電車が走る線路の上の畑に野菜が実る・・・

朝日新聞、土曜版」2007.4.7付けより。
来月、東京世田谷区の小田急成城学園前駅にオープンする会員制貸農園のことだった。これは小田急線の複々線化に伴なってホームを地下に移設したことで、屋上ができたのでその空間を利用することになったのだ。
それにしても、成城学園という土地柄なら空いたスペースがあれば、立体駐車場とか高級高層マンションの建設を思い浮かべてしまう。しかし、コンクリートの上に大量の土をのせ、農園にするというのはちょっと面白い発想だ。
出来上がる畑は、幅20メートル、長さ250メートルで一区画は6平方メートルで300区画が出来上がる。で、気になる利用料金だが、年会費も含めて13万6500円だった。これが安いか高いと感じるかは考え方次第だろう。
高級都市型菜園だから、周辺の地価からすれば安いかもしれない。ただし、申し込みはかなり殺到するに違いない。金額だけを考えれば、わずか6平方メートルで13万円以上の野菜の収穫をするのは素人には難しいだろう。
しかし、何よりも自分で作った野菜だという満足感はお金では買えないものだ。しかも、土をいじり菜園を楽しめるということは、自分の健康を確認できることでもあるだろう。素人が作れば当然形や大きさはまちまちだろうが・・・・そんなことはどうでもいいのだ。


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失敗作に価値があることが認められた。
「ENGLISH JOURNAL」2007.4月号より。
(べつに英語の勉強のためにこんな雑誌を読んでいるわけではない。むしろそのなかのインタビュー記事に興味深い内容があったりすからだ。英語の部分はほ全く読まずに日本語の部分だけを読んでいる。)
今回はその中で、“勝ち組企業はかいにして生れるか”というテーマでマネジメント・コンサルティングの専門家フランシーン・ゴードン氏(女性)が語っていた。そしてスリーエム社を引き合いに出して語っていた中のフレーズだった。
すでに同社のポストイットにまつわるエピソードについてはご存知の片も多いに違いない。この製品は世界中、日本中どこにでも売られているが、これは失敗作がヒットした例だった。
当初は強力な接着剤をつくろうとしていたが、試作品が失敗してしまったのだ。しかし、その特性を生かして貼っても簡単に剥がすことができ、何度も使えることをメリットと考えている。それを製品化したものがポストイットだった。
このポストイットは使い始めるとクセになる人もいる。西村晃氏はこのポストイットによる情報整理術のような本を何冊も書いていた。それだけ仕事に使いこなせれば、大したものだが。確かにあれば便利な時もある。私もカバンの中にはいつも入っている。
一番使用するのは、どうしても忘れてはいけない事をこのメモに書いて財布に貼り付けておく時だ。すると今までほとんど忘れたことがないな。話しがそれてしまった。失敗作であっても考え方次第では、ヒット製品になりえるという一例だろう。自分の身近にそんな例はないだろうか・・・

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折に触れて、文字どおり失敗をお祝いしてました。
「ENGLISH JOURNAL」2007.4月号より。
同じインタビュー記事の中からのフレーズ。これは成功する企業は、失敗にどう対処するか、という問いに対して答えている部分にあった。
この「文字どおり」とは、ゼネラル・エレクトリック社は「年間最珍失敗賞」The most interesting failure of the year."というものを設定していたからだった。
これは失敗に目を向け、リスクを冒すように奨励する一つのやり方だった。つまり「何を試したか。そこから何を学んだか」という観点で評価されるのだった。日本の企業ではそこまでの余裕はないだろう。減点主義が一般的なようだし。
斬新なアイデアというものは、既定の枠の中だけの考えでは決して浮かばないだろう。誰にでも失敗に対しては嫌悪感はあるもの。しかしまた失敗なくしては成功もないのは事実だ。
例えば、トーマス・エジソンが電球を発明しようとした時、実験ではおびただしい数の失敗をしていた。誰かが彼に「あなたがやったのは、あらゆる失敗だけじゃないか」と言ったらしい。するとエジソンは「いや、私は何千通りもの、うまくいかない方法を発見したのだ」と答えている。物事もいいようでこうなるが、エジソンの本心かもしれない。
まあ、消去法は昔からある方法ではあるが、根気が必要そうだ。そうそう、珍失敗で思い出したが、予定していたプロ野球のゲームが雨で中止の時にはよく「珍プレー、好プレー賞」などが流される。それも番組の一つと考えればけっこう面白い。
また、蛇足だがテレビ番組の切り替え時には「番組NG大賞」のようなものも流される。これなども、出演者の失敗を集めて笑いものにすることで、番組を一つ作ってしまっている。(個人的には人の失敗を笑うのはキライなほうだが)

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新製品を考え出すのではなく「新たな顧客層を開拓する」という方法。
「ENGLISH JOURNAL」2007.4月号より。

あるオーストラリアのワイン会社のアプローチは、普段はワインを飲まないという人々にアピールするというものだった。そしてアメリカに進出して2,3年でかなりの成功を納めている。
ワインに対するイメージとしては、多くの人が食事時に「正しいワインを選ばなくては。しかしこんなにいろいろな種類があるし、どのワインがどの料理に合うんだろう?」などと思ったりしてしまう。
そんなことを考えてしまうと、ワインに手をつけなくなってしまう。そこで、あるワイン販売会社は白ワイン、赤ワイン各1種類ずつ、ボトルも新しくして遊び心のあるものにしたのだ。
つまりそれで、ワインは楽しいもの、入念に吟味するお上品な飲み物ではないというイメージを作ってアプローチしてきた。要するにこの会社が目を向けたのは、従来のワインの消費者ではなく新たな顧客層だった。ワインはそんなに堅苦しい飲み物ではないと思わせたのが成功の要因だったということになる。
似たような例がもう一つあった。それはサウスウェスト航空だった。基本的には車で移動する人々をターゲットにしていた。他の航空会社と競争したのでなはなかった。近距離を車で移動する人に価格で勝負をしたのだ。つまり、普通なら飛行機に乗らない人々を利用できるようにして成功してたのだ。
以上の例から同じ商品でも思い切って市場を変えてみることで新たな大きい商売が実現することに気づく。これを「ブルー・オーシャン戦略」というらしい。つまり自分が“真っ青な海に中にいる”というコンセプトだった。新たな市場を生み出すという意味のようだ。
英語の雑誌なのになんだか、ビジネスの本を読んでいるような気もした・・・な。