それまで一度も誇張して語ることのなかった彼が胸を張って言ったセリ

「PRESIDENT」2007.4.30号より。
彼とは近藤社長(43歳)のこと。彼が胸を張って言ったセリフとは、次のことだった。どんなに人気のあるタレントでも、それだけでは日産自動車はレース用のクルマを提供してくれないですよ」
近藤真彦はかつてマッチとしてアイドル歌手をしていた。そのピークは1980年代のことだった。もう20年以上も経過している。当時どんな実績があったのだろうか。81〜82年にかけてすべての最優秀新人賞計18個を受賞。85年日本歌謡大賞、87年日本レコード大賞受賞。これだけで、80年代がピークだったことの証明になる。
しかし、この10年ほどはレーサー、監督、社長としての活動がメインになっていた。近藤真彦というのは本人は一つのブランド又は商品だとさらりと言い切っている。また先ほど、彼が述べた「どんなに人気のあるタレントでも、それだけでは〜」という部分は彼が自信をもって着実に実績を残してきたからこそ言えることでもあろう。
年間数十億円の資金が必要といわれるレースチームを継続しているのは経営者としても優れている証拠だろう。しかし、それでも芸能人をやめてはいなかった。昨年からの武道館ライブは追加公演が行われるほどの大盛況だったという。
来てくれた大半が40代の普段は家庭の主婦だろうと振り返る。コンサートの間は観客も20年前にもどる。当然、近藤社長もマッチにもどるのだ。一旦作り上げた自分ブランドを大切に守りつづけている。それもお客さんのためかな。