姿に感動して公衆トイレを掃除し始めたりもしていた。鍵山さんの影響で全国でこのトイレ掃除を積極的に推進する人も増えているようだ。
山本氏の表現によれば、公衆便所の便器を、氏は左手でガシッとつかんで、右手に持ったスポンジで洗浄を始めたという。多くの若者が氏と一緒にトイレ掃除を始めるようになったという。すべて素手で立ち向かっている。そのには理屈ではない本物の姿があるようだ。
毎日使うトイレではあるが、掃除をするとなると簡単に電気掃除機で済ますわけにはいかない。汚れたトイレほど気合を入れねば掃除はできないだろう。鍵山さんはトイレ磨きは同時に人の心を磨くことだと考えているのだろう。掃除哲学さえ伝わってくる。


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ホテルの掃除で自分も磨く。
日経新聞、夕刊」2007.5.24付けより。
たまたま、数日前にトイレ掃除の鍵山氏の本を読んだばかりだったので、このコラムが気になった次第。なぜか、トイレつながりの日記になってしまった・・・
ここには、野田聖子衆議院議員の駆け出し時代について書かれていた。英語が得意だった野田さんはそれを生かそうと、帝国ホテルに入社していた。新人研修では客室掃除だった。
指導役の先輩は、掃除した便器の水をコップにくんで飲んでみせたという。このとき野田さんは感動と恐怖を同時に感じたという。負けず嫌いの彼女は数ヵ月後、自分で洗った便器の水を飲んだのだった。
まるでスポ根アニメかドラマのようだ。並みの根性ではそんなことはまねできない。その後議員になってはいるが、いばらの道を歩まざるを得ないこともあった。しかし、そんな時でも強い気持ちでいられたのは、ホテル時代の修行のおかげだと感じているようだ。
とにかく洗面所に比べて気合入れが必要なトイレ掃除は手間暇がかかる。私は年に数回程度しかしていない。せめて洗面所くらいは時どきキレイにしなければな〜〜


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持ち歩いている目薬の袋のなかにはノートの切れっぱし。
R25」2007.5.24号より。
インタビュー記事の中のワンフレーズだった。インタビューされているのは北野武だった。6月2日公開の最新作映画のプロモーションのためか、お笑いお笑い以外の部分で取り上げられている。
上記のフレーズの後には次のように続いていた。「クルマのなかにはノートの本体が転がっていて、至る所に紙がある。で、メモる。」
テレビ画面の中ではビートたけしとして、お笑いを振りまいているが、常にネタの仕込みには余念がないようだ。そしてメモったものは何ヶ月かに一度ちゃんとしたノートに書き写しているという。実に几帳面であることもうかがえる。
今回の最新作『監督・バンザイ!』もそんなふうにネタを集めて出来上がったものだったようだ。恐らくパワーとパロディでかなり笑いは期待できそう・・・だな。


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何事も一生懸命やっているから、突っ込み甲斐がある・・・
「ゴールデンミニッツ」2007.5.26号より。
この号の表紙は北野武のどアップの白黒写真だった。お笑いとはほど遠いほどの鋭い目つきをしている。このフリーペーパーもたまたま『R25』と同じ日に手にしたものだった。
当然のように、最新作の映画のプロモーションを意識しての特集だろう。本文の前にも4ページにわたる白黒写真が掲載されていたが、どれも怖い表情をしている。これが監督としての顔だろうかとも思ってしまう。
映画に関する内容紹介と監督業というものについて、述べられていた。今回の作品はいくつかのパロディーの組み合わせでできているようだ。そしてどれも一生懸命撮ったという。
そこでは、ナレーションの伊武雅刀がこれでもかと突っ込んでくるようだ。しかし、はじめから突っ込めるように撮ろうとするならつまらないものしかできないという。北野氏によれば、どんな映画でも悪口なんかいくらでも言えると述べている。
そして突っ込み甲斐があるのは一生懸命にやった作品の方だという。これも北野流の深い考え方でもあるな、と思った次第。