日常生活で自分の証明のハードルは高まる一方だ。

日経新聞、夕刊」2007.2.27付けより。
昨日、たまたま運転免許の更新に地元の警察署に行ってきた。最近は即日で更新した免許が受け取れ、以前に比べて随分と楽になった。写真も事前の用意もいらず、その場で撮影してくれる。
さて、この運転免許証は車に乗るとき以外にも実に応用範囲が広い。自分の名前、住所、生年月日、電話番号、さらには本人の確認ができる写真もたった一枚のプラスチックに印刷されている。
これは自分の「最強の証明書」となっている。金融機関の窓口で満期の預金などを払い戻す際には、どこでも健康保険証や免許証など身分を確認できる書類が必要とされる。
また、今年の1月4日からは、銀行では十万円を超す現金のATMでの振り込みができなくなっている。つまり、本人確認の書類の提示が必要となっている。これは実に面倒なことでもある。
勤務先の身分証明書では認めてくれない。またパスポートや免許証は必ずしも誰でも持っているわけではない。高齢になれば、運転免許も持たなくなるだろう。またニートやフリーターも身分を証明するものは持っていないことになる。
運転免許証や公的証明書を持たない「証明弱者」は世代を問わず増えそうだが、逆にさまざまな手続きには本人確認が強化されている。ある意味そのことで守られるというもあるだろうが、ちょっと困ったことでもある・・・な。