「坂の街」づくりに積極的に取り組んでいる。

「相鉄瓦版」2007.5月号より。
この号の特集は“坂道で知る街の魅力”だった。街の風景も坂道があるからそれが魅力となっている観光地も多い。旅をしたときの思い出がよみがえってくるのではないだろうか。自宅の周辺を見回しても起伏に富んいることも実感する。
とくに歩いている時にはそれほど感じないが、自転車に乗っているとき坂道にさしかかると、どうしても億劫になってしまう。楽あれば、苦あり。苦あれば楽あり、が身にしみる。
坂の名前には意外に単純なものが多い。富士山が見えれば、富士見坂、水道場が近くにあれば水道坂、銀杏並木があれば銀杏坂とか。そういえば、自宅からは直接富士山は見えないが、数分歩いた坂道の途中からは見えたりもする。
この特集を読んでいたら、横浜の保土ヶ谷区にはちょっとユニークな名称の坂名があった。みらい坂、なかよし坂は一般公募で付けられた新しい坂だった。ビール坂、レンガ坂などは昔ビール工場があったり、かつてレンガの階段があったからつけられていた。このように保土ヶ谷区では坂のある街づくりに積極的に取り組んでいるようだ。
ついでながらよく、人生も長い道や坂道にたとえられたりもする。若いうちは登り坂、中年以降は下り坂のように。しかし、坂を昇っている最中には見えなかったものが、降り始めたとたんに見えてきたりもする。時にはそれは親の恩であったり、幸せ感であったりもする。
また仕事や日々の暮らしのなかでも、険しい坂道を登っているような気にさせられる時もある。しかし、苦しみながらも昇りきれば、視界も開けることもあるが・・・。(今日もこの日記を書き終わってほっと一息。)


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興味のない人にとっては、坂道は上り下りの面倒な道でしかない・・・
「相鉄瓦版」2007.5月号より。
(前日の続編のようなもの。)たいていの人にとっては坂道はやっかいなものでしかないだろう。しかし、そんな坂道に強く興味をもつ人もいた。山野勝さんは坂道研究家という肩書きを持っている。そして同好会をつくって「日本坂道学会」の会長に就任している。正会員は二人のみで、副会長はタモリさんだった。二人とも坂道の話をはじめると止まらなくなってしまうらしい。
東京には640余りの名前が付けられた坂があるという。その「坂道コレクション」を写真やメモで残すのが目的のようだ。坂道を巡りはじめて15、6年で8000時間を費やしているという。
やはり何気ないものにも、強い関心を持ち始めると実に面白いらしい。もし坂道を極めようとするなら、春夏秋冬に朝昼晩、つまり4×3=12回はその坂道に通わないと本当の意味で知ったことにはならないと山野氏は考えている。実に恐ろしいほどの入れ込みようだ。坂道とその周辺の風景を一緒に味わいつくすのだろう。
私も以前新宿区の小さな町、愛住町(この名前も雰囲気があるが)に何度かでかけたことがあるが、その際「暗闇坂」という坂を見つけたのをいまだに覚えている。実に古そうな江戸時代らしい坂名だった。地名の少なかった江戸時代では地域の目印として坂の名前がその役割を果たしていたようだ。
坂道のことを知ったところで、べつに何かの役に立つわけでもない。しかし、だからこそ面白いのだろう。今度地元の坂道の名前を意識して眺めてみようかな。(ちょっとロマンを感じるかも)
蛇足
なんと暗闇坂(くらやみざか)と名のつく坂は複数存在していた!!!
東京都港区元麻布の暗闇坂
東京都文京区上野の暗闇坂
神奈川県横浜市暗闇坂
東京都新宿区愛住町暗闇坂(暗坂)。

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客ごとに違った手紙を書くという「手作り」にこだわる・・・
朝日新聞」2007.4.30付けより。
経済面に毎年、売り上げを2、3割も伸ばしている高級紳士服店「銀座テーラー」の記事があった。(社員23人、年商5億円)その秘訣のひとつに手紙があった。今から2年前にお客への電話での連絡はやめたという。かわりに手紙や希望する場合はメールとなっている。
銀座テーラーの背広は一着30万円以上。普通のサラリーマンには手が出ない。当然のようにこの店の顧客の多くには秘書がいる。だから電話をしても本人には直接伝わらない、いたとしても手を煩わせる。
それなら、担当者が客との会話を思い浮かべながら一枚一枚書いた手紙で伝えるのが客にとってもいいと考えたのだ。つまり客ごとに違った手紙を書くという手作りにこだわるのは、この会社が創業以来「オールハンドメイド」の紳士服を手がけていたからでもあるらしい。
若い担当者はVIPに手紙など書いたことがない。だからはじめは社長の鰐淵恵美子さんが一枚一枚添削をしたという。客にとって心地よい商品、サービスな何かにとことんこだわることは実に手間ひまがかかることでもあるな。やはり社長の強い意志がないとこうはいかないか。