植物と向き合うことは自分と向き合うことでもある・・・

「相鉄瓦版」2007.4月号より。
(この号の特集は「植物と遊ぼう!」となっていた。このタイトルを見ただけで何となくワクワクしてしまった。文庫本サイズで50ページほどのフリーペーパーだったが、自分にとっては実に興味深いものだった。その中からいくつかフレーズを取り上げて触れてみたい。)
ということで、上記のものはいとうせいこう氏が「ベランダーの恍惚と憂鬱」と題して書いている中にあったもの。ベランダーとはちょっと聞きなれない言葉だが、ガーデナー(庭師)をもじって、ベランダで植物いじりをする人という意味で作ったものだろう。
実際、いとう氏の家のベランダには50鉢ほどの植物がびっしりと並んでいるという。これだけ管理するだけでもかなり大変だろう。鉢植えだと、地面に植えるのと違って水遣りに苦労するはずだ。
先週から今週にかけては関東地方では満開の桜が見ごろだった。満開の花を見てスゴイ、キレイだというのは理屈ではない。誰の心にも自然と生れてくる気持ちだろう。桜に限らず、自分で育てた植物に花が咲き、実がつけばその嬉しさも理屈でなく楽しめる。
その喜びは、すでに咲いている花を園芸店で買ってきたのでは味わえないものだ。植物も人と同じように気まぐれなところもある。何年間も咲かなかった花がある年急に咲き出したり、前年まで豊作だった柑橘類の実が年によってはほとんどならなかったりと。
人は今年もたくさん花を咲かせて枝もたわわに実をつけて欲しいと願うばかり。しかしその年の天候にも左右され、実際にその通りに行くとは限らない。ある程度面倒をしっかり見てやれば、それなりに人を楽しませてくれるもの。そんな意味でも“植物と向き合うことは、自分と向き合うことでもある”、と言えそうだ。


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植物に関心を持ち始めた頃。
これは自分のことだが、約18年前にマイホームを持つまではとくに植物に関心があったわけでもなかった。かつて実家では両親が庭でさまざまな花や植物を植え家庭菜園も積極的にやっていた。
しかし、その頃の私はただ収穫されたものを食べるだけで、花や野菜、果物類を育てることなどまったく関心がなかった。ところが、実際に庭があるとそれをどのようにレイアウトしようかと思えば、どうしても植物に関心を持たざるを得なかった。
実際、ホームセンターに行ってみると、それまで気がつかなかった花が目に入るようになったのだ。苗や種、樹木を買って育ててみると実に面白いことに気づいた。
育てるとはいっても子供らは反抗するが、植物の場合はなにも言わずに成長してくれる。私がまだ20代で実家にいるころ父が自宅の庭の畑でニガウリ(ゴーヤ)を作って、母が料理をしてくれたがその苦さになれず、とても食べられなかった。なぜ大人はこんな不味いものを食べるのだろうか、と不思議なほどだった。
ところが、変なもので、年をとるにつれてその苦味が好きになったのだ。しかも自宅の家庭菜園で育て、夏には収穫するようになってしまったのだ。季節はずれの春や秋にはスーパーで買ってまで食べている。なんという変わりようだろう。
話しがそれてしまった。植物が身近にあることで、より季節感を感じられるのもうれしい。その後は庭や近所の花を眺めた草花について、毎月のように自分のホームページにメモるようになっていた・・・(植物への恋愛感情にも似ているかな)

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盆栽の上にフィギアを載せて自分なりの小宇宙を作り出すこと。
「相鉄瓦版」2007.4月号より。
もうこれだけで、すでに何のことかお分かりの方もいらっしゃるでしょう。これはラテンミュージシャンのパラダイス山元さんが考案した「マン盆栽」というものでした。
盆栽というとちょっと地味な趣味に思えますが、この人は盆栽とフィギアを組み合わせて独自の世界を創造することに成功したのです。その過程は次のような偶然からでした。
たまたまある時、排水溝でコケを見つけた。→自宅にそのコケを持ち帰り鉢の土の上に乗せた。→そして、引き出しの中にあった小さな人形を鉢に乗せてみた。→植物とフィギアの組み合わせると、そこに別世界が生れた。と、こんな具合でした。
まさにこれこそ植物と遊んでいるとも言えそうだ。このマン盆栽とはマン(人)のいる盆栽という意味と、この人がマンボをする(ラテンミュージシャン)というからみもありそうです。
山本さんは盆栽と組み合わせる人形は、鉄道模型用のフィギアも使いますが、ガチャポンのオモチャ、お菓n子やペットボトルのオマケも使っているようです。要するにその世界を楽しめればいいのだ。
盆栽を枯らさないように水遣りもしっかりしないと。
ご参考、HPのURL・・・http://www.mambonsai.com/

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サボテンをインテリアやオブジェとして楽しむ・・・
「相鉄瓦版」2007.4月号より。
これは「サボテンの限りない魅力」と題して、カクタスクリエーターの羽兼直行さんが書いていた部分にあったフレーズ。この人の経歴はちょっと意外だった。50歳を目前にCMディレクターを辞め、輸入雑貨店を始めたのだ。
その店の飾りとしてサボテンを数鉢置いたところ、雑貨よりもサボテンがよく売れるようになったという。そこで、店のメインの商品はサボテンになり、結局サボテンの専門店になってしまったのだ。
サボテンに出会ってから40年を経て、いつしかサボテン専門店の店主になっていたというもの面白い。まあ、好きな道に進めたというのも幸せな生き方だと思える。
私の自宅近くに庭の片隅に巨大なサボテンを植えているお宅がある。その大きさは4メートル以上あると思われる。しかもトゲも大きく見ているだけでも恐ろしく感じるほど。まるで樹木のようにも見える。それが季節になると花を咲かせる。かなりの迫力。これはインテリアではなくエクステリアといってもよさそうだ。
蛇足
地球上に存在している植物は、およそ25万種で、そのうち約1万5千種がサボテンやアロエなどの多肉植物の仲間といわれている。サボテンは乾燥地帯だけではなく、熱帯のジメジメした雨季を生きぬいたり、寒冷地である高原地帯でたくましく育つものまでさまざまあった。

サボテンをインテリアとして楽しむというものいいかもしれない。